役立たずと言われて冒険者を辞めようとしていた僕を拾ったのは、街で最強のパーティーでした。 49
ウルエがパーティーを抜けて、一年がすぎた。
ギルド推奨作戦の大半はひとりの少年により作り替えられて、ウルエ・ナの名前はハルジオンに留まらず、国中に広まり、魔獣との戦いも知識や作戦を重視したものへ徐々に変化していた。
知識という新たな武器のおかげもあり、未帰還者率も大きく減少した。
これまでのギルド推奨作戦よりも五割少なくなり、残りの五割は身の丈に合わない討伐依頼を受けた結果、偶発的な事故によるもの、作戦を軽視した結果など。
これだけでも多大な貢献だけれど、特質すべきなのはアイギスの未帰還者率だ。
国全体でアイギスは二七組のパーティー、二七の街に配備されていた。これまでは一年に八組程度のアイギスが未帰還者入り、あるいは手足を失い戦えなくなり、次代のアイギスへ代替わりしていた。ウルエの作戦は八組の代替わりをゼロにした。
ハルジオンギルドを通して、アイギスに作戦を考えてほしい、とウルエに依頼が届くのもアイギスの延命に大きく貢献しているのだろう。
ギルド推奨作戦を作り替えるのは、アイギスに相応しい実績をえるために始めたこと。ウルエの作戦は本人も予想していないほど大きな反響と、アイギスすら霞むほどの実績を残した。
歴史を変えたウルエの一日は、パメラに起こされるところから始まり、こちらは一年がすぎても変わらない。ひとりで起きるのは、歴史を変えるよりも遥かに大変なのだから。




