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1-登山家たち

宇宙に届きそうな山を少女が登る話です。

ルーミネア公国の最西端の街、ドラシアは大陸で最も栄えた街である。何故なら世界最大の霊峰ジュビア山を最も安全に登るためのルートの出発点となっているからだ。ここより北に位置するガルム帝国側から登る北ルートも存在してはいるが帝国の山脈警備軍は異邦の者が霊峰に足を踏み入れることを決して許さずその場で処理されてしまうらしい。


ジュビア山登頂を志す少女ロミアも多くの登山者達と同じくドラシアの街より彼女の冒険を始めようとしていたのであった。


「山で食べるご飯をいただきたいの!」

「ここにいる人!みんな山を登るのかな!」

ロミアは彼女の特有のまるで空の蒼を吸い込んでしまったかのような瞳を輝かせながら露天商の親父に尋ねた。


「ここにいるのはこれから山の祝福を受けに行く奴らと俺たちみたいに山の祝福で日銭を稼いでいる連中、そして山界を住処としてしているプロ共さ」

露天商の親父は手慣れた手つきで干し肉、パン、を適当な量で束ねてロミアに差し出した。

「ほらよ、これだけあれば2日は持つぜ、一合目まで登るには十分だ」


「ううん、おじさん私ね、登頂するつもりだよ!」

あまりにもロミアが曇りなき瞳で自身たっぷりに答えたものなので露天商の親父は冗談を言っているわけではないと理解せざるを得なかったので困惑した。


「それは、世界を知らなさすぎるってもんだぜ嬢ちゃん。本来なら子供があの山を登るってのを大人は止めないといけないものだ。一合目までだとしてもな。俺たち商人からすると嬢ちゃんでも客だ、だから止めはしないが登頂を目指すってんなら止めざるを得ないな。大人としてな」

露天商の親父はさっきまで商人の表情だったのに、今は責任ある大人の表情に変わっていた。


「ありがとう!でもね!登れるところまで登ってみたいって思うの!

「それに山界を住処とするプロにここで出会えたんですもの!おじさん!私と三合目までの契約してもらえないかしら?」


さっきまで商人の表情だった親父は

今は山界に住まう歩荷の表情に変わった。


殆どの登山家は1〜2合目まで登って下山します

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