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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
13/34

〜グランデ〜

今回はちょっと師匠が意地悪になります(笑)


今回から最後の属性[グランデ]の修業です

次作辺りではもう修業終わっちゃうかもです(笑)


では

どうぞ/

 伝説の5竜について教えてもらってから早くも二ヶ月がたった

 その間にタルトは様々な魔法を覚えていった

 ウィンデの次はバーステ、バーステが終わればアクエリアと修業をこなしていた

 今はヴォルティスの修業を終え、グランデの修業に入っていた


 朝早く起きたタルトは服を着替え、刀を片手に外へ出た


「ん〜いい朝だ」


 タルトは刀を両手で構えると素振りを開始する

 いつもの朝練の時間だ


 腹筋や柔軟を終えると次は魔法の練習


 今までに習った魔法を織り交ぜ自分なりにシャドーする


 タルトはすでに四属性のエレメントソード[属性魔法を負荷した剣]は使える状態で、それぞれの防御魔法、補助魔法、攻撃魔法はある程度使えるようになっている


「ここで…α・メビウス…メビウスから、詠唱しながら捕まえてアラセア!」


 タルトは剣での一連の動作の最後にウィンデの魔法の練習をする

 α・メビウスの発動直後にアラセアの詠唱を開始、メビウスの大竜巻命中中に敵を捕まえアラセアを直撃させるというコンボ


「こんな感じかな」


 タルトは納得して頷く


「よし…次だ」


 タルトがもう一度構え目をつぶり集中する

 タルトは自分の回りの空気に自分の魔力をすり合わせるように流す

 ウィンデは混ぜるように流すが、ヴォルティスではすりあわせるように流し、スパークを軸に魔法を作る


 タルトが目を開くとタルトを中心に半径2メートルくらいの範囲で地面から雷が立ち上りタルトを取り巻いて行く

 立ち上った雷は、タルトの周りにベールのような形になりバチバチと火花を散らす

 タルトの刀[風鈴]にも雷が乗り鮮やかに白く光っている


「よし、行ける」


 タルトが刀を振り下ろす

 刀を追うように白い光がバチバチと音を鳴らせながら雷が走る


 タルトは振り下ろした刀を一度切り上げると頭の上で刀を半回転させ切り下がる

 そして切り下がると同時に居合抜きの形を取る

 直後、居合の形から一気に抜き放ち雷の衝撃波を走らせる

 同時に居合時の軸足と逆の足を前に踏み出し[エアムーブ]で一気に前に出る

 そして雷の最強魔法、一点集中で腕に集めた雷の魔力を一撃で相手に打ち込む魔法…[ボルテニカ・フル・バニア]を打ち出す

 打ち出した瞬間爆音と共に地面が放った形にえぐれる


「ふぅ…こんな感じかな」


「朝から練習熱心だな」


 後ろから不意に声をかけられる

 同じような展開が前にもあったな、と思い出しながら振り返ると声の主はアリエル師匠だった


「おはようございます、師匠」


「あぁおはよう」


 アリエル師匠は眠たそうにあくびをする


「タルト〜今日はグランデを練習するんだが、私は何も言わない…今日は自分で考えてやってみな」


 アリエル師匠からの唐突な課題


「わかりました」


 タルトはやれることならと了承した


 その日は午後から修業が始まった

 シエルさんと二人で言われた魔法について考える

 師匠が言ってくれたのは魔法の名前が[グラビデリオン]ということだけ

 それ以外は何も言わなかった


「グラビデリオン…グラビって重力のことかな」


 タルトが首を捻りながら考える

 シエルさんもうーんと唸っている


「イメージが浮かばないですね…」


 シエルさんが弱気になっていた


「確かにイメージが出ませんねぇ…名前しかわからないですし」


 二人はまた沈黙する


「([グラビデリオン]名前から察するに重力操作の魔法だと思うんだけどな)」


 タルトは考えていることを頭の中で繰り返す

 そしてタルトは重力操作系という前提で考え出した

 重力操作で考えられそうな魔法をいくつかイメージする

 重力で相手を押し潰す?、自分にかかる重力をいじって身体を軽くする?、自分を重力軸にして相手を引き付ける?

 イメージがいくつか出てくる

 だが補助魔法か攻撃魔法かも聞いていない状況でイマイチ整理出来ない


「ダメだ…考えられることが多すぎる…」


 タルトは仕方なく立ち上がると今イメージしたのを魔法として再現していく


 夕方くらいになるとタルトはイメージした魔法を全部再現した

 だが、[グラビデリオン]という名前にしっくりくる魔法はなかった


「わからない…何が[グラビデリオン]なんだ」


 その時、家の入り口からこちらに向かってくるアリエルさんを見つけた


「頑張ってるなぁタルト」


 アリエルさんが笑いながら歩いてくる


「師匠…どうしてもわからないんです……何が[グラビデリオン]なのか」


 タルトが最終手段とばかりにアリエル師匠に手助けを求めた


「タルト…お前は[グラビデリオン]についてどんなイメージを持った?まぁ考えた?の方がいいか」


 アリエル師匠はタルトに笑いながら問い掛ける


「僕の考えですか?僕は[グラビデリオン]は重力操作の魔法という前提で考えました…結果使い方としては、重力で相手を押し潰す。自分にかかる重力をいじって身体を軽くする。自分を重力軸にして相手を引き付けるの三つくらい考えて魔法もイメージしてやってみたんですが…何かしっくりこなくて」


 タルトが俯きながら答えているとアリエルは笑った


「そうか…シエルは?」


「私はあれこれと考えていたんですが…重力操作なのか重力は関係なく普通に土の魔法なのかで頭がこんがらがってしまって……」


 シエルも俯く


「そうか〜お前たちよく頑張ったな」


 アリエル師匠がまた笑う


「ネタばらししてあげるよ。実は[グラビデリオン]なんて魔法はないんだよ」


 アリエル師匠は笑っている

 だけどタルトとシエルは顔をあげると唖然としていた


「[グラビデリオン]っていう魔法が題材でこんな魔法って言うとお前達はそれを練習する。言えばイメージを再現するだけだ…今回はそれを逆に取ってみた結果二人はよく頑張ったよ」


 ネタバレしてもまだ二人は唖然とし続けている


「なんだ?意味がわからないか?はぁ…今回の修業はなお前達がイメージのない魔法を言われた時どうするかを見ていたんだ。そしたら多いに頑張ってくれて感心したよ」


 アリエル師匠が二人の頭に手を置き、笑いかける


 タルトとシエルはやっと真意を受け入れるとアリエル師匠と一緒に家に戻っていった。



 タルトは今日の修業だけでグランデの魔法を三つも習得した

 後でアリエル師匠にその三つの魔法のことを聞くと実在する魔法だということがわかった

 重力で相手を押し潰す魔法は[アーク・グラビリティ]

 自分にかかる重力をいじって身体を軽くする魔法は[フィファティ・グラバス]

 自分を重力軸にして相手を引き付ける魔法は[マスター・グラニオン]


 タルトは魔法の名前を教えてもらうと一気に三つも使えるようになったことによろこんだ


 またこれから修業が続いて色んな魔法も覚えていかなくちゃならないけど

 強くなるために頑張ろうとタルトは新たに心に決めた


第十三章 END

アリエル「はぁ〜今回で修業の話は終わりかぁ」


タルト「いや…まだ、終わらないと思いますよ?師匠」


アリエル「まぁいいけどね…使い捨てキャラみたいだけど…」


タルト「そんな事言わずに頑張りましょう」


アリエル「そーね…ってか頑張んのはアンタでしょうが」


タルト「はい…頑張ります……では」


タルト&アリエル「感想とか待ってます(>_<)/」

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