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彼女は付き合った。

そして、気がつけば、随分と時は経過していた。

といって、数ヶ月レベルだったのだが、学生時代の時の流れは1日1日が本当に長く、深く感じる。10代はそんなときだ。


僕と彼女の関係は何も無く、むしろ悪化した。


彼女が実は他に好きな男が何人も居ると知った。


それは絶望でしかなった。

そして、好きなだけならまだしも、付き合っているという事実ものちに知った。


では、一体、僕と彼女は何だったのであろうか。


一番の思い出といえば、弓道部の試合で、二人っきりで次の定期テストの勉強をしたことだ。したといっても、僕が一方的に習っただけ。僕は彼女に教えれる事は何もない。彼女は頭も良かった。

どうやって解くのかを一つ一つ丁寧に教えてくれた。

僕はもうこのチャンスを逃せば、距離を縮められないと、気色の悪い行動に出た。

教えてくれているノート上には一切目を向ける事無く、タダひたすらに彼女の顔を見つめ続けた。顔というより、目を見続けた。

これほどまにでかつて、近距離で同年代の女性の顔を見たことは無かった。恐ろしき童貞力である。


そんなおかしな素振りをしている僕を彼女は一切変に見ず、ちょっと緊張した顔で見つめ返してくれた。

ああ、もうこれは付き合っているといっていいなと僕はその時思った。

周囲の男はこちらをにらみ付けている。違う学校の男たちもだ。それはそうだ、彼女は美人だから。

その日は最高であった。二人でかなり話したし、同じ時間を共有した。

それは最初で最後の出来事であったが、僕は本当に幸せであった。


しかし、それから2ヶ月も立たない内の出来事である。事実を知るのは。

だが、僕は、分かった。最初は僕の事が好きだった。だが、それに答えずに、何も行動を起こさなかった間に、彼女は他の男に惹かれてしまった。

よりによって僕の仲の良い男と付き合った。

彼は、頭もよくスポーツマンで顔も良い。あっぱれな奴だ。人徳もあり、友達も多い。僕とは正反対だ。

なので、彼女が彼に惹かれる理由はよくわかった。当たり前の結果であるのだ。

僕はすぐに身を引いた。身を引いたというと、頑張ったようであるが、実際は何も頑張れていないので、身を引いたとは言わないのだろう。


そしてまたツラいことに、彼もまた僕と家が近い。

仲睦まじく帰宅している二人の姿を見るはめになる。嫌でも同じ帰路なのだから仕方がない。

だが、それはかなり辛く、僕の胃をキリキリとさせ、そして毎晩僕は泣いた。ただ、ひたすらに泣いた。

彼女のことがそれ程までに大好きであったと初めて知った。これは初めての失恋であった。本当に大好きであったのだ。

数人のやつらにこの事を話した。皆、お前は可哀想なやつだと言ってもらえ、いささか、心が安らいだ。ああ、友達の存在もいいものだなと初めて感じだ。


僕はとりあえず何らかの形で彼女が付き合った僕の友だちに復讐をしたいと思った。

そして、そのチャンスはやってきた。

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