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役立たずと言われて冒険者を辞めようとしていた僕を拾ったのは、街で最強のパーティーでした。 71
およそ二キロメートル離れた丘の頂上に、ギルドマスターことサムルクは立っていた。サムルクの背後には、三五九五人の老若男女。隻腕の魔導士、ショルテ。純白のローブを纏う、幻想的にエーテル変色した少女。娼婦、食事処の主人、母に抱えられた幼い少年、多種多様でおおよそ共通点など見当たらない。
唯一の共通点は、エーテルを扱えること。
巨大なゴーレムが空へ飛び上がるのを見て、サムルクは大声で指示を出した。
「二キロメートル先のゴーレムへ、総員、魔導壁を展開せよ」
手を振りかざす。
可視化するほどの濃度で、エーテルの風が吹き抜けた。
最強の魔獣、本気の一撃からゴーレムを守るように、群青の魔導壁が展開した。




