卒業
「卒業」の衝撃波
退職や番組を降りる際、数年前から「卒業」すると表現するようになっている。
一般人よりも芸能界で使われる機会が多いようだ。
「頭にきたから辞めた」「辞表をたたきつけた」と言うと上司や会社と対立し、もはや状況が修復不可となった時に多用される辞職方法で、昭和の頃はまあ一般的な辞め方だった。
平成以降は全般的に円満退職系が主流となり、そこそこ険悪になっても、結果的に双方折り合いをつけて、些少なりとも退職金を渡す代わりに会社の悪口は言わない暗黙の了解が成立し、花束贈呈のような表面的退職イベントでお茶を濁して、社内的には波風立たないような幕引きを行うのである。
芸能界に暗い私の知る限り、グループを辞める際に「卒業」すると表現したのはおニャン子クラブが初めてだったと思うが、あくまで私が知っている範囲での話し。
キャンディーズは「普通の女の子に戻りたい」だったが、ピンクレディーやウインクは何と言って解散したのか知らない。
アイドルではないが、あみんは解散当時の事情を岡村さん自身が語っていた。ここでは書かない。
ある程度予測できる卒業発表は心の準備ができているが、突然の宣言や告知はショックが大きい。
私にもアラシックスティーの人生中、ただ一度だけアイドル狂時代があった。
そのグループ、いつかはと予感させるものはあったが、2017年2月6日に卒業解散の告知がSNSを通じて行われ、ファンにかなりの衝撃を与えた。
しかし私はあまりショックがなかった。むしろ冷静に受け止めた気がする。
実際はショックを通り過ぎて状況把握ができなかったのだが、取り乱しはなかった。
それから三月末の卒業解散ライヴまで、地元で行われたほとんどの関連イベントには足を運んだはずだ。
結構数多くのイベントが企画されていたので、解散までの二か月弱は充実した時間を過ごせた感があり、寂しくも快く見送れたのがファンとしては幸せだったと思う。
今回のエッセイの対称は女性アイドルユニット。個人として、あるいはユニット全体で卒業となる等ケースは様々だが、彼女たちが夢を持って、その夢や目標に近づき達成できるよう、できる範囲でサポートなり応援をしてあげたい気持ちを、ファンとしては持ち続けたい。
急に思い立って書いた文書なので、短いし読みにくいかもしれない点はお許しを。