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ある人、探してます  作者: 亜差覇蚊
10/34

〜風−その1〜

こっからやっとこ魔法の話だわ


これからも頑張って書いていきます(>_<)

 タルトは朝6時頃に起きた。

 まだシエルさんやアリエルさんは寝ているようだったから、少し外に出て体を動かそうとしに用意した。


 用意し終えると昨日の森の方へ行き、ちょうど良いスペースを確保した


「まずは素振りからかな」


 タルトは自分の刀を構える。

 頭の中で数を数えながら、剣道で言う面の高さを斬るように素振りした。


 基礎練習は皆とやっていた時と同じメニュー

 素振りをしてから走り込みして、腹筋や背筋、柔軟と体をしっかり動かす。


 適当に体があったまったタルトはもう一度、刀を手に取る。


「キールさんに教えてもらった流し方、練習してみよう」


 キールさんに教えてもらった、敵の攻撃の流し方。

 まず半身になり刀を片手で持ち、肘を自分の方へ曲げる。次に自分の背中の方へ峰を向け、刃先を下に向ける。そしてその刃を相手の攻撃に合わせ、すり上げ自分の頭の上を返すように受け流す。


 タルトはキールさんが言っていたことを復唱し、流す練習をする。

 だがなかなかうまくいかず刀の峰で肩をぶつけたりした。


「うまくいかないなぁ」


 タルトは少し休憩と、刀を横に置き座る


「タルト君?」


 座ったタルトの後ろ、アリエルさんの家の方から声が聞こえた、タルトが振り返ると縁側にシエルさんが立っていた。


「タルト君朝早いんですね」


「まぁ、たまたま目が開いただけですけど」


 タルトがシエルさんの問いに笑顔で返す。

 シエルさんは昨日のことはもう何とも思ってないみたいだ


「今からご飯作りますけどお話しませんか?」


 シエルさんが料理中の話相手に誘ってくれた

 特にすることもないので付き合うことにし家の中に戻って行く。


「卵は目玉焼きかスクランブルエッグどっちがいいですか?」


 エプロンをしたシエルさんが卵を片手に僕に聞いてくる。


「じゃぁ、目玉焼きで」


「了解」


 今日のシエルさんはかなりご機嫌みたいで、フライ返しを持ちながら鼻歌まで歌っている。


「そうだ、シエルさんはいつからアリエル師匠に教えてもらってるんですか?」


 聞くとシエルさんはクルッと僕の方に向き、唇に指をあてながら考え出す。


「そうねぇ…三年前かな、で明後日から四年目に突入だよ」


「かなり一緒に居られるんですね」


「うん、師匠にはまだまだ色んな事を教えてもらいたいし…自分でもまだまだだって思うし」


「そうですかぁ、僕も今日から頑張ります」


「そうだね、一緒に頑張ろうね」


 シエルさんがニコッと笑う。

 それに僕も笑って返すが、かなり焦げ臭い臭いに苦笑いになる。


「シエルさん!卵、卵!!」


「ふぇ?……キャァァァ」


 シエルさんが慌てて火を止める。

 だが慌て過ぎてエプロンにフライパンの取手が引っ掛かりぐらぐら揺れているのに気づいていなかった。


 それを見たタルトは椅子から立ちシエルさんの方へ走る。

 それに驚いたシエルさんが体を捻った。

 それが引き金になりエプロンに引っ掛かっていたフライパンがシエルさん目掛け飛ぶ


 タルトは飛び出したフライパンの取手をすぐに掴み、シエルさんを助けた。


「大丈夫ですか?シエルさん」


「あっ、うん。ありがとうタルト君」


 シエルさん落ち着きを取り戻す。

 その時2階からアリエル師匠が降りてきた。


「朝からうるさいわよぉ〜ふぁ〜ぁ」


 アリエルさんは大きな欠伸をすると洗面所の方へ向かった。



「「「いただきます」」」


 結局シエルさんが卵を焼き直すことになった。


「師匠、今日はどんな修業をするんですか?」


 タルトがアリエルに聞く


「そうだな、まぁまずはウィンデ(風の魔法)からだな。ウィンデは扱いが難しいからな、ウィンデで慣れておけば後は応用でどうとでもなるからな」


「ウィンデか、頑張ろう」


「まぁ魔法を覚える基本、最初はそれぞれの属性を感じる事だな」


「属性を感じる?」


「そう、ウィンデなら風の流れを読んだりな」


 タルトが納得して相槌を打つ。


 食後、タルトとシエルさんは裏手にある道場のような所に連れて来られた。


「よし、ならまずはウィンデの初級程度に慣れてもらう。ここに小さい石がある、これを触らずに浮かせ。出来たら今日は終わりだ」


 そういってアリエル師匠に渡されたのは、手で握るとしっくりくるくらいのサイズ。よく河原等に落ちている石だった。


 シエルさんも同じ物を渡される。

 シエルさんは僕らからから離れていった


 僕もシエルさんと逆の方向に少し行く。

 そして、さっき師匠が言っていた事を思い出し、自分なりにかみ砕いて整理する。


「扱う魔法の属性を感じる…」


 タルトは座禅を組み目を閉じる。

 数秒すると、目を開けている時には決して聞こえないだろう小さな風の音を聞き取れた。

 それは静かに吹き抜けるように流れる。


「これが師匠が言ってた風の流れ?かな」


 タルトは今見出だした風の流れと、自分の精神力を目の前にある石に向ける。

 だがその石は一切動かない。


「あれ?動かない……何か違ったのかな」


 タルトがあれこれしてる内にシエルさんは既に終わっていた。


「ふふっ…タルト君師匠の言う風の流れって言うのはただの空気の流れじゃないよ」


「ただの風の流れじゃない…」


「うん。師匠が昨日言ってたようにこの世界のすべてのものには魔力があるって、師匠に言われてるからここまでしか助けてあげられないんだけど……」


 シエルさんが俯く


「いえ、ありがとうございます。また頑張ります」


 シエルさんは先に家に戻っていった


「風の流れじゃないのか、すべてのものには魔力がある…か」


 タルトはシエルさんに言われた言葉を整理する。

 整理している間に一つの答えにたどり着いた


「風の魔力の流れのことか」


 タルトはもう一度座禅を組み、風の流れを感じはじめる


 するとさっき感じた風の流れと、もう一つ別の流れを感じた

 タルトはそのイメージを忘れない内に

今見つけた風の魔力の流れと精神力を使い、石を浮かそうとする。

 石は動いた。

 だが浮くところまではいかなかった


「くそ、もう少しなのに……」


 それからもタルトは挑戦しつづけた。



「師匠、タルト君なかなか帰ってきませんね」


 シエルさんは晩御飯の支度をしながらアリエルさんに言う。


「まぁまだ終わらんのだろう」


 アリエルさんは簡単に言っているが、なかなか心配しているようだ


「終われば帰ってくるだろう、それまで待っていてやろう」


「はい」


 シエルさんは出来た料理をテーブルに並べていく。


 その時家の扉が開く音がし、タルトが息をきらしながら帰ってきた。


「師匠、出来ました。ちゃんと石を浮かせました」


僕の報告をアリエルさんは頷いてくれた


「では、ここにその石がある。これを浮かせられたら合格だ」


アリエルさんが指差す先にはさっき使ったのと同じくらいの大きさの石が置いてあった。


「はい」


 タルトが集中しだす

 アリエルさんとシエルさんは黙ってその行方を見守る。


「(イメージするんだ。魔力の流れと僕の魔力がシンクロするのを)」


 タルトが一瞬険しい表情になる

 だが次の瞬間、石は浮いた。


「合格だ」


「おめでとう、タルト君」


アリエルさんとシエルさんが一緒に喜んでくれた。


キュァキュァァ


 チビも喜んでくれた。


「ありがとうございます」


 タルトは皆にお礼する


「今日は腕によりをかけて作ったから食べよぉ」


「ありがとうございます」



 そして、三人とチビは晩御飯を食べはじめた


 僕は一つ魔法使いに近づいた気がしてうれしかった。

 明日からの修業も頑張ろう。


第十章 END

てなわけで

今回からウィンデ系統の魔法の練習です


これから他のも練習していく予定ですので


ではでは

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