義弟IN THE BED
いやぁ〜今は義妹ブームみたいですね〜。
まぁ、なんとなく対抗して書いて見ました。
さぁ、存分に萌えて下さい!
あぁ〜義妹が欲しい!
唐突に何を言い出すかとか思うかもしれないけど、俺は今非常に義妹が欲しい。
きっとそれは昨日友人に借りたエロゲのせいだろう。
設定はありがちだった。普通の少年の家に義妹がやってきて、その後は……
みたいな感じ。で、俺はそれに影響を受けて急に義妹が欲しくなったんだ。
そして今日、事件は起きる!!
「雅春〜降りてらっしゃい」
母親の声が布団の中に埋まってくいる俺の耳に届いて来る。普段なら、雅春はうっとうしがっていただろう、しかし今日は違う。
何故なら、昨日やったエロゲで義妹がやってくるのが、こんな感じだったからだ。
淡い期待を込めて雅春は返事をし、パジャマのまま階段を駆け降りた。
「なんかよう!?」
母親がいるリビングの扉を勢いよく開けた。リビングには休日のため父親もテレビを見ながら寝転がっていた。
「おぉ、雅春!早速なんだが重要な話がある」
「なに!?父さん」
これから起こるであろうかとを想像すると自然と心が弾み、口調がリズミカルになる。
「実はお前は……今日からお兄ちゃんになるんだ」
キター、雅春は今どき誰も使わないような言葉を心の中で反響させた、そして体は無意識に飛び上がった。
「あらぁ、そんなに嬉しいの?ずっと一人っ子で寂しかったのね。でも、今日からは大丈夫よ」
母さん、そんなのは良いから早く対面させてよ!少年はジタバタと世話しなく動きジラス母親を急かす。
「まぁまぁ、落ち着け逃げはしないから」
そうだ、義妹は逃げないんだ!……でも、待てない!!
「入って来て〜」
雅春の母親が、リビングの後ろのドアに声をかけた。恐らく、ここにいるのであろう。
ドアが縦にゆっくりと開く。
待ってたよぉ!マイシスタァ〜!!!
そして、ついに全貌が明らかに……
「て、うおお!!!お☆★○●◇◆※▲▼■あぉ!!ぉぉぉ!?」
声にならない、声にならない!
ドアから姿を現したのは、タンクトップに短パン、そしてハイソックスを履いたダサダサファッションで、身長は190cmはあり、二の腕が雅春の二倍以上ある筋肉ムキムキのマッチョマン。極めつけに顔はヤクザも真っ青な鬼の様な形相。
「SOS!SOS!!おーじんじ!おーじんじ!!」
雅春は飛びはねた、現れた男のその顔を見た瞬間、『殺し屋』だ。とそう直感したのだ。
「あらあらそんなに嬉しいの?」
「な、それはどういう……まさか!」
「僕、山田剛、これから、お世話、なります!」
ちょっ……助詞、助詞!助詞が抜けてるよ。
現れた男は口を開き自己紹介をした。
ま、まさか……そんなアンビリーバボォな……この日から、俺と“義弟”との共同生活が始まる。
「まぁ早速なんだけど、父さんと母さんは出かけてくるから、二人で仲良くしていてくれよ」
「えぇ!!」
この男と二人っきり?ヤバイ、ヤバイよ、殺されちゃうよ!
「ちょ、チョット待ってよ。流石にいきなり二人きりてのは……」
必死に両親を止まらせようとするが、雅春の努力も虚しく両親は出かけて行ってしまった。
気まずい……ど、どうにかしなければ……
「あ、あの……よろしければ肩をお揉みしましょうか?」
あれ?コイツ義弟だよな?なんで敬語使ってるんだ?
「いえ、僕、揉みます。お兄さん、休み、下さい」
「い、いえいえ、滅相もございません!!」
やたらと切迫詰まった喋り方で雅春は剛の申し出を断った。
「僕、お兄さん、肩、揉みたい」
「あ、ありがとう。それより、とりあえず助詞を入れてみない?」
「あ、すいません……つい緊張してしまって」
それから暫くして二人は軽く自己紹介をした。
まず分かった事で重要なのは二つ、一つは剛が雅春より年下で16歳と言う事。
「ありえねぇ」
頭の中で雅春は突っ込んだ。
もう一つは顔に似合わず、内気で気が弱いという事だ。
自己紹介が終わり、暫く沈黙が続く。このまま何もしないのは非常に気まずいので雅春は提案した。
「トランプでもしよう」
二人はリビングを出て階段を登り雅春の部屋へ向かった。
「さぁ〜どっちだあ!」
「ムムムム〜……こ、これです!」
雅春の手には二枚のカードが、そして剛はもの凄い形相でそれを睨み付ける。正面から見ると怖いので雅春は目を会わせずにトランプをする。
「よっしゃあ!」
「うおおぉ!」
剛が引いたカードには死神の模様が描いてあった。剛はそれをみて雄叫びをあげる。
そして剛は泣き出した。
えぇ〜、婆抜きで負けたくらいでこんなに号泣!?
剛の目からは大粒の涙が滝の様に流れ出ている。
クソッ……このままじゃヤバイ、こうなったら
「剛、俺はトイレに行ってくるよ。少し待っていてくれ」
雅春は数枚のカードをこっそりとトイレへ持ち出し、ジョーカーの小さくカードに印を付けた。
その頃部屋にいる剛は泣き止み、少しだけ雅春の部屋を見渡して見た。
「こ、これは……!」
と、直後に足音が聞こえて来たので剛は座り直す。
その後トランプは全て剛勝った。トランプが飽きて来た頃には二人とも腹が減っていた。時計を見ると既にお昼を過ぎていたため、トランプをやめ近所のコンビニへと買い出しに向かった。
「あ、家に持って帰るとゴミ捨てが大変だからここで食うか」
二人はコンビニの前で食事を取る。剛の姿があるせいかコンビニに来る客は皆顔が青ざめていた。
「ん〜家帰ってもやることないし……このままどっか行くか?」
「はい!」
剛が即答したので、二人は町へと向かった。
歩いている途中、剛が石につまずき転び食べていたアイスを落としてしまった。すると剛が泣き出しそうになったので、すかさず雅春は自分のアイスを剛に譲った。
二人は様々な所を歩き回った。ゲームセンターに本屋、ショッピングモールなんかも見て回った。最初は怖かった、だが、剛は決して外見ほど恐ろしくは無く、寧ろ優しい男だった。楽しかった、雅春は一人っ子で小さい頃からずっと一人だったから……それに……
「よ〜う雅春じゃねぇか!」
不愉快な声が響く。数人の男子学生らしき者達だ。
「お前ら……」
「あ〜そうそう。お前教科書全部無くなったて言ってたじゃん?あれ、ゴミ箱に全部“しまって”あったぜ」
――それに、俺はいじめられているから――
年齢の近い男子と一緒にいるのは楽しかった。
せっかく楽しい気持ちでいたのに……
「まぁ、ゴミ箱に入ってたって関係ないよな」
お前ら……
「なんたってお前自体がゴミなんだし」
なんなんだよ……
「ギャハハ、まぁ弱虫、ケチ、運動音痴、卑怯、これだけ揃ってるんだしな」
……
「ゴミに失礼……」
「いい加減にしろ!お前らぁ!!」
怒鳴ったのは、後ろにいた剛。剛の迫力に男子生徒は口を止めた。
「お前らに何が分かる!?お兄さんはなぁ、義弟の僕のためにワザとトランプに細工して負けてくれたり……」
あ、気づいてたの?
「自分のアイスをなんの躊躇も無く僕にくれたり……」
あれ、もう溶けちゃってたからさ
「良いところが沢山あるんだ!お前なんかにお兄さんを馬鹿にする資格は無い!消えろ!!」
剛のあまりの迫力にいじめっこ達はブルブルと震えだし、そして逃げさった。
なんだよ、本当に良い奴じゃん。これから、きっと仲良くやっていけるな
雅春は家に帰り心底そう思った。家に帰った時にはもう夜だったので、疲れたので二人は直ぐ寝る事にした。
雅春がベッドに潜り込むと……
「うわあああぁ!」
なんと裸の剛がそこにはいた。
「お、お前、一体何を……お前の布団はこっちだぞ」
床に敷かれている布団を指指す
「いや、お兄さん。こういうの好きみたいなので……」
剛の視線の先には借りたエロゲがあった。
剛を見ると……うるうる目で上目使い、そして――
「お兄……ちゃん」
そ、その顔でそのセリフは、勘弁してくれぇ……
しかし強引に剛は雅春をベッドに引きずり込んだ。
「へやあああぁぁぁ!!!」
雅春の悲鳴だけが最後に響いた。
まぁ、ふと思いついたので書きました。30分くらいですかね?