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異世界図書館の活動日誌  作者: すずね
3/4

失恋の涙 2

前回に言った通り、今回は風莉目線です。

風莉(ふうり)!」

誰かが私の名前を呼んだ。声的に航佑(こうすけ)かな。

振り返ってみるとやっぱり航佑だった。

「タオルちょうだい」

「はい!」

私はタオルを航佑に手渡した。

私と航佑は高校で知り合った。クラスが同じと言うのと部活が同じだったから仲良くなった。部活が同じと言っても、私はサッカー部のマネージャーだけど。

「はぁ~疲れた」

「お疲れ。今日の監督、ちょっと厳しいね」

「そうそう。大会が近いからってひでーよなぁ」

最近、気付きたくなかったものに気づいてしまった。

「航佑く~ん」

「あぁ由海(ゆみ)

「はい!スポーツドリンク」

「ありがとう」

それは私が航佑のことが好きということ。

あともう1つ。これは噂だけど、航佑と由海が付き合っているということ。

由海は私と同じサッカー部のマネージャーで、高校に入って1番最初に仲良くなった子。

最近、この2人が付き合ってるともっぱらの噂だ。

胸が苦しい。この2人を見てると涙が出てきそう。

「あっ風莉。今日、サッカー部の奴らでカラオケに行くんだけど来る?」

「航佑と由海は?」

「俺は行くけど由海は行けないって」

「ごめんね。今日お手伝い頼まれちゃってるの」

「そうなんだ。じゃあ私は行こうかな?」

「よし決定」

航佑はそう言うと練習に戻って行った。

カラオケに行くか迷ったけど、ちょっとパーッとストレス発散したい。


放課後。私はサッカー部の人たちとカラオケに来ている。先輩のマネージャーもいるから女子1人じゃないからよかった。

「ほら あなたにとって~ 大事な人ほど すぐそばにいるの」

部長がマイクを握って熱唱している。正直言って下手ではないが上手くもない。

部長は歌い終わると航佑の隣に座った。

「なぁ航佑。お前、由海と付き合ってるって噂だけどホントか?」

なんで聞くの。私はそう言いそうになった。

「噂ですよ。由海とは付き合ってません」

「ホントか?顔がすごいにやけてるけど」

「違いますってば」

「言えば楽になるぞ。俺も彼女いるから相談乗れるぞ」

「だから!」

航佑が先輩達にからかわれている。

付き合ってないって断言したのはいいけど、なんでそんなににやけるの?やっぱり付き合ってるの?由海のことが好きだから付き合ってるって言われて嬉しいの?ねぇなんで。

胸が苦しい。心拍がものすごく上がってる。

航佑、私、航佑のことが好きなんだよ?

「ごめんなさい。私用事思い出しちゃいました。なのでそろそろ」

「あぁじゃあまたな」

部長がそう言った。

私はささっと荷物をまとめてお金を出してカラオケを出た。

「うっうっ」

私の目から涙がぼろぼろと出て来た。

私、航佑のことが好きなのに。

この時、私の恋は終わった。失恋の涙ともに。

次回はリア目線に戻ります。

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