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役立たずと言われて冒険者を辞めようとしていた僕を拾ったのは、街で最強のパーティーでした。 06

 ハルジオンギルドは広場の東側一角を占めるほどに大きく、西側の凱旋通りを見据えるように聳えていた。入口はアーチ型の大扉。大扉の奥からアイギスメンバー三人の人影が現れると、広場に詰めかけていた人々から煩いほどの歓声がわいた。フリッサ様、シャルクス様、ルーデシア様――三人の名前を声高に叫びながら大きく手を振り、まるで英雄出征のような賑わいを見せていた。

 フリッサを中心に、右側にシャルクス、左側にルーデシアと三人は肩を並べて歩く。歓声に見送られながら公園から凱旋通りに差し掛かると、圧巻の光景が広がっていた。

 店先に吊るされたタペストリーは、白地に銀の楯――アイギスの紋章を描いたタペストリーに統一されて、さらに店先に店員総出での見送りの列が出来ていた。左右にわかれた人垣も、店先に吊るされたタペストリーも、視界の向こうまで途絶えることはない。

「いつ見ても圧倒されますね」

 アイギスの征戦は街を挙げておこなうもので、毎回のことながら大仰な見送りにフリッサは気圧された。これほど多くの人が時間を割いて見送りに来てくれたのだと、そう思うたびに胸に熱いものが込み上げた。

 しばらく足を止めていたフリッサは、大きく息を吐いてから凱旋通りを歩き始めた。

 右側から一〇人ばかり、妖艶な女性が口々に「シャルクス様、頑張れー」「無事に戻られたら、相手してくださいねー」「精一杯、疲れを癒しますからー」と競うように声を張り上げて、シャルクスは好青年の爽やかな笑顔で手を振り、見送りに応えていた。

 娼婦に負けじと反対側から「ルーデシア嬢、極上の果実酒を用意してるからな」「討伐祝いは、うちの店で頼むぞ」「酢になる前に、倒してこいよ」「死ぬんじゃねえぞ」と野太い声が轟く。

 ルーデシアはフードをかぶり、手を上げて応えていた。野太い声は二日酔いにがんがん響く。許されるなら今すぐにでも小道に駆け込んで嘔吐したい。とはいえ主役が醜態をさらせるわけもなく、目に涙をためて、フードの奥で憤怒の形相をしていた。

 フリッサは一定の速度で歩きながら、脇目も振らずに街の外を目指す。

 親しみやすさはシャルクスとルーデシアに及ばないものの、人気ではフリッサも負けていない。銀髪紅眼という生来の美しさにくわえて凛とした雰囲気に、多くの人は目を奪われた。

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