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第20話-ガーダンとの向き合い方-

 「まぁ、なんとなくわかってくれてるとは思うんだけど」


 寝転がったまま話し始めるルイス。村長さんは気を遣ってくれて、まだ早いのに夕食の準備をしてくれていた。ティーブは別に聞いてもらってもいいんだけど居心地が悪くなりそうだから部屋で待ってもらっている。


 「ちゃんと説明しなかったのが良くなかったね」

 「ううん。大丈夫。きっと、あの時に話してもらっても、ちゃんと聞かなかったから」


 ガーダンが人間とは違う種族だって、前の私は理解できなかったと思う。友達になりたかったし、今でもその気持ちは変わらない。前は友達だって信じようとしていて、でも今は友達なれないんだってわかっちゃっている。


 「うん。それで、なんでも言うことを聞くってさ、文字通りの意味なんだよね。ガーダンは、例えその命令が主人の命を脅かすものだったとしても実行してしまう」


 崖の上で私はつい、手を離してと言ってしまった。あの時は咄嗟だったし、それに正しいことだと思っていた。思っていたのかな?本当に手を離して欲しかったのか。よくわからなくなっちゃったな。


 「私、ティーブが無茶して怪我しないようにって」

 「うん、まぁそれも気をつけないとね。でもファニーは優しいから。出来るかどうか聞いてからお願いしてたでしょ?それに関しては良いやり方なんだ。ガーダンは嘘を付けないからね。無理なら正直に言ってくれる」


 優しいって、別にそんなことないような。だって出来るかどうかなんてちゃんと聞いた方がいい。たまに無理だって言ってくれたけど、嫌だとかそういうことじゃなくて本当に無理だと思っていただけだったんだ。


 「これからどうすれば良いのかな」

 「まぁ、今まで通りで問題ないと思うけど、1つだけやった方がいいことがある」

 「なになに?」


 ルイスは仰向けに寝ていて、よく考えると男の人と部屋で2人っきりってどうなんだろう。で、でも大事な話だし、しょうがないよね。って何考えているんだろう。


 「どうかした?」

 「えっ、ううん。なんでもない」

 「ん?ならいいけど。それでやって欲しいことっていうのは、決まりごとを作って欲しい」

 「決まりごと?」


 と、突然話しかけないでよね。でも決まりごとって、どういうことだろう。例えば私の言うことを聞いて、ってことなのかな。そんなこと決めても意味ないと思うし、じゃぁどうすればいいんだろう。


 「そんなに難しいことじゃない。ガーダンは従順なだけで何も考えられないわけじゃない。どうすれば主人の指示通りに出来るのか、ちゃんと判断できる。前の主人もそうしていたんじゃないかな?」

 「う、う~ん。私の傍からは絶対に離れないように、ってお願いしておけば良いってこと?そうすれば離れなきゃ出来ないお願いは聞いてくれないとか?」

 「そうそう、そういうこと」


 だから王城がゴブリンに襲われているときも、私から離れてくれなかったのね。きっとそういう風に言われていたんだ。下賜するとか言っておいて、全てゆだねるつもりは無かったってことじゃん。


 「でも、じゃぁ何てお願いすればいいのかな」

 「ん~まぁ、嫌かもしれないけどファニーの身の安全は絶対に確保するようにとかじゃないかな。要するに私のことは絶対守ってねって」

 「なんか馬鹿にされてる気がする」

 「いやいや、そんなことないよ?」


 なんか嫌だな。自分の身くらい自分で守りたいし、それにその言い方だと私以外はどうなってもいいってことじゃん。


 「私だけじゃダメじゃない?ルイスも含めないと」

 「いや、俺はいい」

 「なんで?」

 「あんまり要求が多いと混乱して動けなくなるから。なるべくシンプルにした方がいい。それに俺のことを守らなくなるわけじゃない。俺とファニーのどちらかしか助けられないって時にファニーを選ぶだけだ」


 話はわかったけど、なんだか気に食わないな。それなら間違いは起こらないかもしれないけど、私ばっかり助けられてるみたい。でも他に良い方法も思いつかないし、それに後から変えてもいいよね。


 「わかった。ティーブにお願いしとく。後で変えられるんだよね?」

 「おっ、そうか?まぁ変えるのはいつでも出来るよ。その柔軟性が便利なところだからね」


 便利って、また道具みたいに言うんだ。ガーダンって、本当にそれで良いのかな。ルイスだって悪気ないと思うけど、そんな言い方しなくったっていいのに。


 「イテテテ。な、なんで」

 「なんでじゃないでしょ?ティーブのこと、道具みたいに言わないの」

 「ああ、そうか。ついね。悪かったって」

 「わかればよろしい」


 まったくもう。いつか絶対、ガーダンの呪いを解いてあげないと。でもそれまでは、ゴメンね。今はティーブの助けが、どうしても必要なの。全部終わったら、ちゃんと友達になりたいな。


 「じゃぁ、しっかり休まないとダメだよ」

 「ん〜、でもなぁ」

 「でもじゃない。しばらくはティーブに見ておいてもらうから。行ってくるね」

 「お、おいおい」


 よ〜し。やり方はわかったし、これでもう勝手に外を出歩いたりできなくなって一安心。ルイスは大丈夫って思い込んでるみたいだけど、もう少しちゃんと休ませなきゃダメだよね。ティーブはどこにいるのかな。

挿絵(By みてみん)

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