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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
16/34

〜戦慄〜

タルトの第一戦目です


ちょいちょいタルトの謎を明らかにしていきますね


ではでは

どうぞ〜

 第三試合観戦を終えたタルトは控室に戻っていた


「…ピンポンパンポーン

第四試合アグスタ=ルートポーン選手対アジル=フォート=カイル選手の試合です。選手は5分後会場に来て下さい」


 試合を予告するアナウンスが鳴る

 タルトは立ち上がり愛刀[風鈴]を片手に控室を後にした



 5分後タルトとアジル選手は会場に向き合った


「よーし、両者揃った所で第四試合を始めるぞぉ」


 司会者が腕を振り上げると観客席から歓喜の声があがる


 アジル選手は体がごつくて手にはバンテージを巻いていて、いかにも格闘家的なスタイルだった


「(格闘主体かな…迂闊に近づくのは危険かも)」


 タルトはさっと作戦を立てる

 タルトは今大会で手を抜くつもりは全くない…最初から全力で行くつもりでいた


「では第四試合〜FIGHT!!」


 ブザーが鳴る


 タルトがブザーと同時に「エアムーブ」でアジル選手の背後を取る

 アジルはその速さに一瞬驚いたそぶりを見せたが、すぐに対応して後ろを向く


「(さすがに対応が早い)」


 タルトはもう一度「エアムーブ」で逆に回り込む

 だが、その動きにもアジルは追い付き、術後硬直しているタルトを掴みあげる


「坊や…君の速さは一級品だ……だがな、連発しちゃぁいけないよ」


 アジルはタルトを掴み上げながら忠告するように言う

 アジルは言いたいことを言い終えるとタルトを空高く投げ上げた


「(やば、早く体勢を立て直さなきゃ)」


 タルトはとっさに体を捻り空中姿勢をとりにかかる

 だがアジルがジャンプし、タルトを後ろから羽交い締めにする


「坊や…一人じゃないんだ、今は敵がいるんだ」


 アジルはタルトを羽交い締めにしたまま頭を下にする

 そしてアジルはタルトと共に地面へと真っ逆さまに落ちていく

 そして、地面すれすれでアジルはタルトを拘束から放ち、自分は地面との衝突をかわす

 タルトは顔面からもろに地面にぶつかりその場に倒れ込む


「おーっと開始1分で早くもアグスタ選手ダウンだぁ〜フォールカウント1…2…3」


 地面に倒れ伏すタルトの頭は死んではいなかった

 タルトはぶつかる直前に「リーデン・エア」でかなりタメージを軽減していたからだ

 だが、物理的なダメージは魔法障壁でいくらか減らせるが一定量以上はダメージが通ってしまう

 それが今の現状だ

 タルトは地面に直撃してはいないが、「リーデン・エア」を急に発動した為に空気の層にぶつかって脳震盪を起こしたのだ


「5…6…」


 カウントがどんどん増えていく

 タルトはやっと目を醒ますと立ち上がり首を振る


「おっとアグスタ選手8カウントで立ち上がったぁ」


 司会者の宣言に1番驚いたのは誰でもないアジル本人だった


「(まさか…「絶躙」を耐えただと)」


 アジルのいくつかある技の一つ

[絶躙]…これは相手を空中で背後から羽交い締めにし、体を捻り空中で逆立ちをするような姿勢で真下へ急速落下し、激突直前で自分だけ回避する技で…アジルの奥義でもあった


「アグスタ!次はそうはいかないからな」


 アジルはタルトを指差して宣言する




 だが、タルトにその声は届いていなかった

 立ち上がったタルトはさっきまでとはまったく別人のようだった



「おぃ…あれなんだよ」


 観客席から戸惑いの声が上がりはじめる

 タルトの姿が見るからに違っていたからだ

 さっきまでは髪の毛は黒色でショートストレートだったが、今その髪は銀色になり逆立っている

 持っていた剣も黒色の剣に変わっていた


「(…殺セ……)」


 タルトの意思が指示した

 その瞬間アジルの目に映っていたタルトは消える


「アグスタのやつどこ行きやがった!」


 アジルが辺りを見回す

 だがどこを探してもタルトを見つけることが出来なかった


「くそぉぉアグスタァ出てきやがれ」


 アジルがこらえきれずにキレて魔力を解放する

 そしてその魔力解放の波に一つの魔力が当たる

 魔力解放の波に違う魔力が当たるということはそこになにかがいるということだった


 だが…そのときのアジルは何も知らなかった……

 その行動が惨劇の始まりになることとは…



「そこかぁ!」


 アジルが魔力反応に振り向き拳を振る

 だが突き出した拳は空を切る


「どこだぁ!!」


 アジルが怒り狂い、突き出していた腕を戻そうとした時それは起こった


「なっ…なんで腕引けないんだ?」


 アジルの腕は突き出したまま黒い霧のようなものに包まれていて、引き出すことが出来なかったのだ


「くそ…抜けろよぉ!」


 アジルが自棄になり腕を引き抜こうとする

 そのアジルの正面にどこからともなくとどす黒い刀を片手で持ったタルトが立っていた


「アグスタァ!てめぇの仕業かぁ!」


 アジルが声を荒げてタルトを怒鳴り付ける

 だが、タルトにはその声すら届いていない様子だった


「テメェ!!早くときやがれ」


 アジルがなおも反抗する

 だが、タルトは反抗するアジルの声を聞き流すと刀を構える

 その刀はウィンデの魔法のように風を纏っているが、黒い風を纏っている


「おぃ……嘘だろ…なぁ」


 アジルはどんどんと弱気になっていく

 アジルが片手を拘束され動けなくなっている目の前で、その黒い風は勢いを増す

 最初は刀に纏う程度だった風は腕へ…次は体全体に…最後にはタルトの後ろの方に爆風を巻き起こしながら勢いを増していく

 アジルはそれを泣きそうになりながら見つめていた



「(………殺セ………)」


 タルトの頭の中でまた繰り返される

 タルトは腕を振り落とした

 [風鈴]が纏っていた黒い風がアジルを襲う


「くそおぉぉぉぉぉぉ……」


 アジルは断末魔をあげながら黒い風に体を切り刻まれていく



「おーっと…アグスタ選手の一降りがアジル選手を飲み込んだぁ」


 司会者が状況を説明する

 今、司会者や観客にはアジルがどうなっているかはわからない

 だが、タルトが何をしているかはよく見える


 タルトは振り落とした腕を更に振り上げ、二発目を放つ準備をしていた




 アジルは黒い風から解放された

 黒い風に切り刻まれていた時間は1分間もなかったかもしれない

 だが、体には相当量の切り傷が刻まれていた

 その傷の一つ一つが深々と刻まれていた


「耐えたぞ…コラァ!」


 顔を上げたアジルが目にしたのは絶望だった

 その目の先には黒い風を全身に纏ったタルトが笑いながら立っていた


「(……殺セ………)」


 またもタルトの頭の中で指令が下りる

 それと同時にタルトは手を振り落とした



 それからいくらかたって試合終了のブザーが鳴った

 それと同時に黒い風は飛び散り霧散した

 その舞台では一人は沈黙、もう一人も後を追うように倒れた


「これは……」


 司会者もこれには言葉を失っていた

 特設の大ステージがぐちゃぐちゃになっていた

 理由はタルトが起こした黒い風…

 あの後アジルはさらに5回くらいあの風をまともにくらっていた

 今、アジルはステージの中央の辺りで体から血を吹出しながら倒れている

 その血の量は人間かと思うくらいの量だった


「勝者…アグスタ=ルートポーン選手〜〜〜医療班至急アジル選手を!」


 勝者はタルト

 アジルはすぐに医療班が運び出していった


 この試合を見ていた観客は唖然としていた



 タルトが目を醒ましたのは控室のベンチの上だった


「あれ?僕…」


「気がついたか?」


 タルトが声に振り向くと壁に背中を預けたアリエルがいた


「師匠…僕は?」


「お前が勝ったよ」


 アリエルは間髪いれずに答えた


「そうですか……気づいたらここだったので」


「あぁ…お前はアジルを切り刻んだ後、倒れてな」


 タルトは今アリエルが言った言葉に疑念を感じた


「師匠…切り刻んだ…って?」


「お前はまるで人が代わったかのようにアジルを還付なきまで切り刻んだんだ」


「そんな…まさか…」


 タルトには[絶躙]をくらってからの記憶はなかった


「事実だよ…とりあえず試合はこのまま出ることになる……頑張れ」


 アリエルはそう言い残すとさっさと出ていった



 タルトは何があったかわからないでいた

 とんでもないことが起こったのは間違いない

 だが、今はまだそれを知ることは出来なかった

 まだ…タルトは弱すぎたから



第十六章 END

はい

アジル選手おつです


今回の戦闘シーンですが

アドバイスとか指摘あれば下さい(>_<)

参考にさせていただきたいので


もちろん感想も待ってますm(__)m

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