3-10
3階へ行くと、何だか重低音が響いて来る。
何だろうと思って気になってその部屋に入ってみる。
そこは娯楽室だと思った。
ビリヤード、ダーツ、シアターなどがある。
恐らく、防音なのだろう。
部屋は爆音だと思える音量なのに、下の階で寝てた俺の所に
響かなかったからそう思った。
ミラーボールで虹色に輝く部屋。
いかにも盛り上がりそうな場所。
そんな場所にも関わらず、あまり人の気配が無い。
あるのは1人だけ。
ダーツを投げて遊んでるみやこだけだった。
「よぉ」
俺は挨拶をする。
「あ、レン君」
彼女は俺を見つけて挨拶をする。
「どうしてバニーガールなんだ?」
みやこの恰好が変わってて驚いたのだ。
「娯楽室の正装なんです」
「そういうもんか?」
「そういうもんです」
「そうか…」
俺はとりあえず受け入れることにした。
「それにしても眠れなかったんですね」
「まぁな、少し寝るのが早かったかもしれん」
「あはは、そうですね」
「みやこもか?」
「はい、ですので、こうして1人で遊んでたんです。
1人では退屈してたので、良かったら一緒に遊びませんか?」
「いいぜ、何する?」
「ダーツをしましょう。
ルールは簡単で数字に向かって投げるだけ。
合計点を競いましょう、交代で1回ずつ。手持ちの矢が無くなった時に集計ですね。
ゼロワンとか、シュートアウトとか難しいのは無しです」
「3回勝負って訳か」
「はい」
「よっと」
俺は矢を投げる。
3点に当たる。
「いいですね、次はしぃの番ですッ」
5点に当たる。
「いいね、次は俺だ」
2点に当たる。
「惜しいです」
「次どうぞ」
「はい…えいっ」
4点に当たる。
「最後はっと」
俺は最後の矢を投げる。
0点だった。
「これは…しぃが投げなくても勝ちですね」
「あまり、才能は無いみたいだ」
「一緒にやってくださってありがとうございます」
「いや、楽しかったよ」
「そうですか?」
「あぁ」
「レン君」
「なんだ?」
「しぃは少し不安です」
「何がだ?」
「バトルロイヤルの世界で武器を捨てて皆で集まろうと話し合いをするのは無謀なことですッ?」
「…」
俺は少し考える。
「…」
言葉を待つみやこ。
「無駄かもしれない」
俺は冷たく断言する。
「あぅ…」
みやこは少し泣きそうに
「もう少し優しい言葉を言えば良かったな」
俺は慌てる。
「いえ、そうじゃないんです。
はっきり言ってもらって嬉しくて」
「えーとだな、あれだ」
俺はなんとかひねり出そうとする。
「なんですッ?」
「平和を作ろうした子が居るという事実は無くならないし忘れない、そのことに希望を感じて生きる人は居ると思う」
「そう…ですね…行動した過去は大事ですよね」
みやこは少し微笑む
「あぁ、だから気にせず頑張れよ」
「はい」
「ふぁっ…」
俺はあくびする。
「眠くなってきたんじゃないですか?」
「そうかもしれん、戻るわ」
「おやすみ…ですッ」
俺は廊下に出る。
「レン」
「うわっ」
廊下にはあらいが居た。
どうやら起きてたようだ。
「驚くこと?」
「驚くだろう、てっきり寝てると思ったし」
「貴方が心配だったのよ」
「そんなに心配することか?」
「あの男が不意打ちで殺してくるんじゃないかって不安だったのよ」
「大丈夫だよ、みやことダーツしてただけだ」
「そう」
あらいは淡泊に返す。
「眠くなってきたから戻るよ」
「分かったわ」
俺は2人で寝室へと戻っていった。




