〜別れ〜
はい
更新がちょいちょい遅くなってきてます…
ダメダメです…
今作には戦闘描写はありません
どちらかと言うとキールさんよりかと思います。
では楽しんでください(>_<)
四人はとりあえずミシルアに戻る道を辿った
四人とも表情は暗く、誰も喋ろうとはしなかった
ミシルアに着く直前、タルトがふと顔を上げるとミシルアから黒煙は上がっているものの、燃え盛っていた火は消えていた。
四人は重たい足どりでミシルアの入口についた。
だけどそこで見たのは想像しがたい光景だった
火は消えさっきまでいなかった町の人達が復興作業に取り掛かっていた
「おぃ…八百屋のおっちゃん…さっきまでどこに?」
「おぉキールか。いや、さっきまで地下シェルターにいたんだ。」
「そっかぁ、そんでこんなに?」
「あぁ、でも俺ら助けるためにここのギルドはほとんど全滅しちまった…」
「え?全滅って……なぁ、おっちゃん、フィレーヌは?フィレーヌ=ハイアーは?」
「フィレーヌか、多分…闘って…」
「闘って…ってそんな…」
キールさんが八百屋のおじさんから聞いた言葉に俯く
その時後ろから白い顎髭が目立つ軍服の人が現れた
「フェルマーク…教官…?」
フェルマークと呼ばれた人はニッコリ笑いながら頷いた。
「久しいな…キール、四年ぶりかな?元気そうで何よりだ」
「はは、そうだな〜最後にあってから、もぅ四年か、教官も元気そうでなによりだ」
「当たり前だ、戦闘教官は常に元気なのだ!!ってな。」
そう言ってフェルマークさんは笑い出す
フェルマークさんは見た目からは想像も出来ない程お気楽な人みたいだ。
「なぁ、教官…フィレーヌを知らねぇか?」
「フィレーヌ?お前の妹さんだろうが」
「違う!今どこにいるかって聞いてるんだ!!」
「そぅ慌てるな!冷静さを欠くと命取りになるぞ!!まぁ心配せんでも今回死人は出ていない。確かフィレーヌには避難誘導をしてもらっていたかな」
「それじゃ…フィレーヌは生きてるのか?」
僕とレインさん、ガイルさんは目を見合わせ笑いあうと、キールさんに向き直った。
「よかったじゃねぇかキール」
「ホントに良かったね。キール」
「あのぉ…えと…おめでとうございます?かな?とりあえず…良かったですね」
「あぁ…ありがとう、皆。フィレーヌが死んだと思って取り乱しちまった…すまん」
「ねぇねぇ、誰が死んだって?」
振り向くとそこには軍服を着た長髪で茶髪の綺麗な女の人が立っていた。
その人のベレー帽には小さな白い羽がつけられていて、動きに合わせてクルクル回るのがかわいらしかった。
「フィレーヌ…」
「なーに?鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して、そんなに驚いた?」
「フィレーヌ…よかった…ホントによかった」
「え?何?もしかしてホントに私が死んだって思ったの?」
「いや…んなこと誰も思ってねぇよ!!」
「当たり前じゃない?誰の妹よ!だ・れ・の!」
そんな他愛ない会話をしながら、復旧作業を手伝った。
復旧作業は割と早くすんだ。燃え尽きた廃材や使えなくなったものを皆が運び出したり、地面をならして木を植えたり、建物はやはり時間がかかるが、皆が寝れるくらいのスペースを確保した建物が出来て、そこで皆で寝るようだ
復旧作業が終わる頃には辺りは日が沈み暗くなりだした…
「今日はここで寝て行けよ!幸い泊まれる場所あるしよ!」
「いいの?」
レインさんがキールさんに歓喜の目を向ける
「もちろんだ!どうだガイル?」
キールさんはリーダーであるガイルさんに聞く。
「そうだな…もぅくれーし明日の朝一に出るか」
「そうですね。」
「よし、そうと決まりゃ連絡してくるからよ」
「あぁ、すまんな、何から何まで。」
「気にすんな。んじゃ後で」
「おぅ、…行ったか…しっかしまぁよかったなぁ、あいつ」
「うん、妹さんにも会えたし、何より皆無事だったし」
「ですね。ギルドの皆さんの迅速な判断が実を結びましたね」
「そだな…感謝感謝だ…まぁ時間はあるみてぇだからちょいと散策でもすっか?」
「さーんせーい!!」
「はい!」
二人と別れた後、僕はさっきのマクタミア山に戻った…
タルトはそこであるものを見つけた
手にとって見てみると、自分の刀の欠けた部分だった
だけど何故か…刀の欠けた箇所とピッタリ会うのに何故か違和感を覚えた…
「これ、こんなに黒かったかな?」
そうよくみるとそのカケラは少し黒くなっていた…
「でも、何かあるかもしれないから持っといた方がいいかな」
タルトは違和感こそ残るが、そのカケラを持っておくことにした
タルトは少しマクタミア山を散策してミシルアに戻った。
「おぅ、タルト…どこ行ってやがった?みんな探してんぞ?」
「え?あ…すいません…ちょっとマクタミア山に」
「そうか?まぁ早く戻るぞ。町の人達が俺らのことと町の復旧の祝いしてくれるみたいだからな」
「そうなんですか?じゃあ早く戻りましょう」
「おぅ」
町に戻ると広場で町の人達が集まり宴を開いていた
その1番奥にキールさんとレインさんがいた
「すいません…遅くなってしまって」
「ううん、別にいいよ。」
「あぁ気にするな」
「よし四人揃ったし俺らも乾杯と行こうや」
「「「おーぅ、カンパーイ」」」
その後は色々ご飯を食べた
郷土料理の蒸茸ご飯を食べたり、山菜をふんだんに使ったお鍋食べた。
フィレーヌさんやフェルマークさん、ミシルアの町の人達とも話をした。フェルマークさんにはキールさんの小さい時の話をしてもらった。フェルマークさんはキールさんを息子の様に可愛がっていたそうだ。
フィレーヌさんにはキールさんの恥ずかしい話や、ちょっとした面白い話を聞かせてもらった。
それから、キールさんとチーズケーキを食べたり…楽しい晩御飯の時間を過ごした
その日の深夜
皆が寝静まった集会所でタルトは目が醒めてしまい、ふと窓際に目をやるとキールさんが窓の外を眺めていた
「キールさん…寝ないんですか?」
「ん?タルト君か…もう少ししたらかな」
「はぁ」
「いやな…久々に帰ってきた故郷でさ…懐かしいっつーか…何だろうな…久々なんだよ…全部が全部」
「わかる気がしますよ…それ。久しぶりに見た景色とかって懐かしくなってつい見とれちゃうんですよね」
「あぁまったくそれだよ…にしても色々あってもやっぱしミシルアはミシルアだな…皆元気が有り余ってやがるな」
「それは皆がここのことが好きだからだと思いますよ」
「そうかぁ。どうだ?タルト君はここ気に入ったか?」
「はぃ。色々な料理はあるし皆明るくていい人達だし、こんな町珍しいと思いますよ」
「そうか…気に入ってくれたか」
「はい」
「ん、じゃあそろそろ寝ないと明日やばいぞ!」
「あ!はい…おやすみなさい」
「おぅ!おやすみ、タルト君」
ミシルア 早朝6時
「別にここまで早くなくてもいいんじゃぁ…」
キールさんが眠たそうな顔でガイルさんに言う。
「いや、あんまり長居すると別れがつれぇからな」
「そうか…まぁ仕方ないか」
「すまんな…皆によろしく伝えてくれ!んでお前も元気で頑張れよ!!」
ガイルさんが笑いながら握り拳をキールさんに向ける
「おぅ当たり前だ!!」
キールさんも笑いながら同じように差し出す。
そして二人の拳同士が軽く当たり、二人は拳をおさめた。
「あの…これ少ないけど…お握り作ったから持って行って…お腹空くだろうから」
フィレーヌさんがお握りを握ってくれたみたいで、包み紙を渡してくれた。
「おぅ…ありがとうな!んじゃまた…手紙くらいよこせよ!」
「わかってるよ!じゃあな」
キールさんとフィレーヌさんに手を振り、三人は歩き始めた。
帰りはほとんどしゃべることもなかった
また来るときと同じ場所にテントをはって野宿し、朝一でまた歩きだした。
昼過ぎにはアースタットの支部についた
報告書を提出し、三人で一つのテーブルを囲み…座る…だけど誰もしゃべろうとはしなかった……
あれだけ力の差を見せ付けられたのだからしかたはない…
実際あのラルフという少年は僕と同い年くらいであれだけ強かった…
僕もあれは驚いた…自分とあまり歳のかわらない少年があそこまで強いとは思わなかったから…
あのラルフはあれでも本気は出してないように見えたから尚更だ…
「俺さ…ちょいとよ…修業しようと思うんだわ…んで出来るだけ一人でやりたいんだわ…確かに連携とかを重視するなら皆と一緒にやる…だがあれは連携以前の問題だった気がする。だからまずは一人一人のレベルアップがしたいんだ…だからちょっと行ってくるわ…」
ガイルさんはレインさんと僕に一言言った。
「んで、また強くなったらここに帰ってくる。そんときはまた一緒にやろうや」
ガイルさんは今出来る最高の笑顔を僕等に贈り、ギルドの扉を開けてでていった
「私も同じ…あれは一人一人が弱すぎた結果……なら今より遥かに強くならなくちゃいけない…だから…私も行くね。」
そしてレインさんも僕に一言言った。
「皆バラバラになっちゃったけど、いつかまた…ここで…ね?」
僕はレインさんに向き頷いた。
そしてレインさんはギルドから出ていき僕だけになった…
やがて僕もギルドの扉を開け出て行った。
四人はバラバラになった…だが、いつかまた強くなってこのギルドに帰ってくることを誓って
第七章 END
作「いやぁ四人ともお別れだねぇ」
タルト「そうですね…でも皆で決めたことですから!」
作「そだね!それはさておき、次回からはタルト君の修業の日々を書こうかなと」
タルト「恥ずかしいんですが…」
作「大丈夫大丈夫!まぁ何はともあれ頑張って修業してください!」
タルト「はぃ〜」
「「では、これからも[ある人]よろしくお願いします!」」