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作者: 咲徒

あくまで個人的解釈なので、ほとんどが想像です。そこをご了承下さい。





指を指した先の木々の隙間から


静かに零れる月明かり


私と貴方の頬を優しく撫でてくれる


見渡す限り一面白銀の世界


そのあまりにも美しい景色に


ふと懐かしい思い出が蘇る


でも私の心はその思い出達を拒んだ


これからの私達の為に



静かに吹く冷たい風に頬が赤く染まって


ぽけっとの中で貴方と手を繋ぎ


その温もりを確かめ合う


静かに降り続く雪の中


零れる白い吐息と共に昇っていく私達の小さな想い


そして雪のように胸に積み重なっていく想いはまるで


雲の隙間から輝く星の光のように煌めいていた




残酷な時代に流され


そして深い雪の中に閉じ込めた


二人で一緒に過ごした日々の思い出


水面に薄く貼った氷の下で


寄り添った私と貴方の姿が小さな波に揺られ


湖に映る月も二人の心を映すように


ゆらゆらと揺らいでいた


夜の闇に輝く星の光を背中に受けながら




二人で絆を深め合った日々


それだけが在ればよくて


不思議な程綺麗な雪の姿に


木々の下で思わず言葉を募らせていた



優しく言葉をかける貴方に


泣き虫な私はぽろぽろと涙を流し


「そうね」と呟くしか出来なくて


そんな私を見て貴方は


「本当に綺麗な場所だ」と呟き


その表情が見えないように帽子を深く被った


そして木の枝に積もった雪が落ちた時


私は心を決め貴方に呟いた


「ねえ ここがいいね」と


その言葉の意味


それは…




指に落ちた雪が溶ける姿に


止まった筈の涙がまた零れて


私達を乗せた小さな舟が


夜の波に揺らいでいる


そしてまるで迷子の子供のように


私と貴方は抱きしめ合い


そして心を決め互いに頷き合う


その時いつも強がっていて


私の前では決して涙を見せない貴方が


初めて泣いた




今まで幸せの数を指折り数えてみたら


指が足りなくなって


それだけ沢山の幸せがあった


静かに頬を寄せ合わせた私達


夜空の星達はその隙間を埋めてくれているように


優しく光っていた



湖べりで輝く綺麗な星々



夜空を流れる雲に星の光が消えて


雲間から漏れる小さな光に照らされる私達の影は


とても美しく見えた



そして星は流れ…



光のような水飛沫を上げ


湖の中へ私達の影は消えた



波に揺らぐ月


残された舟は水面に映し出された星の川を昇っていく


まるで二人を空へと導いてくれるように



そして誰もいなくなった湖は静かに揺られて


それまでの現実がまるで幻のように


静けさに包まれていた




薄い氷の膜に輝く星の光に


二人の影は静かに


静かに消えていった




残酷な時代に流され


そして深い雪の中に閉じ込めた


二人で一緒に過ごした懐かしき日々


自ら終わらせたのは


脆く儚い未来へと続く夢


風に吹かれ空へと舞い上がり


そして消えて逝く粉雪に包まれ


本当の…ただ一つの幸せを


最後の時に思う




「あなたに会えてよかった」と







【決して叶わない二人の恋、その果てに二人は、遠く静かで、星と月が綺麗な湖でこの世界に別れを告げる事を決めた】そんな感じの解釈です。

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― 新着の感想 ―
[一言] あさきさんの歌詞が本当にでていて、そしてよてもいい解釈だと思います!!
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