188話 遭遇
「ワイバーンじゃない!!!」
ゲギャーーー
「一匹だ。魔術師、大丈夫か?」
「大丈夫!」
電撃を放ち怯ませた後に、狙いを外さないように重力魔術で動きを封じる。
そこを街をも吹き飛ばすS級大魔術を凝縮させて、ガツンだ。
ドゴーーーーン
「ふぅ。」
討伐完了だ。
「へぇ。すごいなぁ。瞬殺じゃねぇか。ワイバーンって1人で倒せるんだな。」
レオが、墜落したワイバーンを見ながら言う。
「一匹ならね。それに、この魔術を覚えたのは半年前よ。もし転移がそれより前なら死んでたわ。」
「俺も魔術師が良かったなー。索敵なんてただの使いっぱしりだろ。」
「でも、あなたの代わりはいないわ。頼りにしてるわよ。ワイバーン、近くにいる?」
「森全体にはまだまだいるが、近くにはもういない。」
「まだまだいるのね、、」
魔力隠蔽が手放せない。
ワイバーンの素材は惜しいが、荷物になるので、討伐証明だけ取って、アンデット化しないように火葬。
そしてまた森を進む。
「そういえば、さっき魔力探知したときに、王都エルフのパーティもいたぞ。俺らの捜索に2パーティか。この森は広いもんな。」
「え、そんなこともわかるの?」
「種族の区別くらいお前もできるだろ。あと知り合いの魔力も。」
「そうね。」
「エルフのパーティにエドガーが入ってた。逆にアルクの方にはギルセリオンだ。サモンドパーティに魔術師がいないからチェンジしたんだろう。」
「なんでギルセリオン?リーダー交換ならクーサリオンじゃないの?」
「リンドールがアルクの方にいるからだろ。」
レオが笑いながら言った。
サモンドパーティは
アルク、エマ、リンドール、ギルセリオン
エルフパーティは
攻撃魔術師のエルフ3人、剣士にエドガー、ヒーラーにレオの助手のハルラス君が入っているらしい。
「あ!そうだ!あの2人の魔力はどう向いてるの?」
リンドールとギルセリオンの恋の行方だ。
「へっ。教えねぇ。」
くそ。
「一生分の借りは?」
「、、、っち。リンドールは相変わらず俺。ギルセリオンの片思いだ。なんでお前の好奇心を満たさなきゃいけねぇんだよ。」
「あんたが私にキスしたからでしょ。」
「はぁーーー。これだから白兎の方は嫌いだよ。」
レオが深いため息をついた。
ーーーー
アルク達のいた方角に進む。
「ねぇ、レオからみた私ってどんな性格なの?」
「自分でわからねぇのか?」
「んー。真面目、乙女、鈍感バカってよく言われるわね。」
「それは全部白兎だな。アホみたいに素直で真面目。鈍感バカで、おばちゃんらしくゴシップに興味津々で、年甲斐もなく乙女なのが白兎。」
しれっとアホとかバカとか、おばちゃんとか年甲斐がないとか、言い過ぎじゃないか?
「じゃあ黒猫の方は?」
「黒猫は真逆。不真面目なエロ猫。気まぐれで、短気で、大雑把。お前、疲れてくると怠るだろ。悪態つくのも、煙草吸ってたのも、全部黒猫。」
「エロ猫って、、」
「もし昨夜、お前がもっと疲れてて、黒猫が強かったら、お前は欲に負けて、俺のキスを受け入れ、襲われてただろうな。」
「何よそれ。。襲いたかったの?」
「俺はこっちの世界で一度もヤってねぇんだ。もう我慢の限界だっつーの。」
一度も?
「あれ??エマとしたんじゃなかったの???」
「だから、シてねぇって昨日も言っただろ!!挿入直前で怖気付かれて、寸止めされたんだよ。ほんと、処女ってのは残酷だ。」
直前、、、
「、、、、、むごいわね。」
「だろ、、、」
レオが可哀想になってきた。
「同情はするけど、やらないわよ。」
「当たり前だ。お前とヤったら、アルクに殺される。キスした事ですらバレたらどうなるかわかんねぇくらい、あいつはお前に心酔してるんだかんな。」
「心酔、、、まぁ、殺しかねないわね。他の人じゃダメなの?それなりに綺麗なら誰でもいいって言ってたじゃない。」
「記念すべき異世界1回目くらい、特別なやつとヤりたいだろ。」
「それがエマだったのね。」
「まぁな。でも振られたからもういい。」
「振られたの??」
「お前がアイツに嗾けたんだろ。俺じゃない、他に目を向けるとさ。」
「あら。」
すいませんね。
「なら、レオも他に目を向けないの?絶対エマが良いの?」
「別にエマに固執してるわけじゃねぇが、他がいねぇんだ。俺がこの世界で他に気に入ってる女達は、残念ながらみんな人妻だ。しかもうち2人は巨乳。最低の組み合わせだな。」
「巨乳人妻、、、自惚れで悪いんだけど、その2人の内に私も入ってる?」
「ああ。黒猫の時のお前と、俺を最初にスラムで助けてくれた女。お前が治癒かけた中にいただろ。牛みたいな巨乳が。」
「ああ!わかった!あの人ね!って言うか、牛って言うな。」
「お前、今、牛で理解しただろ。」
「う、、」
寝てても山ができる程大きかったから覚えていたのだ。
「あーあ。限界限界。金とパスポートさえあれば、日本で遊んでから帰ったんだけどな。ほら、ゴム。」
転移ついでに遊ぼうとすな!
そして、ズボンのポケットに研究用に買ったゴムを忍ばせるな!!
ーーーー
2時間程歩いた。
「休憩!!!疲れた。そろそろ念話圏内にアルク達が入ってくるはずだ。もうここで待つ!!腹減った!魔術師、あの木のとこにいる鳥で焼き鳥作れ。」
レオが投げやりだ。
キロ単位の魔力探知は魔力を使うらしい。
レオの魔力がかなり減っている。
加えて寝不足。相当お疲れだ。
「少し寝たら?寝れば魔力回復できるわよ。」
「それより飯だ!魔力なんて、ヒーラーと合流できれば回復してもらえるし、アルク達が一緒なら、魔物を避けて歩かなくてもよくなるだろ。魔力回復よりエネルギー補給!合流しても、森を抜けるのにあと4時間は歩かなきゃいけねぇんだ。」
「はーい。魔力弾!」
鳥を一羽撃ち落とした。
「あ、ここ知ってるかも。この道を入っていったところの洞窟。前に大雨の中、バジリスク討伐に行って、野営した場所よ。その中にいたバジリスクでエマが石化したのよ。」
また見覚えのある森だ。
半年前に来たところだ。
「へぇ。バジリスクね。今はラビットベアの巣穴みたいだぞ。」
「うさくまの丸焼きでも食べる?獲ってきましょうか?解体もできるわよ。」
うさくまの解体の仕方は、メイドのメータに教えてもらった。
「随分ワイルドだな。でもいらねぇ。鳥が良い。」
「そ。あ、魔力弾!」
鳥をもう一羽撃ち落とした。
ーーーー
焼き鳥を作って食べる。
風魔術で頭を切って、重力魔術で血を抜き、素手で羽根と内臓を抜いて、水魔術で水洗い。火魔術で低温で丸焼き。魔術調理のローストチキンだ。
ちなみに塩は日本から持参だ。
鳥の解体はメータに教えてもらったのだが、結構グロい。
「主婦の魔術師、便利だなー」
「普通の日本の主婦はなかなか鳥は捌かないわよ。」
「まぁそうだろうな。」
昼食を終えて、アルク待ちをする。
レオはアルク達とすれ違わないよう、魔力探知を続けている。
「超広範囲は使わないの?うさくまに気づかれるくらいならどってことないわよ。」
「ラビットベアを狙ってるのか、近くにワイバーンがたくさんいる。お前に対処できるのか?」
「、、、ワイバーンって、大量発生するのね、、、」




