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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
32/34

~遠征へ~

お久しぶりです


ほんとに長い期間凍結させていました(ーー;)申し訳ない


これからはしっかりとやっていく所存であります

「うし、今日から隣のアデンに行くぞ」


 早朝、アースタットの入口付近でトレーニングをしていた皆の元へとガイルが遅れて入ってくる。


「アデンってまたなんでそんなところに?」


レインが、皆とは離れた所で柔軟しながら問い掛けた。


「それが……最近、異様に魔獣の目撃件数が増えてるらしくてな。アデンの支部の奴らはそれに振り回されて他まで手がまわらねぇみたいでよ」


ガイルの低い唸り声が、沈黙の中を重く響く。


「だがここ最近、魔獣の話が一気に増えてるよな。確かタルト達もリーテルでフェルと戦ったって言ってたしな」


キールの言葉に、皆の視線がタルト達に集まる。


「そうですね。ハヤテが言うには普通のフェルよりも明らかに大きいようでしたし」


「普通に考えて、あれはフェルのサイズじゃねぇな」


タルトの説明に、補足するハヤテ。


「とにかく、今日はこれからアデンに向かう。各自適当に用意だけ済ませとけよ。それからキールは俺に付き合え、支部からテントやらの支給品をもらわにゃならん」


「おぅ。フィレーヌ、わりぃけど俺の荷物適当に作っててくれねぇか?」


「うん。大丈夫。やっとくよ」



 タルトはその後皆と別れ、アースタットにある商店を訪れていた。


「あった、これとこれも使うかな」


タルトは、棚に陳列された物からアリエルオススメの魔法具等をかき集めた。


「後は魔力キャンディか。これってどんくらいの効果があるんだろ」


魔力キャンディと言うのは普通の飴に見えて、魔力を補給出来る優れ物……という歌い文句で売り出された物の売れ行きは芳しく無いようだが、アリエルはこれを好んで食べている。


「魔力20m配合……配合出来るものなのかな?」


タルトは、不思議に思いつつもそれを買い物籠に放り込む。

 その時だった。

カランと心地いい鐘が店内に鳴り響き、シエルが入ってきた。


「あれ? タルト君」


「シエルさんもお買い物ですか?」


「買うものがあったら、かな。今はだいたい揃ってるからね。うん? タルト君、それって魔力キャンディ?」


シエルの指差す先には買い物籠の上に重なるように投げ込まれたキャンディのパック。


「はい、以前師匠にオススメされたことがありまして。一度食べてみようかなと」


「そうなんだ~実は私食べた事ないんだけど、後で一つもらえないかな?」


シエルは、指を折り合わせながらタルトに懇願する。


「あぁ、それなら皆さんにも食べてもらいましょうよ。師匠のオススメって言ったら案外皆食べてくれるかもしれませんし」


そう言いながらタルトはもうひとつ魔力キャンディを放り込む。

 そして、会計を済ませるとシエルとは別れた。


「さて、僕も用意しなくちゃな。そういえば……」


タルトは空を見回す。

だが探しているモノは見つからなかった。


「チビの奴、朝から見てないけどどこいったんだろ」


チビとはタルトが出会ったオプシティドラゴンの幼龍。

大人のオプシティドラゴンは伝説と呼ばれるほどの龍らしいのだが、チビは未だに遊び盛りのやんちゃドラゴンのままだった。


「あれからはちょっとは成長したんだろうけど……」


鼓膜を破られそうな鳴き声をくらった記憶がまだ新しかった。


「帰ったら居るかも知れないし、戻ってみよう。」




~~同日昼過ぎアースタット南西門前~~


「全員揃ったか?」


 ガイルの声に皆は互いに確認しあう。

タルトも、その中に居たがチビの姿はどこにもなかった。


「ガイルさん」


タルトは、意を決して名乗り出た。


「うん? タルト、どうした?」


「誰かチビを見てませんか? 朝からずっと居ないんですけど」


「キュウックゥゥ」


タルトが言い切った直後、すぐ近くから聞き慣れた声が響いた。

その声はハヤテの方から聞こえていた。


「なぁタルト。チビなら朝から俺んとこきとったぞ」


そう言ってハヤテは上着のジッパーを少し降ろす。

その隙間から、チビが小さな顔を覗かせた。


「チビ」


「キュゥゥ」


「気ぃつけや。今はドラゴンの幼龍なんかすぐ目ぇつけられるんやからな。ほれ」


ハヤテは服の中からチビをつまみ出すとタルトの頭に乗せた。


「ありがとう。チビこれからは気をつけるんだぞ」


タルトの忠告はどこえやら。

当の本人はすぐに丸くなった。


「まったく、ちゃんと聞いてるんだか聞いてないんだか……」


そんなタルトの心配を余所に、頭上からはクークーと小さな寝息が聞こえてきた。


「ハァ……」


タルトの溜息にフィレーヌやキールが笑いを堪えだした。


「まぁまぁ、チビもこうやってる間が可愛いんだろうし」


言いながらレインはタルトの頭上のチビを、起こさないように指で突きだす。


「今はまだまだやんちゃ盛りだからね。皆で見守ってあげよ」


レインは突くのを辞めると、タルトに向き直りウインクした。


「その時は、私も手伝うからさ」


「おぅ、出来ることがあるんなら俺も手伝ってやるからな」


ガイルは、自分の胸に任せろと言わんばかりにどんと拳を当てる。


「そうだな。オプシティドラゴンってもまだまだ幼龍なんだ。色々あるんだし、皆でカバーしてやりゃいいさ」


キールも呟き、それに賛同するようにフィレーヌも頷いていた。


「そうだな。誰かが見てりゃそこまで心配はねぇだろうさ。まぁ幼龍の行動範囲は半端じゃなく広いけどなんとかなんだろ」


ハヤテはややどうでもよさ気だが、最後に「まぁ、手伝ってやるよ」とだけ付け足した。


「じゃあ、早速私が抱っこしようかな」


シエルはにこやかに、タルトの頭上から丸まるチビをその胸に抱え込む。

チビは小さく身をよじったが、また気にする風もなく寝息をたてはじめた。


「寝るのはどこでもいいみたいね」


シエルは、チビを見下ろしながら笑う。


「よし、いつまでも喋ってたら埒があかねぇ。さっさと行くか。アデンなら明日の朝一には付けるだろうな。最悪完徹で歩くぞ。」


 ガイルは豪快に笑い飛ばすが、他の皆はうぇーと今にも言わんばかりに顔をしかめていた。


だが、タルトは一人違うことを考えていた。


「(またこうして皆と一緒に戦える。)」


「よし、行くぞ」


ガイルは手で皆を煽ると、先頭を歩き出す。

それに連なるようにキール、フィレーヌ、ハヤテと列を作っていく。


タルトは、皆が行く一番後ろを歩き出す。


「またここから始まるんだ……。」


タルトは小さく呟いていた。

それが、レインに聞こえていた様だった。


「タルト君、何が始まるの?」


レインの顔は面白いものを見つけた様な顔をしていた。


「いえ、また皆とこうやって歩き出せたんだなって……あの時は冷や冷やしましたからね」


「そうだね。皆バラバラになっちゃったけどまた再結成した。これは私達の運命かもね」


クスッとレインが笑う。

そしてレインはタルトの手を取ると、少し離れてしまった皆の列へと走り出した。


「タルト君、早くしないと置いてかれちゃうよ」


「わかってますよ(ここから……また、頑張ろう)」


数えてみると一年半くらい凍結させていました


ただプロット等々の用意には有り余るほどの時間でした

なのでこれからはまた頑張っていきますヾ(´▽`*)ゝ


これからもよろしくお願いいたします

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