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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
20/34

〜四回戦〜

ちょうどトーナメントの折り返し地点ですねぇ〜


はぁ頑張ってこー(>_<)

 二回戦が終わり参加者が64人になった

 三回戦目でその更に半分になる

 そして三回戦目ももうすぐ終わりに差し掛かっていた

 もちろんタルトは勝ち残っている


「さぁ今ハヤテ選手の勝利で三回戦が終わり…32名になったぞ〜」


 観客席は舞台に立つ32名を見て歓声をあげる

 もちろんタルトがマークしていた人達も残っている


「さぁここにいる32名は四回戦で更に半分になるぞ〜」


 これにも歓声が沸く


「さぁさぁ四回戦第一試合だぁ〜」


 タルトはすぐに控室に戻った


「僕の試合はリィン選手と試合か」


 そんなとき肩を叩かれた

 タルトは慌ててその方を見る


「あっリィン選手」


「は〜い、よろしくねアグスタ君」


 と言ってウインクしてくる


「はい…よろしくお願いします……えとリィンさん」


「うんうん…次の試合よろしくね」


 リィンさんが握手を申し出てきたので、タルトもそれに応える


 その時アナウンスが鳴る


「僕らの試合みたいですね」


「そうみたいね」


 と言ってタルトに笑いかける


「じゃぁ行きましょうか」


 二人は控室を後にして舞台に向かった



「さぁさぁ四回戦第二試合…アグスタ選手とリィン選手の試合だぁ!!」


 そして舞台で向き合った

 リィン選手は左手を突き出し水の魔法で出来た弓を手にとる


「いきますよ…リィンさん」


 タルトが刀を抜き構える


「もちろん…」



ビーーーー

 開始のブザーが鳴り響く

 タルトが先に前にでる

 リィンは水の魔法で矢を作り出すとタルトが振るおうとした刀を受け止める


「(アクアリア…ならヴォルティスで)」


 タルトは一度身をひくと刀の嶺に左手を置くと魔力を纏わせる


「雷を剣に纏え[ボルテリオンエッジ]」


 [風鈴]がバチバチと音をたてながら青白く光る


「(あの子…いくつ魔法持ってんのよ)」


 リィンは焦った

 アクアリアしか使えないリィンにとってヴォルティスは天敵だからだ


「それでもやるしかないか…」


 リィンも距離を離すように後ろに下がる


「はぁぁぁ!!」


 タルトは下がるリィンに合わせて飛び込みながら刀を振るう

 それにあわせて[風鈴]に青い雷が続く


「こんなヴォルティス振り回されたら…アクアリア何か命取りになるじゃない…」


 リィンはどんどんと角に追い詰められていく


「あは〜まっずいなぁ〜」


 リィンは冷や汗を流す

 タルトはいっきに畳み掛けるように刀を振りかざし踏み込む


「な〜んてね」


 リィン選手はウインクすると地面を一度踏み付ける


「流るる激流、水の荒波を…[パルスウェーバー]」


 リィン選手が短く詠唱し終えると踏み付けた足元から水がわきだし高波となりタルトに襲い掛かった


「わぷ……」


 タルトはガード姿勢が間に合わず直撃する


「ケホ…ケホ(魔法障壁がなかったら逝ってたな)」

 タルトは地面に立つと刀を構えなおした


「私の[パルスウェーバー]が聞いてないの?」


 リィン選手はすんごく残念そうに俯くが、それも一瞬でタルトに向き直った


「君…強いね」


「え?あ…ありがとうございます」


「ヴォルティスなんか使われたら手も足も出ないのよね〜、ん〜どうしたものかしらね」


 リィン選手がクスクスっと笑う


「正直魔法はお手上げだけど…弓でなら闘えるわよ」


 リィン選手が右手を空に翳す

 その瞬間真上にあった雲の中心あたりに丸い穴が空く


「天を貫く銀閃の矢よ…[オーバーライズ]」


 リィン選手が高らかに叫ぶとその雲の丸い穴から無数の光の矢が降り注ぐ

 この魔法はタルトの魔法で強化するものの応用で、ただ矢に置き換えただけのもの

 だが数が多すぎる


「あんなに…」


 タルトは目を見張る

 今タルトが目にしているのは自分に向いた無数の鏃


「雷鳴轟け…孤高の咆哮…あげよ雄叫びを![ボルテス・リベリオン]」


 タルトは無理に矢を除去しようとせず大型の魔法で一気に消し去った

[ボルテス・リベリオン]は自分の手に雷の魔力を最大限まで溜め、それを一気に解放することで発射方向一帯に同威力の魔法を拡散して使える魔法

 もちろんこの魔法を選んだのは、リィン選手がアクアリアしか使えないことを知っているからこそだ

 もしグランデが使えればこの魔法はいとも簡単に崩され大ダメージを受けるだろう


「そんなものまで使えるの…君?」


 リィン選手はただ驚くばかりだった


「君あれだねぇウィンデだけかと思ってたらヴォルティスまでとは」


「いや…まだまだ修業の身ですよ」


 タルトがニコッと笑う


「修業中でそんだけ魔法使えたら羨ましいわ〜」


 リィン選手が皮肉に笑う


「でも…勝つのは私よ」


 リィン選手は左手を上げしっかりと弓を構える

 そして構えた矢の先から泡のような物がぷかぷかと浮かびはじめる

 その泡は次第に量を増していく


「荒ぶる水を纏え…[クシータス・ブラァーヴァ]!!」


 叫んだ途端矢の周りに浮いていた泡が弾け、それが矢の周りに集まり螺旋状になる


「…それがリィンさんの必殺技ですか?」


「まぁ必殺って言ったら…必ず殺すって書くけど〜まぁそんなとこかな」


 リィン選手は少しだけ笑みを浮かべた


「…そうですか……風流るままに…光を呼び込む兆しとなれ[エルフィン・ディ・エルガ]!」


 タルトが構えた刀は風を纏いその風が光の尾を引くように光る


「……君ってほんと何でも出来るのね」


 タルトの刀が眩しいのか少し目を細めて言う


「何でもってことはないですよ…でも、今出来る最高の技で」


 タルトが刀を握る力を強くするとそれに反応して刀を取り巻く風と光が強くなる


「いきますよ…リィンさん」


 まっすぐに見据えて伝える


「私も…いきますわよ」


 リィン選手もそれにしっかりと応える


 一瞬すべてが止まったように静になったがリィン選手が手を先に離す

 タルトもほぼ同タイミングか、一瞬遅れて刀を振り下ろし螺旋状の風を打ち出す


 リィン選手が放った矢とタルトが打ち出した風はちょうど二人の間辺りでぶつかり合う


「この戦い…簡単には終わらせたくないわね」


 リィン選手が少し声を張り上げて言った


「僕も……終わらせたくないって思ってますが……そろそろ限界みたいです」


 タルトは少し笑うとギュッと最後の力を振り絞り[風鈴]を握った


「えぇ…私もそろそろ限界かなぁ〜」


 リィン選手はあはは、と苦笑する

 そしてこちらも最後の気力で押す


「ハァァァァァァ」

「ヤァァァァ」


 二人がほぼ同時に叫ぶ

 叫んだ瞬間二つの技は相殺しあう

 そして疲れ果てた二人は一緒にその場に倒れ込む


「えへへ…終わっちゃいましたね〜リィンさん」


 タルトは倒れながらリィン選手に話しかけた


「そうね……でもあなたの勝ちよ」


 思いがけない言葉に顔を向けた


「私なんかよりずっと君の方がこれから先勝ち抜けるって信じてるから……先に立って」


 リィン選手もタルトの方を向くとニコッと微笑む

 タルトは頷くと重たい体を無理矢理起こした


「おーっとアグスタ選手が先に立ち上がったぁぁ、勝者はぁアグスタ選手だぁ」


 タルトは勝ったことをアピールするとすぐにリィン選手のもとに駆け寄った


「リィンさん…立てますか?」


「後ちょっとだけ…こうさせておいて」


 リィン選手は息が上がったまま答える


「最後相当きつかったんだからね」


 怒りながらもウインクしてくれるリィン選手


「あはは…じゃぁ、控室までお送りしますね」


 タルトはリィン選手に肩を貸す

 リィン選手も何も言わずにタルトの肩を借りて舞台を下りていく


「ほんとにありがとうございました」


「何お礼何か言ってんのよ…言うのはこっちじゃない」


「あはは…まぁ色々ですよ色々」


 タルトが笑いかける

 それに応えるようにリィン選手も笑う


「次の五回戦私の分まで頑張ってね」


「はい…もちろんです」


 タルトは次もその次も勝つと約束したのだった


第二十章 END

今回の話はいかがでしたか?

リィンさんは自分的に気に入ってるんですがね


つかこの話女性陣が少し多いような〜


まぁいいや


また感想とか待ってますm(__)m

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