〜当日〜
試合開始です〜
やっとです〜
タルトが強くなったか見てあげてください
試合当日になった
試合会場に着いたタルトは試合の参加申請をしに受付に向かった
「あの…今日の試合に参加したいんですが」
「はい…こちらに名前を書いていただけますか?」
タルトは係員に渡された用紙に名前を書く
そこでスナップ写真を撮られてその名前の横に貼付ける
これで参加申請は終了
係員に言われ奥に進むと控室が10部屋くらいあり係員に言われた番号の部屋に入った
部屋の中にはすでに10人程度の人がいた
もちろんこれから試合に出る人達だ
タルトは適当にスペースを見つけると荷を降ろし、試合までの時間を過ごした
「さぁさぁ今年に入って一回目ぇ!皆様お待ちかねの闘技祭だぁ!」
司会者がステージの中央でしゃべる
司会者が開幕の宣言をすると会場は歓喜の渦に包まれた
「何と今大会には287人もの参加者が集まった…今までになかったかずだぁ」
更に会場は盛り上がる
「ではまずは参加者に入場してもらおう!バトラーズカモーン!」
司会者がステージから続く扉を指差す
それと同時に大きな扉が開き選手が入場する
タルトも周りに遅れないように入場する
「さぁこのステージに287人の参加者が集まった…いよいよ一回戦!…と言いたいところだが、人数が中途半端なのでぇ…予選をするぞぉ」
司会者が腕を高く振り上げると会場がまた盛り上がる
「選手諸君聞いてくれ!ルールは簡単だ…このステージ、距離は100メートルある。それを早かったもの準で256人まで決める…この予選で287人から256人すなわち31人が落ちるということだぁ」
司会者は選手を指差していきながら話す
「よーし…では諸君…位置についてくれ」
司会者はステージから降りると選手達は各々でスタート位置を取りはじめる
タルトも極力前の方でスタート位置をとる
「よーし、だいたい位置についたなぁ…ならこのアラームの音が合図だ、全力で行ってくれ」
司会者がアラームを頭の上に掲げる
タルトは司会者の動きに合わせ「エアムーブ」の用意をする
そして司会者が掲げたアラームが赤く点灯し、けたたましくサイレンが鳴る
次の瞬間選手が一斉に走りだす
「エアムーブ!」
タルトは一瞬遅れてからエアムーブを発動する
早過ぎるとぶつかる可能性があったからだ
タルトの考えは正しかった
タルトの前方で足が縺れ合い共倒れになっていた
タルトはそれを交わすと更にスピードをあげる
次の瞬間には先頭を抜き去っていた
会場が「エアムーブ」を使ったタルトに歓喜の目を向ける
「エアムーブ」は五神魔法の中で、1番扱いの難しいウィンデに所属する魔法
それをタルトくらいの歳で使えるのは中々に珍しいことなのだ
だが先頭を独走していたタルトの横に見知らぬ人が並ぶ
「お前…エアムーブ使えるんはすごいけど、出すん早過ぎとちゃうんか?」
どこかのなまり方だろうか?聞き慣れない話方だった
タルトはエアムーブを維持したまま返事する
「でも…あなたもじゃ?」
「そらそうやな、俺はハヤテ=ユウキいうんや…ちょい遠いとこでな〜アルフェリアの出身や」
ハヤテと名乗る人は僕より少し歳上くらいに見えた
「僕はアグスタ=ルートポーン。ラフレア出身です」
タルトも自己紹介する
「アグスタ=ルートポーンかぁ、何て呼ばれてるん?」
「はぃ…皆にはタルトって呼ばれてます」
「そかぁ…ならタルトって呼ぶわな、俺の事はハヤテでええからな」
ハヤテが笑いかけてくる
「うん、よろしく。ハヤテ君」
「君とかいらんから!ハヤテでええよ……んじゃお先にな」
ハヤテが一瞬地に足をつけると更にスピードを上げてゴールをきった
タルトもそれに続くようにゴールする
「(今ハヤテが使ってたの…「バーストムーブ」かな)」
タルトは今見た魔法を解析する
「バーストムーブ」は「エアムーブ」と同じく移動系魔法の属性違い
「バーストムーブ」は出が遅いがエンジンがかかってからは全属性を圧倒的に抜く速さを持つ魔法だ
レースはもちろんのことゴールしたのはタルトとハヤテしかいない
だが続くようにゴールして参加者が決まっていく
「ここで参加者決定〜ここまでの人が本戦へと行くことが出来るぞ〜」
司会者の指差す所にはタルトを含めた256名の参加者がいた
「さぁいよいよお待ちかねの〜本戦抽選だぁ」
司会者が変わらないテンションのまま指差すのは会場奥の大画面
そこには256名分の名前欄があり、そこからトーナメントの形に線が入れられている
「よーし、ではここにランダムで戦う者の名前がかかれていくぞぉ〜参加者の諸君は対戦相手をしっかり覚えておくよ〜に!で〜は、いってみよう!」
司会者の合図でその対戦表に名前が書かれていく
タルトの名前は4戦目
対戦者はアジル=フォート=カイル
名前はわかったが肝心な対戦者の容姿がわからないために挨拶のしようがない
仕方がないので、タルトは3戦目の試合まで会場をぶらつくことに決めた
タルトは控室に行くこともなく会場の外に出た
出てすぐの所にシエルさんとアリエル師匠がいた
「タルト、緊張してるか?」
「まぁ…多少は……してますね」
タルトは苦笑いで答える
「試合応援するから頑張ってね!」
シエルさんが笑顔で声援をくれる
「はい!頑張りますね」
タルトは二人にお辞儀するとウォームアップをするといい別れた
タルトは街中を少し走ってから会場に戻った
会場に入ったタルトは試合の確認をすると今2試合目が終わったらしく
タルトが待っていた3試合目の番だった
「さぁさぁ…開幕3試合目〜クリア=バードラフ選手とハリヤー=サーバス選手の試合だぁ!」
司会者が進行している横の舞台に二人が立つ
クリア選手は紺色の短髪の男の人で鎖のような物を持っている
対して、ハリヤー選手は白髪の長髪でかなり物静かな感じの男の人で、僕と同じような長さの太刀を持っている
二人が見合いを続ける中試合開始のブザーが鳴った
鳴ったと同時にクリア選手は鎖を投げ付ける
その鎖はハリヤー選手に命中することなく地面に落ちる
ハリヤー選手は、それを勝機と一気に距離を詰める
だが詰めてくるのを待っていたのかクリア選手が不適な笑みを浮かべ鎖を持つ手を引き上げる
その手の動きに合わせ鎖が波打ちクリア選手の元に戻っていく
後ろから来る鎖に感づいたハリヤー選手はさっと地面に足を着き左に飛びのく
開始してからまだ30秒しか経っていないのにかなり壮絶な戦いになっている
今大会のルールは10分間の試合で場外及びフォール(押さえ付け)は10カウントで負け
武器や魔法は何を使用しても構わない
基本的には何でもありの単純なルールの試合だ
「二人ともすごい…どっちが勝つのかわからない」
タルトは目まぐるしく舞台を動き回る二人の姿を目で追う
今現時点で優勢なのはクリア選手、クリア選手は鎖を一本ではなく複数本所持していて
二本の鎖でハリヤー選手の動きを制限しながら追い詰めていく
ハリヤー選手も一本なら捌ききれる物が二本となると難しくなるみたいで防戦一方になっていく
そして鎖で攻撃し続けるうちにハリヤー選手のガードが甘くなった
クリア選手はその一瞬を逃さず鎖を四本投げる
その四本の鎖はハリヤー選手の四肢を捕らえる
ハリヤー選手は身動きが取れない状態で拘束される
クリア選手が残った二本の鎖をハリヤー選手の上方から振り下ろす
誰もがクリア選手の勝利を確信した
だが、勝負は最後まで諦めなかった者が勝つものだ
ハリヤー選手は瞬間的に腕と足に魔力を流し爆発を起こす。その爆発の高熱により鎖からの呪縛から逃れ、クリア選手を返り討ちにしていたのだ
さらにすごいのはハリヤー選手の太刀筋だった
ハリヤー選手はこの試合でほとんど太刀を振っていなかったが
たったの一度見た太刀筋は一降りの太刀なのに幾つもの剣に見えた
もちろん見えただけではない…一降りの内に数回は切り払っていた
「初戦を勝ったらハリヤー選手と試合か…」
タルトはさっきみた太刀筋をしっかりと記憶した
次はタルトの試合だ…
タルトは観客席から控室へと向かった……
第十五章 END
タルトが強くなったかとか言ってましたが試合観戦だけですみゃあせん(>_<)
次作はタルトの修業後初陣です
応援よろしくです
感想とかいただけたらよりいっそう頑張ります(>_<)