〜仲間〜
少し改良しました
この話まで台詞前にキャラネームをいれていたんですが
一話を書き換える事がありましたので、こちらも書き換えることにしました
アルミタ鉱山に入った二人は、使える魔法の話、タルトが旅をするキッカケの話等で盛り上がっていた。
「…それで、その時助けてくれた人に一言ありがとうと言いたくて、その人を探す旅に…」
「そっかぁ…憧れの人を探す旅…なんてスッゴク素敵な話じゃない!でもスッゴク大変かもね…」
「はい…正直なところ、もし会えなかったら…とか考えたりするんですよ…たまに…でも…会えるにしろ会えないにしろ、自分から動かなきゃ始まらない。そう思うことにしたんです。もし何もしないまま終わっちゃったら後悔しか残りませんし」
「なるほど、それには一理あるわね。動かなきゃ始まらない…かぁ」
なんて話をしている内に鉱山の中間地点くらいに差し掛かったところで休憩を取ることにした。
タルトはそこで妙な物を見つけた。
「レインさん。この木の板で塞がれてるの…何ですか?」
そぅ、タルトが見つけたのはその先を隔離するかのように閉ざされた道だった…。
「あ〜そこから先は崖になってるんだって〜、稀に間違ってそっち行って落ちる人がいるからって封鎖されたの」
「へぇ、そうなんですか」
「そうなんだよ。…よっし、休憩終わり!あんまり長居したら出てもわからなくなっちゃう」
レインさんはすぐに片付けを始める
「それもそうですね!じゃあちょっと待っててください。すぐ片付けますんで」
二人は片付けを済ませると、次の町への道をまた歩み始めた。
アルミタ鉱山は侵入禁止と書いていたにもかかわらず、野生生物等には一度も出くわさなかった。
レインさんと僕は「変だなぁ?」と思いつつ、歩き続けた。
10分ほど歩いた所で町へ繋がる門が見えた。
「レインさん。着きましたよ!えっと〜ここは〜」
タルトは地図を広げて町の名前を探している。
だがタルトが言うより早く…
「アースタットよ。この町はアルアの中心に近い町で、色んなとこから商人が集まるのよ。まぁ色々と安く買えるから準備しとかなきゃね」
「ここがアースタットですか…」
(…隣町なのに知らない僕って……)
僕らは門にたどり着くとレインさんは門番の人に名を言うと、笑顔で戻ってきた。
「さぁ、行こう!」
「え?あっはい!」
門を通ると見事に彩られたネオンが目に眩しかった。
「こういうのは初めて?」
「はい、僕ちっさいころからあの町で暮らしてて、他の町にはあまり…」
「そっかぁ、じゃあ私が案内してあげる!」
そういうとレインさんは僕の手を握って、色々なとこを紹介してくれた
「ここは武器屋さん、色んな武器が売ってるから見てるだけでも面白くてね。…あっあっちは八百屋さん野菜とか果物とか色んなの売ってるんだよ!」
レインさんのテンションに苦笑いしつつも、僕はレインさんについていった…
「最後だね!」
「最後…ですか?」
「そぅ、ここは私が所属する、ギルド。ここは世界各国から色んな依頼を受けて動く…言わば何でも屋かな」
「ギルド…」
僕もギルドに入いれば、少しは早く見つけられるかな…
「あっ…あの!」
「ん〜?」
「僕も…その、ギルドに入れますか?」
「どうだろうね〜一応採用試験があるし、合格すれば…」
「あの、その試験受けさせてもらえないでしょうか?」
「じゃあ、挨拶ついでにギルドに行ってみよっか?」
「はい!お願いします」
レインさんはギルドの扉を開き中に入って行った、僕も後に続いた。
だけど中はいかにも強そうな人だらけで、僕みたいにヒョロヒョロの人なんか見渡す限り一人もいない。
「タルトくーん、こっちだよぉ〜」
レインさんが手招きしているのでその場所へ行くと…
「紹介するね!アルミタ鉱山に入る前に知り合った、タルト君!」
「あっ!どうもアグスタ=ルートポーンです…」
「おいおい、そんなにかしこまんなや!もっと気楽にな!」
この人、やたら体付きがよく明らかに強いですよ!オーラが満々だ。
「俺ぁガイルだ。よろしくな!まぁ本名はガイト=ナックルだ」
ガイルと名乗る体つきの良い人は手を差し出してきた。恐る恐る手を差し出すと勢いよく握られて、しばらく手が痺れていた。
「ガイル〜、辞めてやれ怖がってるぞ」
この人は、ガイルさんより遥かに小さいが、この人もまた強いですよ!オーラが…
「俺はキール!キール=ハイアーだ。よろしく、タルト君。」
この人も握手を申し出てきたので、差し出そうとしたが、ガイルさんのおかげで手が動かなかった…キールさんはそれを察してくれて苦笑いで済ませた。
「んでそのタルト坊が何でこんなとこに?」
「いや、彼ある人を探してるんだって。それでギルドに入ったら早く見つかるんじゃないかって…」
「タルト坊、その探してる人ってのはどんなやつだ?出来たら詳しく教えてくれや!」
「あっ!はい」
僕は天地解放大震災での出来事、そこで助けてくれた人の事、そのことに感謝していることを一通り話した。
「なるほどなぁ、んで礼をするために探す旅か!なかなかやるじゃぁねぇか!」
「あぁ、それには同感だ。だがギルドに入るにはそれ相応の強さは必要だ。もしも失敗すれば死ぬ…ということもありえるが…どうだ?」
僕は何のためらいもなく
「もちろんです。ここで負けて死ぬようなことなら、僕はその程度だったということです。」
ここでレインさんが口を開いた
「どぉ?二人共、なかなか見所あるでしょ?」
「あぁ確かにな、コイツぁ良い眼してやがるぜ!」
「全くだ。のびしろがありそうだし…何よりやる気があるからな」
「よっしゃぁタルト坊、ついて来な!さっそく試験の手続きだ!」
僕が手を引っ張られそうになった時、レインさんがガイルさんを止めた
「ちょっと待って、…一つだけ言ってないことが……」
「何だ?何かあんのか?」
「えっとね…彼…まだ実戦経験が……」
「実戦経験がねぇとか言うのか?」
「それは彼に聞かなきゃわからないけど…」
「どうなんだ?タルト坊」
ガイルさんに聞かれたタルトは素直に答えた
「えっと、素振りとか毎日やってたんですが…実戦は…」
キールさんは少し呆れ顔だったが、ガイルさんは違った。
「何でぇ、そうなのかよ?そんなこたぁ早く言いやがれって!」
「え?あっ、あの?」
意味がわからずに戸惑う僕にガイルさんは笑いかけてくれた
「よっしゃ、明日から皆でちょいと練習でもしよや!もちろんキールもレインも参加やからな!つーか強制参加やからな!」
レインさんは喜んで頷いてくれた。
キールさんは仕方がない…って感じだったが、ここで「嫌だ!」と言われなかったことが嬉しかった。
「っしゃぁ、今日は腹減ってんだろ?俺の奢りだバンバン食えや!」
そう言うとガイルさんは一気にジョッキ満タンのビールを飲み干した。
キールさんも一気飲みではないがたくさん飲んでいて、レインさんも二人を見ながら楽しそうにご飯を食べてた。
明日からの練習頑張らなくちゃ…
そう思う僕だった。……
第二章END
一応書き換えました
前にあった二話の台詞前のキャラネームを取り除き、少し読みやすいように段落を分けました