表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/90

第24話

 「ファニー、どうしたの?また難しい顔してるよ?」

 「だ、だって。聞いていいことなのかなって」

 「大丈夫、なんとかなるって。私に任せて」


 メグに任せちゃうっていうのもどうなんだろう。って考えている間にメグが先に行っちゃう。


 「ほら。置いてっちゃうよ~」


 炎の明かりのおかげでメグが手を振っているのがよく見える。それでドンドン進んでいく。


 「あっ、待って」


 炎に照らされたドワーフの遺跡の中を追いかける。飛んでいたア〜ちゃんが頭の上に乗ってきた。


 「ア〜ちゃんはどう思う?」

 「赤の賢者は良い人。ファニーちゃんに笑顔をくれた。青の賢者は嫌い。ファニーちゃんの笑顔を奪った」

 「あ、うん。そうじゃなくてね」


 ルイスのことを聞いたつもりだったんだけど、よく考えたらア〜ちゃんに聞いてもしょうがないのかな。って油断してたらメグはもうあんなところまで行っちゃってる。


 「メグ、今さらだけど炎の魔法を使えるの?」

 「うん、そうだよ。お姉ちゃんとは正反対だね」


 水と炎って、確かに正反対かも。それにしても静かな炎、なんだか暖かい。それによく見えるから、ガーゴイルの位置も伝えやすい。


 「ねぇ、あの岩の後ろ」

 「ん?なになに、良いもの見つけた?」

 「そうじゃないんだけど、ガーゴイルがいるよ」

 「うぇ。最悪じゃん。よく分かったね」


 完全に石像のフリをされたら無理だけど、少しでも動いたら見逃さない。私達を獲物だと思って狙ってるのかもしれないけど、先に気づいちゃえば問題ない。


 「どうする?他の道を探す?」

 「あはは。そんな必要ないよ。任せなさいって」


 メグが腕を挙げる。手の平の炎が赤く、強く、熱く燃えあがる。思わず離れてしまうほど熱い炎。


 「こんなもんかな」


 メグが投げた炎は、弧を描いてガーゴイルのところまで飛んでいく。とても綺麗な炎が、激しく音を鳴らしながら吸い込まれるように宙を駆け抜ける。


 グギャァァァ


 「いいぞ〜。もっとやれ〜」

 「へへ〜ん。ざっとこんなもんよ」


 頭の上で騒いでいるア〜ちゃんと、腰に手を当てながら満足そうにしているメグ。だけど私は、私だけがまだ終わっていないことに気づいてる。


 「メグ!まだ終わってない!!」


 岩陰から飛び出してくる。弓を引き絞りながら狙いを定めるのは、メグの炎で黒焦げになったガーゴイル。黒のガーゴイルはメグを狙って飛んでくる。その胴体に目掛けて矢を飛ばす。


 「ファニー、ナイス」

 「ダメ。終わってない」


 暗くてよく見えなかったから胴体を狙ったけど、頭を射抜かないと安心できない。一撃お見舞いできたから、一度逃げてくれてるみたいだけどトドメはちゃんと刺しておきたい。


 「ま、待った待った。ファニー、追いかけるのは危ないって」

 「うわっ、ちょ、ちょっと」

 「えっ、あっ」


 目の前に飛び出してきたメグと正面衝突。抱き合うような格好になりながらメグのことを押し倒しちゃって、そのまま地面に激突。


 「いったーい」

 「メグ、大丈夫?」

 「あはは。失敗失敗」

 「わたしも〜」

 「ア、ア〜ちゃん?」


 ポスって。ア〜ちゃんまで私の上に乗っかってきて、別に遊んでるわけじゃないんだけどな。三段重ねになってて起き上がろうとしてるのに、メグが腰をつかむから起き上がれない。


 「メ、メグ?」

 「へへ〜ん。悪い子はこうだ〜」

 「い、いやちょっと。くすぐったいって」

 「こうだこうだ〜」


 やめてって、くすぐったいから。


 「な、なんで〜」

 「ファニーが危ないことしようとするからだよ」

 「だ、だって」

 「だってじゃないの。こんなところでガーゴイルに追いつけるわけないじゃん」

 「ん〜」


 だって倒さなきゃって思ったから。私が倒さなきゃって、そうしないと誰かが怪我するかもしれないから、私の弓ならまだ届くと思ったから。


 「ファニーがどういう子なのかわかっちゃった」

 「なに?」

 「お節介さんね」

 「え〜」


 そんな風に言われたことなかった。私はただ、自分にできることをしようとしただけだったのに。そんな言い方しなくてもいいのに。


 「あはは。悪い意味じゃないよ。あんまり背負い込まないでって意味」

 「う〜ん」

 「あと、あのガーゴイルは普通じゃないよ。黒かったし」

 「ん?」


 黒かったって。だってそれはメグが炎で黒焦げにしたからで、どういう意味で言ったんだろう。


 「黒かったのは、メグが焦がしたからじゃ」

 「そうじゃないんだよねぇ。だってあの炎はガーゴイルを溶かすつもりのものだから」

 「うわ」


 それはちょっと、やりすぎなんじゃない?魔物だから良いのかもしれないけど、一応生き物なんだし、それにメグが一番危ないことしてるようにも見える。


 「だって、焼くだけだと良いエサになるだけじゃん。後始末なんてヤダし」

 「え〜?」

 「もう、それはいいじゃん。それよりアイツには気をつけた方がいいよ」


 それはわかったけど、私達はいつまで寝転がってるんだろう。なんか頭を何度もトントンされ始めてる。


 「わ〜いわ〜い」

 「ちょ、ちょっとア〜ちゃん。頭の上でピョンピョンしないで。メグもそろそろ離してよ〜」

 「どうしよっかな〜」


 なんでこうなるの。思ったよりすごい長い時間イジられるし、まぁ絶対に嫌ってわけでもないから良いんだけどさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ