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転移ママの異世界奮闘記  作者: 平館 あや
第6章 『マタ旅』
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46話 庭園

アルクと2人でそのまま庭園に出た。


「馬鹿だなぁ。」


アルクはしょうがないなという顔で、笑いながら言った。

手は引かれたままだ。


「うっかりしてたわ。まさかそういう捉え方されるなんて思ってなかったもの。明日、ギルバートに何て説明したらいいのやら。。」

「笑われるだろうな。むしろリサとくっつけるって喜びそうだ。」

「、、そうね。どうやって接してもティアナ達に変な目で見られそう。」

「普通でいいだろ。何もないんだから。エドガー達も酔ってたし、明日には忘れてるさ。」

「そっか。」



広い広い庭園は、ランプと松明で照らされ、

幻想的な雰囲気だった。

そのまま夜の庭園を2人で歩きながら話した。



「はぁー。。みんなのところに戻りづらいわ。」

「先に部屋に戻って寝てれば良いよ。」

「それもそうね。じゃあ、私は部屋に戻るわ。連れ出してくれてありがとう。」

そう言って、私は部屋に戻ろうと、



、、、、手をね。


離してくれ。



「アルク、手、離してくれないと戻れない、、」

「、、、、」



離しておくれよ


アルクさん。



「手、、」

「、、、、嫌だ。」



子供かよ。



『お酒を飲んでる時のアルクは要注意』



昨日ギルバートに言われてたのだった。



「もしかして、お酒。結構飲んでる?」

「、、、、」



アルクに体を抱き寄せられる。


「悪いな。俺も酒癖悪いんだ。」



耳元で囁かれ、そのままキスをされた。



お酒の匂いは、


しなかった。



ーーーー


アルクにキスをされた。


慌てて離そうとすると、さらに激しくキスをされた。

「んっ!、、っは、アルク!」


「んっっ、、んぁっちょっと!」

アルクがキスで攻めてくる。


「はぁっ、はぁっ、、だめよ。んっ、、!」

そのまま耳をかじられる。


「ぁっ、、んっやめ、、、」


「離したくない。好きなんだ。初めて会った時から、ずっと、、」

アルクの吐息が耳に触れる。

「んんっ、、待って、落ち着いて!んっ、、、」



「ちょっと!!」

強くアルクを引き剥がす。


「ごめん。」

やっとアルクが離れた。



「まだ旦那が死んで半年も経ってないの!紗奈もいるし、お腹には旦那の子がいるの!困るのよ!」


困るのだ。


「、、悪かったな。」

俯くアルク。


「ごめん。戻るわね。」

「送るよ。」

「いいわ。」

「足元暗いし、転んだら危ないだろ。、、もう、何もしないから。」


広すぎる庭園。

長い距離を無言のまま手を引かれ、宿まで戻った。


「お休み。」

「お休みなさい。」


部屋の前で別れ、すぐに布団に潜り込んだ。


乙女のように高鳴る鼓動。

その反対側から押し寄せてくる旦那と子供たちへの罪悪感。

泣きそうだった。



「痛、、、」


少しだけ膨らんだお腹をさすりながら眠った。



ーーーー


「頭いたーい」

「気持ち悪ーーい」


朝、エマとティアナの声で目が覚めた。


「二日酔い?」

「リサ、動けない。。ごめん、悪いんだけど、中級解毒かけてくれない?初級じゃ無理レベル。」

「私も。」


2人に水を渡して解毒魔法をかける。


「うー。まだまだ治んない」

「私も。」


この2人は一体どれだけ飲んだのだろう。


「イシリオン呼んでこようか?」


イシリオンはヒーラーだ。上級解毒が使える。

加えて、アルコールに特化した解毒も使える。

酒乱エドガーのために作られた、イシリオンのオリジナル魔術だ。


「着替えてないから無理。」

「部屋散らかりすぎてて無理。」


世話が焼ける。

まぁ、私もお酒を飲んでいた頃は年に何回かこういう状態になっていたのでよく分かるが。


2人に着替えを渡して、部屋を片付ける。

自分も身支度を整えた。


「じゃあ、呼んでくるわね。」


「「お願いしやーす!」」


ーーーー


コンコン


男部屋をノックする


「おはよー。イシリオンいる?エマとティアナが解毒かけて欲しいって。」


ガチャ


ドアが開くと、アルクが出てきた。


気まずい。ものすごく気まずい。


「あ、おはよ、、」

多分私は苦笑いになってる。


「、、うっす。」

眠そうなボヤっとした顔。


「イシリオンなら今、朝風呂に行ってる。」

「そっか。じゃあ、戻ってきたら、女部屋に来て欲しいって伝えてもらえるかしら。」

「わかった。」


アルクが目を伏せながら言う

「、、、昨日は、ごめん。」

「、、、、」


言葉が出なかった。



「お、リサさんおはようっす!どうしたっすか?」

イシリオンが戻ってきた。


「あ、イシリオン、エマとティアナが解毒かけて欲しいって。部屋に来てくれない?」

「おおお!!女部屋に入っていいんすか??」

「大丈夫よ。」

「うおおおー!ヤバイっす!」


「イシリオン、エドガーとスーリオンもかけて欲しいって言ってるぞ。」

「男は後っす!エマさんとティアナさんの方が優先っす!」



「まーまー!ゆうちゃちゃん、イチちゃん、おたよーー♪」

紗奈が来た。


「ど飯!いとー♪」

「ご飯っすね。俺はみんなに解毒かけたら行くっす。先に行ってて欲しいっす。」


「じゃあ、ママとゆーちゃちゃん、いとー!」


私とアルクは紗奈に手を引っ張られながら食事の間に行った。


ーーーー


「おはよう。よく眠れた?」

ギルバートがニコニコしながら待っていた。


「あれ?2人だけ?」

「他のみんなは二日酔いで、今イシリオンが解毒をかけて回ってるわ。」

「このメンバーだもんね。そうなるよね。」

ギルバートが笑いながらご飯をよそってくれた。


4人で朝食をとる。

紗奈はギルバートの隣に座って、ちゃっかり食べさせてもらっている。

ギルバートママの甘やかしが過ぎる。


「はーちゃんねー、ちのう、ギルちゃんに、とろーるのお話ちてもらったの!」


紗奈は昨日の夜、ギルバートのお話を聞きながら寝たようだ。


「そう。楽しかった?」

「うん!はーちゃんも大きくなったら魔法でバーンってやりゅんだ!」

「そう。楽しみね。」


私は隣に座るアルクを一切見なかった。


「ねえ、何この重い空気。何かあった?」

「、、、、」

「、、、、」


ギルバートが心配そうな顔をしている。



「おはよーん!」

「おはよ♪」


エマとティアナが元気そうに入ってきた。


「おはよう。元気になったみたいだね?すごいでしょ。イシリオンの解毒は。」

「想像以上よ。みるみる体内の悪いものが消えていくの!癖になりそう。」

「しかも、イシ君って魔術使ってる時、何故か言葉攻めしてくるじゃない?聞いてて面白くて。」


イシリオンは人に回復をかける時、Sっ気が増す。それは男女問わないようだ。


「癒されながらの言葉攻めってなんだかゾクゾクするよね。」

「ギルバート、子供の前でそう言うのやめて。」

「おっと失礼。」



ティアナが訝しげにギルバートを見ながら言う。

「ねぇ、ちょっと記憶がおぼろげなんだけど、ギルさんがリサにプロポーズしたって本当?」


グフっ


ギルバートがお茶を喉に引っ掛けた。


「サナちゃんの親になるって言ったんでしょ?」

「コホっ、、、ああ、確かに、言ったね。」

ジト目で私を見てきた。

どうしてそういう話になったと言う顔だ。


「ごめんなさい、ギルバート。私の言い方に語弊があって、、」

「いや、面白いからいいよ。」

ニッコリ笑った。怖い。


ギルバートは紗奈の頬にキスをしてこう言った。

「僕はリサもサナも愛してるからね。」

ニッコリ。


「ヒューヒュー」

「おお!公開プロポーズっすか!」

「すごいタイミングで入ってきちゃったっす!」

エドガー達が入ってきた。


この人、絶対、わざとややこしくしてる。



「ごちそうさま。」


アルクは1人、部屋を出て行った。


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