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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
27/34

〜帰路〜

どもっす


更新遅れて申し訳ないm(__)m


まぁあーだこーだ言うより本編どぞ(>_<)



「師匠…」


 タルトは今アリエルの家の前で荷物を背負い、アリエル達と向かい合っていた


「タルト…お前はよく頑張ってくれたよ。自慢の弟子だ」


 笑いながらそういうアリエル

その横では啜り泣くシエル


「僕も、師匠に弟子にしてもらえてよかったです…もちろんシエルさんにも感謝してます。頼りになるお姉さんみたいな感じで」


「何言っでるのよ……タルトぐんはぁ、同いどじじゃない……」


 泣きながらなので途切れ途切れだが言いたい事はわかる


「はは…それじゃぁあまり長居すると辛くなりますから」


 そういってタルトが振り返り町に歩きだそうとした時だった


「タルト…」


 アリエルが呼び止めていた

 タルトは振り返りアリエルを見つめる


「タルト、おまえに渡すものがあったのを忘れてたよ…ほら」


 そういってアリエルが差し出したのは古びた本だった


「師匠…これは?」


「私が編み出した[混神魔法]の魔導書だ。今のお前なら理解して扱えるだろ」


「[混神魔法]…あの氷とかの魔法ですか?」


 タルトはアリエルとのガチンコバトルでアリエルが使った魔法を思い出していた


「それも含めて…だ。私が見つけたのは氷と爆風くらいだが……いくらでもあるんじゃないか?まぁ探してみるんだな」


 最後にポフッとタルトの頭に手を被せる


「元気でな…タルト。便りくらいよこすんだぞ」


「はい!……それじゃ、名残惜しいけど…」


 タルトはくるっと身を翻し町に向かい歩き出す


「タルト君」


 今度はシエルの声に呼び止められる


「何ですか?シエルさん?」


「きっとまた会えるよね?」


 シエルはさっきまでと違い、しっかりとはっきりとした口調で言った


「はい!もちろんですよ」


 タルトは最高の笑顔を返す

それを見たシエルも笑顔になり、タルトを送り出す



 そしてタルトの背中が林道に入り見えなくなった




「行っちゃいましたね…師匠」


 シエルは本当に名残惜しそうに俯きながら言った

そんな姿を見たアリエルは肩をすくませた


「シエル…おまえは行かないのか?」


 この言葉が、アリエルのシエルに渡せるものだった

 その言葉を聞いた瞬間にシエルの顔があがり、アリエルをみつめる


「何て言いました?」


「だから、お前は行かないのか?って」


「いや、でも私…まだまだ中途半端だし」


 シエルは少し目を泳がせる

余り自信がないようなそぶりを見せる


「いや、私的にはお前は卒業出来るレベルなんだが?」


 アリエルは肩をすくませながら言ってやる

アリエルはシエルの気持ちを知っていたから



「でも…」


 いつまでも煮え切らないシエルにアリエルのスイッチが入った


「もー行くの?行かないの?どっち」


 余り声を荒げる事のないアリエルが珍しく怒鳴る


「師匠……」


 そういいながら顔を上げたシエルの先には微笑むアリエルがいた




「よし…アースタットに戻って皆と合流か〜皆元気にしてるかなぁ?なぁ、チビ」


「クァァ」


 チビはいつまでも小さいままで今でもタルトの頭の上に乗ることが出来る


「この町とも少しの間さよならだな…」


 タルトはヤークスからアースタットへの道に続く門の跡地で振り返る


「色々あったな…」


 タルトは色々な記憶を呼び起こしながら、右手を握りしめる

そのときだった


「タルト君」


 よく聞き慣れた声が聞こえ振り返る


「どうしたんですか?シエルさん…その荷物は?」


 タルトが振り返った時、シエルの背中には大きなかばんが背負われていた


「師匠に卒業させてもらって……一緒に行きたいな…って」


 シエルが少しだけはにかむ

タルトの顔は少し明るくなり始める


「はい…一緒に行きましょう。シエルさん」


「うん!」



 そうして二人と一匹が歩き出した瞬間だった


「ちょい待ち…」


 タルトは久しぶりの声に振り返る


「俺も連れていってくれへんか?」


 ハヤテだった

ハヤテは準決勝後、病院で手当を受けていたが対したことはなく。すぐに退院していたのだった


「今回の大会で、俺何かより強い奴はいっぱいいてるんがわかって…んでお前についていったら……俺はもっと強くなれる気がするんや」


 ハヤテはタルト達についていく事をいつもより真面目に考えていた


「どうしますか?シエルさん」


「私は別にいいよ…それよりタルト君は答え出てるんでしょ?」


 シエルがタルトの質問に返す


「ハヤテ君、一緒に行こう」


 タルトがハヤテに手を差し出す

ハヤテはその手をしばし見つめる


「おぅよろしゅうな」


 そしてタルトの手を取った





「なぁタルト〜あの姉ちゃん何歳なん?」


 ハヤテは後ろを歩くシエルをチラチラと見ながらタルトに尋ねた


「僕らと同い年だよ」


「え?ほんまに?何か…雰囲気大人〜みたいな感じやけど?同い年?」


「うん、同い年」


「ほぉ〜〜そか」


 何かに納得したハヤテは少し歩くペースを落としシエルの横に行く


「姉ちゃん俺と同い年やねんな…」


「タルト君と同い年ならね」


 シエルは気にした風もなく答える


「でもなんやろなぁ〜雰囲気大人びてるからもうちょい上に見えるよ」


 これが地雷だった


「そかぁ〜私は年増かぁ」


「いや、あっ…年増なんて言ってへんよ……そのぉ、頼れる人みたいな…なんやいい意味でや」


 ハヤテはなんとか取り繕おうとあたふたする


「ほんとに?」


「ほんまほんま!そや…俺ハヤテや。ハヤテ=ユウキ。姉ちゃんは?」


「シエル=アイナ…シエルって呼んでくれていいから」


「そかぁ〜なら俺もハヤテでええからなぁ……それよかさぁ〜」


 ハヤテは語尾に従い小声にしていきシエルの耳元で尋ねる


「んなぁ!?そんなわけないじゃないの」


「え〜でも何かさっきいい雰囲気やったやん?はいるん躊躇ったくらいやのに〜」


 ハヤテが言っているのはさっきの合流した時の事


「いやいやいや…それはないから〜あはは」


「そかぁ〜何もないんかぁ〜〜おもろないなぁ」


 そういいながらハヤテが頭に手を置いた時、チビが叫んだ


「どうしたの?チビ」


「どうしたもあらへん…敵や」


 ハヤテはすぐに身構える

シエルも杖を構える


タルトも二人に習い刀を抜く



「グガァァァア」


 人の倍くらいある体を持つ鳥がハヤテの横から不意に現れた


「ちっ、めんどいやっちゃで!」


 ハヤテはバックステップでかわし、着地と同時にその鳥の眼前へとジャンプする

そして左足を少し持ち上げると同時に左足の踵からジェットのような火が放出され、急加速し鳥の頭を蹴り飛ばす


「どや」


 綺麗に着地したハヤテが吹っ飛ばした鳥を見つめながら身構える


 そしてハヤテは気配を感じなくなり、拳を納めた


「こんなもんやで」


 その時だった

ハヤテの横に嘴が突き出た


「なんや…まさか生きとるんか?」


 ハヤテがそちらに顔を向ける

そこには右目から血を流す先ほどの鳥が立っていた


「くそったれがぁ」


 ハヤテがさらに殴りかかろうとする

鳥も嘴を突き出す


 このままハヤテが行けば串刺しになるのがわかった


「しまった!」


 その瞬間だった

 ハヤテの体は逆方向にすごい勢いで引き戻され投げ出される

 次いで、ハヤテと鳥の間に割って入ったのはタルトだった


 タルトは突き出された嘴を刀の峯で捌くと、つむじ風を纏わせ鳥にむけ刀を振るう

 その刀の軌道を追従するようにつむじ風が鳥の体を切り刻んでいく

鳥の体の至る所から血が流れ出す

 そして鳥は耐え切れずに地に足を着き、絶命した


「危なかった…」


 タルトが刀についた血を払い納める


「行こう…皆が待ってる」


 そして三人は歩き出した


第二十七話 END

とりあえずすいませんm(__)m


今回で修業編は終了、次からはまたレインさん達が出たり出なかったりです


次は早いめに出せるように頑張ります

それでは

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