表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

オフィスビルの窓はとても大きい

 ヌンチさんは、都心で存在感を放つ高層ビルのようです。


 常にテキパキと判断し(選択を間違えたところを見たことがありません)、そのプロセスを口頭で素早く端的にまとめあげ(発光しているように見えます)、伝わっていることを相手に再確認しながら(伝わらなさの責任を両者に押し付けず、常に公平な態度です)、その再確認の過程でより一層具体的な言葉を盛り込み、こちらへ振り向き(振り向く前からこちらと目が合っているような、正確無比な視線です)、デスクに着席したかと思えば、迷うことなく適切な書類をファイルから引き抜き、ミスなく書き込み(筆記音は、私の肘のかゆみやお腹の鳴る音、関節の軋みなどの生理現象と何故だかリンクします)、相手の名前を呼んだと思えば既に次の話に移っており、プリンターに手をかざして用紙が出てくるのを待つ(指先の艶やかなネイルが窓外の景色を凝縮し集めています)。


 そんな事務員のヌンチさんの上着を預かった時、ポケットの中からプラスチックのゴミが落ちました。よく見ると衣服の繊維も絡まっています。


 私はそのゴミを元のポケットへ戻し、上着を丁寧に畳みました。


 ヌンチさんは畳まれた上着を喜んで受け取っていました(濡れた出っ歯が窓外の景色を凝縮し集めています)。


ヌンチさーん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ