〜授業〜
今回からタルトが魔法を学んでいきます
これからタルトには強くなってもらうように書いていきますので
読んであげてください
「え?あの試合の時太刀使ってなかったんですか?」
タルトがアリエルさんと話をしながら朝ごはんを食べている
「うん、私武器とかは苦手だからなぁ」
先日、アリエルさんの試合で刀に見えたのは、アリエルさんが使用した魔法だった
「でも、刀みたいな形だったような」
「そりゃあれよ、魔法を具現化させて剣の形にしてたからだよ」
「あっそうか」
タルトは魔法使いなら誰でも出来るだろう事を忘れていた。
「そぅそぅ。そうだ、今日から修業って話だけど…君はどうなりたいの?」
「どうなりたいっていうのは?」
「そうね…単純に言えば魔法振り回しながら剣も振り回す[聖騎士]を目指すのか、五種族魔法剣士まぁ続に言う[エレメントソードマスター]を目指すのかってこと」
「聖騎士か魔法剣士ですか」
タルトは悩んだ、悩んだ末に出した結論
「聖騎士になります」
「ほぅ、理由はあるのかな?」
「はい、聖騎士ならその過程で魔法剣士の道も歩むのではないかと思ったからです。」
「ふむ、まぁあながち間違いじゃないな。だが、専門が違いすぎるから基本しかやらんぞ。それでもいいか?」
「はい!」
「そうか…わかった」
アリエルさんは軽く考え事をして、何か思い付いたのかポンと手を叩いた
「なぁタルトは魔法の事をどこまで知っている?」
「僕はまだ全然です。ちっちゃい火を出したり、水鉄砲くらいの水だすのがやっとです」
タルトが苦笑いしてみせる
「そうか…なら魔法については始めからだな。よし…シエル、今日はお前も一緒に初心に戻るぞ!後で呼びにくるから待っておけ」
アリエルさんはそういい残すと自室に戻った。
「ふむ…タルト君か…魔法についてはからっきしなのだが、何故あのような伝説と名高いオプシティドラゴンの子供を連れておるのか…謎だらけだな」
アリエルがタルトと出会ってから今になるまでずっと抱いていた不信感
一つは、魔力が一切感じないのに、魔法を使えること
一つは、魔法初心者で魔力も感じないのにオプシティドラゴンがついていること
最後に、シエルのライン・バウトを避けた時と戦い始めの段違いのスピードの変わりよう
それらすべてがアリエルには不思議だった
「思わぬ拾いものか、あるいは招かれざる客か…いかにせよ、当分は様子を見るとするかな」
アリエルは自室を出ると二人を呼び、隣の空き部屋に入った。
「よし、ではまず魔法について講義を行う」
タルトとシエルはアリエルの言うことに頷く。
「まず魔法には二通りの魔法が存在する。片方についてはまだシエルにも言ってないが、ついでだ。まず、五神魔法これは、このアルア全土の魔法使いが使用している、炎・水・雷・土・風、この五つの属性を持つ魔法のこと。これはシエルに話したな」
シエルが頷く
「うむ、これについて理解したか?タルト」
タルトも頷く
「よろしい。では、次に個神魔法と呼ばれる魔法だ。この魔法は今までに数人しか会得したものはいないといわれている。この魔法には生命・時限・空間、この三つを司る魔法がある」
タルトとシエルは必死にノートに書いていく
「では属性の相互関係について…シエル」
アリエルさんがシエルさんを指名する
「はぃ、五神魔法は炎・水・雷・土・風の五つの属性でそれぞれ炎<水<雷<土<風<炎の円形に強弱関係があります」
「ふむ、よくいえたな。今シエルが言ったとおりだ。五神魔法はそれぞれの属性に強弱がある。炎は水に弱い、だがその半面では風には強い。その風は炎に弱いが土には強いという関係が成り立つ。ここまで理解したか?」
二人が同時に頷く。
「よし…では、個神魔法はというと、もともとこれらは独立した魔法で属性の相互関係はない。よってどれにどれが勝るとも言えないんだ。唯一言うとすれば、この個神魔法は単体ですごい魔力を消費するうえ、まともに制御出来る人はいまだかつていない。昔、この魔法によって数千の命がこの世を立った事があってな、それからはこれら三つの魔法は封印されたようだ」
シエルが手を挙げる
「アリエル師匠、その個神魔法で特にあげるなら何が1番強いんですか?」
「そうだなぁ、時限じゃないか?基本的に大移動は出来ないらしいが、数分前とか数分後なら問題無くいけるみたいだから、他の両者の発動前に戻ってしまえば怖くないだろ」
「なるほど」
シエルがノートに書き込みだす。
「ふむ、ではまず魔法に1番必要な事とは何か。タルト」
タルトが当てられた。
「はい、魔法に必要なものは魔力とそれらを構成するまでの精神力、それと清んだ心です」
「ふむ、よくわかっているな。まず、魔力はアルアの全人口でほとんどは少量たりともあるものだ。次に精神力、これはもう座禅組んだりして集中力をつけるしかない。そして最後の清んだ心、こればかりは修業では得られないものだ。だがタルトは既に少しだが魔法を使えている。ならば問題はないと言ってもいい。」
タルトが安心する。
「ふむ、よし…講義はこのくらいでいいだろう。明日から実戦訓練だ。まぁ今日は疲れただろう、シエルも今日は私が食事当番を代わろう。部屋でゆっくりするといい」
「ありがとうございます。師匠」
アリエルさんは部屋を出ていき、シエルさんも自室に戻ると言い部屋を出ていった。
僕も自室に戻ってさっき書いたノートを見て復習した。
そんなこんなしている内に窓の外は暗くなってきていた。
「あっ…もうこんなに暗く…アリエルさんに聞いて先にお風呂入ろうかな」
タルトは一階に降りると台所に向かった。
台所ではアリエルさんがエプロン姿で立っていた。
そのアリエルさんはフードを被っていなかったので始めて素顔を見た。
髪の毛は短めで深い青色、金色の瞳で顔立ちは幼そうに見えた。
「ん?どうした、タルト?」
アリエルさんがこっちを気にして聞いてくれる
「あっ、お風呂先に済ませようかなと思って」
「あぁお風呂か、風呂ならその廊下突き当たって左に行けばあるよ。半分露天だから寒いかもな」
アリエルさんが笑ってみせる
「ありがとうございます。では、お先にいただきますね」
タルトは廊下の奥に歩いていった。
突き当たりを左に曲がると[BathRoom]とかかれた札がかかっていた
タルトは確認してからその扉を開けて入って行き、衣服を脱いでカゴに入れる。
衣服を脱ぎ終えるとタオルを片手に風呂への扉を開ける
「すごいなぁ〜家に露天風呂があるなんて〜」
タルトが進み出すと同時に、横からシエルさんが出て来て偶然目が合った。
シエルさんの顔がみるみる赤くなっていくのが湯気の中でもわかる
「あっ…あの…ごめんなさい、まさかシエルさんが入ってると思わ無くて…あわわ、どうしよ」
シエルさんがその場に座りこむ
「もぅ私お嫁に行けない〜」
シエルさんがとうとう泣き出す。
「あの…ごめんなさい。ごめんなさい〜(汗)」
その泣き声を聞いてアリエルさんが駆け付ける。
「どうした?…って、ありゃ?」
アリエルさんはまだ今の現状が把握出来ていないみたいだ。
目の前には泣きじゃくる裸のシエルさん、その前で右往左往している裸のタルト、この状況を瞬時に把握できる人はすごいかもしれない。
とりあえず、その後はお風呂に入った。
シエルさんに改めて謝って、許してもらえた。
仲直りもした所でアリエルさんの作った晩御飯を楽しく食べた。
明日から実戦訓練だから気をぬけないな
そぅ、心に言い聞かせたタルトだった
第九章 END
今回はアリエルさんの授業だけでしたが
次回からはちゃんと修業に入っていきますので
これからもよろしくですm(__)m