〜変異〜
こんにちわぁ
突然変異したフェルとのバトル
今回で決着します
ハヤテが何者なのかはある程度の想像で
では
本編どぞ
フェルとバントチャッカの間に踊り出た三人は決めたポジションに飛びいる
タルトとハヤテは前衛で左右に展開、その後ろでシエルが補助という形の戦闘体勢
「前に来たらわかったけど、たしかにフェルだね」
タルトが龍の顔を見て理解する
フェルは森にしか生息せず、体皮は薄く緑色をしている
目よりは鼻と耳がよく、獲物を探すときも鼻と耳で位置と種類を判別する
「だから言うたやろ……にしても異常やな」
「うん…フェルはどんなに大きくても人の1.2倍くらいの大きさにしかならないのに……今は裕に三倍くらいはあるよ」
「しゃぁけど…やるしかないやろ」
ハヤテは手の平に炎の球体を作り出す
そしてハヤテが先に動く
「フェルはバーステには弱かったはずや!だからやるんならバーステでいけ」
ハヤテの判断は正しかった
ハヤテが投げた炎の球体はフェルに命中し、爆発する
それに伴いフェルが悲鳴を上げ、のけ反る
「わかった…[バーストエッジ]」
刹那[風鈴]がすさまじい炎を纏う
「せぇい」
タルトはフェルの足元に潜り込みフェルの足を切り払う
「まだまだぁ」
「……炎天の豪火…[ピリズプロミネンス]」
二人がフェルの気を引いている間にシエルの詠唱が終わり、杖の先に出来た赤い球体から二本の炎の柱が生まれ、その二本が螺旋状に渦巻きフェルに向け放出される
「グギュォォオォォ」
フェルが悲鳴をあげる
かなり効いているのだろう
フェルは軽く飛び上がる
そして着地したとき地面が揺れた
「くっ…地響きか…足元が安定しない」
「タルト、隙見せんな!こんだけでかけりゃ一発でおだぶつやぞ」
「わかってる」
タルトとハヤテは互いに注意しあいながら散開する
その二人の動きにかろうじてついていってるフェルはハヤテとタルトの方を交互に見ると、ハヤテの方へと歩き出した
「こっちか…やったるわ、かかってきぃ」
ハヤテは右足で地面を蹴り、フェルと真正面に向き合う
「そのかわり…容赦できひんで」
ハヤテは顔をニヤつかせる
そして突っ込んでくるフェルの顔に向けて左手の平を見せる形で右手を後ろへ引き構える
「勝てる思ったら大間違いじゃ!」
ハヤテは後ろへ引いた手に大鎌を出現させる
「いっくでぇ!」
ハヤテは前方へ飛び上がる
そしてフェルの頭の上に左手をつき、片手で逆立ちする
そのままのいきおいで左手で頭を押し飛び越える
フェルは勢いそのままに地面に突っ込んでいく
その隙を好機とハヤテは振り向きざまに大鎌を振るう
その軌道はフェルのふくらはぎ辺りを一直線に切り裂いた
その傷口は偶然にもタルトが最初に切った傷口の真裏だった
立つことが出来なくなったフェルはその場に崩れ落ちた
「今や!畳み掛けるで」
ハヤテがフェルの前に踊りでる
そして鎌を右後ろへ振りかざすと、その鎌を赤い炎が包む
その炎はハヤテに炎の羽がはえた様にも見える
「俺のとっておきや」
そういいながらハヤテは鎌を振り下ろし、切り払い、引き寄せてを繰り返す
そして引き寄せた時、鎌をもう一度後ろへと引き、左手でフェルの頭を掴む
「燃えよ、爆炎…」
ハヤテが小さく詠唱すると掴んでいる左手から炎が溢れ出す
その炎は見るまに火力をあげハヤテの周りに熱風を巻き起こす
その熱風を力に、更に火力と威力を強めていく
そしてその火力は左手だけでなく右手に持つ大鎌にも注がれる
大鎌は先ほどまでと違い、多量の炎を得て羽ばたく直前の大きな羽と化していた
「終いや!」
ハヤテは左手を引き戻すと同時に羽と化した大鎌を振るう
その鎌は燃え盛る炎を引き連れ、フェルの体を切り裂く。そして鎌を振り終えたハヤテは鎌を自分の元へと引き戻す
戻された鎌からは火の粉が巻き上がり、先程までの炎は消えていた
「俺の奥義や!」
ハヤテの目の前ではまだ燃え盛るフェルが悲鳴を上げつづける
「やったか?」
タルトがゆっくりとフェルに近づく
「まだや」
ハヤテの怒号が響く
フェルは最後の力を振り絞りタルトを尻尾で捕らえる
「しまった!」
タルトは自分の軽率な行動を恥じた
「ちっ…」
ハヤテはどうするかと考えてはいるがいい考えが思い付かず舌打ちになる
「何か…抜け出す魔法は……」
タルトは捕まりながらも頭の中で現状を打開出来る魔法を探していた
「ハヤテ君!フェルって電撃は?」
「電撃?そこまで効果はないはずやが…やってみぃ」
ハヤテに問い掛けたタルトは一つだけ思い当たったものがあった
[リボルテリア]と言う魔法
これはヴォルティスにしかないもので、防御魔法に分類されているが攻撃も可能な憑依魔法
「これしかない」
タルトはぐっと手に力を込める
「……[リボルテリア]」
タルトが叫んだ瞬間、タルトの体が青白く光りだす。
そしてタルトを中心にスパークが生み出される
そのスパークはタルトの周りにあるものをことごとく打ち砕いていく
フェルも例外ではなく、タルトと最も密接していた尻尾は黒く焼け焦げ、既に原形がわからなくなった
「今だ!」
タルトは尻尾の呪縛から逃れると刀を構え、すぐさま魔法陣を展開する
「ハヤテ君、見ててよ…これが僕の!奥義だ」
タルトは地面を蹴り、フェルに詰め寄る
そして素早い剣捌きでフェルを切り刻んでいく
その切り付けるスピードは異常な速さを誇っていた
そして数十段目の切り付けが終わり、タルトが飛び下がる
「僕の奥義…虚空脚光一閃!」
もう一度タルトは足に力を入れ、[エアムーブ]を用いて高速で走り抜ける
その走り抜け際に刀で一直線に切り抜ける
その傷口からは血が溢れ出る
フェルはもう何も叫ぶことなくその身を横たえた
「ハァ、ハァ……勝ったね…ハァハァ」
タルトは息切れしながらハヤテの元へと歩いていく
「せやな…後はあいつらか」
ハヤテが見た先にいるのはバントチャッカの群れだった
「ちょっと俺が話つけてくるわ」
ハヤテが歩き出した
「え?話つけるって?」
「シエルと待っとけ」
ハヤテはさっさと行ってしまう
シエルはゆっくりとタルトの方へと歩いてきた
「ハヤテ君どうしたの?」
「あっシエルさん…何か話つけてくるって」
二人の視線はハヤテに注がれていた
ハヤテはバントチャッカの一匹と向かい合い、何やら身振り手振りで会話しているようだ
「何やってるんだろ」
タルトが不思議そうに思っている中ハヤテは帰ってきた
「訳聞いたら今のフェルが原因やったらしいわ…もぅけぇへんやってさ…カシムのおっちゃん、よかったな」
ハヤテは何事もないように笑いながら話す
「ハヤテ君って何者?」
タルトは口から零れてしまっていた
「あっ?俺は俺だろ」
「まぁそれもそっか」
タルトはよくわからないが、無理に詮索をしようとはしなかった
「それではカシムさん、一応来ないようには言ったみたいですが、何かあればまた」
タルトがカシムに向け礼をする
「ありがとう…こんな老いぼれの依頼なんぞを引き受けてくれて」
カシムも嬉しそうに笑う
「それではありがとうございました」
タルト達は頭を下げ、リーテルの宿へと戻る道を辿った
「にしても、ロールキャベツ美味かったなぁ〜」
ハヤテがご馳走になったばかりのロールキャベツの感想を言い出す
「うん…あれは何個でもいけちゃうパターンだったね」
シエルさんも笑いながら話に乗っかる
「ホントですよ…もぅおいしすぎて食べ過ぎちゃいました」
タルトも加わり三人でワイワイと宿に戻って行った
そして、その宿での晩御飯はロールキャベツだったとか……
第二十九話 END
いかがでしたか?
とりあえずキャラ紹介にてハヤテはすぐに出しますので、気になればどうぞ
後引き続き武器やこんなキャラみたいなのがあればメッセージか感想にいただければ反映していこうかなと思います
現在、蒼の空音様より武器の提案がありましたので、お礼を〜
どこで出すかは作者と神のみぞ知る?(笑)
では