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6-6

「随分と油断が過ぎるんじゃないか?」

軍服の男が天井から出現。

ナイフであらいの背中を刺す。

「くそっ…近くに一人…潜んで…た」

スローモーションで倒れる瞬間が見えた。

あらいはそのまま受け身を取ることが出来ず、

顔から倒れこんだ。

あらいの目は虚ろ。

背中から出血し真っ白な床が赤く染まっていく。

「てめぇ!」

俺はショットガンを天井に向けて発砲。

しかし、すでに敵は居なかった。

恰好は軍服、軍人だと思った。

「がふっ…」

倒れた彼女はせき込む。

「あらい!」

ひとまず傍へ。

ナイフで傷ついてる。

かなり不味い。

「平気…心配しないで」

「でも…」

「大丈夫だから」

あらいは立ち上がろうとする。

でも、ふらついてる。

「無理するな」

「ごめん」

「休んでてくれ」

「そうする」

あらいをベンチで横に眠らせる。

モールならドラックストアがあると思る筈だ。

俺はそう思って1人で向かうことに。



ドラックストアにやってくる。

市販の薬だけど、豊富にあって結構いい感じだ。

冷たい水もあるし、良い店だろう。

怪我に使えるだろうと包帯に手を伸ばす。

するとバチンと音がする

「ぐああっ」

気づくと右手には釘が無数に刺さってる。

あまりの痛さに思わず手を引く。

涎をまき散らしながら苦痛を覚える。

俺は戸惑う。

しかしここで引いては駄目だ。

何故ならあらいに薬を持って帰れないからだ。

彼女は背中にナイフが刺さってる。

とてもじゃないが放っておけない。

俺は自分を奮い立たせる。

そんな決意を固めた。

どうせ怪我したんだ。

怪我した右手で強引に包帯に手を伸ばす。

指が上手く使えない。

痛みが指の操作を邪魔してる気がする。

だから腕を使うことに。

引き寄せるようにして棚から落とす。

ぼとぼとと他の余計なモノも一緒に落ちる音がする。

俺は仕方ないと諦めるような気分だった。

指が使えないのだから。

それを足で蹴飛ばしてドラックストアから離す。

罠が他にもあるかもしれないから警戒して。

そして左手で回収。

これで大丈夫だろう。

そう思った時だった。

「終わりだ」

軍服を着た男が襲い掛かってくる。

彼の手には包丁が。

とてもじゃないが俺は腕が使えない。

背中に抱えてるショットガンで刃物を防ぐげない。

だから…これしかないんだ。

俺は怪我した右手の腕の部分で防ぐ。

そして空いた左手でポケットに忍ばせてた拳銃を発砲。

「ちっ」

軍服の男に蹴飛ばされる。

「しまった」

俺は心臓が跳ねた気がした。

頭の中の想像に過ぎないが、

もしも新品の鏡にも関わらず俺の顔を見たら歪んでるだろうと思えた、それはきっと動揺してるから。

拳銃が遠くへ飛ぶ。

きゅるきゅると回転しながら銃が滑る。

軍服の男は俺にマウントを取る。

「お前…レン…か?」

軍服の男は知り合いにあったかのような顔をする。

「なに?」

俺は驚く。

まさか自分の記憶の手掛かりを知ってる人物が目の前に居るとは思わなかった。

「ここで…因縁をつける!」

敵は俺にアイスピックを首に押し込んでくる。

知り合いは知り合いらしいが、

どうやらいい関係性では無いようだ。

「おおおおおおおおっ!」

俺は左手で刺されないようにする。

右手に釘が刺さって思うように動かせないから。

「片手で何処までやれるかな」

しかし相手は両手。

徐々に首にアイスピックが突き刺さりそうになる。

首から血が少し垂れる。

地面にぽたと落ちる。

「このくそっ!」

俺は右手をスイング。

釘が刺さってるんだ、武器になるぜ。

その先端が敵の腹部に命中。

だが敵は軍人。

痛みに慣れてるのだろう。

敵はそれでも怯まない。

「この程度か?」

敵は余裕そうだった。

俺は終わったと思い諦めそうに。

そこに背中にナイフが刺さったあらいが登場する。

「どいて」

あらいはリボルバーを発砲

「バカ…な…」

軍服の男は倒れるのだった。

「どうして」

俺は驚きを隠せなかった。

てっきり動けないと思っていたから。

「平気?」

あらいが心配そうな声を出す。

「俺は平気だ…お前の方が」

「私は…大丈…夫…」

あらいは倒れる。

「あらい!」

俺は心配するように傍に行く。

「はぁ…はぁ…」

彼女は意識朦朧としてる。

背中にナイフが刺さってるのだ無理も無いだろう。

それでも俺のために銃を撃った。

彼女は肉食獣に噛みつかれた草食獣のようにふらつく。

「彼女があんなに弱っているのに、まだ銃を握ろうとするなんて…ありがとう」

胸が締め付けられて、息が苦しくなった。

そのお陰で敵は倒れた。

俺は感謝を伝える

「まだだ!」

倒れたハズの軍人が復活。

「何故だ」

「ワシの仲間が…守ってくれたのさ」

壊れたドックタグを捨てる。

弾丸が当たって変形してる。

「そんなバカな」

「これは戦争で死んだ仲間が持たせてくれたのさ。

棺に入った仲間から…受け取ったんだよ」

「お前」

彼にも理由があってこの場に居るんだろうと思った。

「うおおおおおおおおおおっ」

軍人は雄たけびをあげる。

アイスピックを振り上げて襲ってくる。

その瞬間、俺の脳に電流が走った。

生きてやる。

あらいを守りたいという気持ちも嘘ではない。

だが、自身の生存本能が訴える。

戦えと。

彼女を守りたいという綺麗ごとではなくて、

自分がただ生きたいと強く願った傲慢な考え。

俺は戦う気持ちを固める。

そして敵に視線を合わせるのだった。

「俺だって!」

軍人に向って突撃する。

「なに!?」

足を掬われて驚く。

そのまま2人して吹き抜けに行く。

「落ちろ!」

そのままガラス戸を壊して3階から落下。

軍人と俺は落ちていく。

まばたきをする間に地面に辿り着きそうな勢いだった。

「また…勝てなかったか」

軍人は落ちてる時にこちらを見て笑った気がした。

俺は少し驚く。

彼は何故か満足そうだったから。

満ち足りた顔をしていた。

身体が宙を舞う。

風が激しく顔を叩く。

時間がゆっくりと流れ、足元が壁にぶつかる。

すると体勢が一気に崩れる。

不味い、そう焦りを感じる。

けれど下の花壇が目に入る。

土の柔らかさが微かに希望を与える。

次の瞬間だった。

地面に激しく打ち付けられた。

衝撃が全身を突き抜ける。

呼吸が一瞬止まる。

痛みが全身に広がる。

それはまるで透明な水に色のついた液体を垂らすように。

しかし痛みこそが生を実感させる。

骨が折れたかもしれない。

「ちくしょう痛てぇ」

俺はうめくように言った。

近くには軍人の身体が。

「生きてる…のか?」

俺はもう戦えない。

ここで彼が復活すればもう…負けは確定だ。

「…」

だけど彼は灰となっ何処かに消えた。

彼が生き返ることはもう無い。

そう思えた。

花壇にはグラジオラスが見えた。

花言葉は勝利。

今の俺にぴったりだと思った。





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