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役立たずと言われて冒険者を辞めようとしていた僕を拾ったのは、街で最強のパーティーでした。 44

 日射しを遮断していた窓掛けの布は、風も吹いていないのに捲れていく。

 薄闇に包まれていた部屋は一気に明るくなり、ブランケットに包まり幸せそうな寝息を立てていたウルエは、顔を顰めて呻くような声を上げた。大きく欠伸しながら寝転んだま両手を上げて伸びをしていく。

「あんた、寝すぎよ」

 ウルエの脇腹あたりのベッドが沈み込んで、女性の呆れ声がした。

 薄目をあけて声のしたほうを見れば、いつものローブに身を包んだパメラが腰掛けて、呆れたような半目でこちらを見ていた。ウルエは上半身を起こして、眠そうな目でパメラを眺めながら会釈した。

「ふわあ。……おはよう、ございます」

「はいはい。脱がされたくなければ、はやく着替えて。一時間もないんだから」

 欠伸と一緒に挨拶したウルエに、パメラは早口で言う。

「……一時間もない? なんのことです」

 部屋で寝ているところを起こされて、一時間もないと急かされても、よくわからない。お互いに不干渉で、顔を合わせたのも越してきた日だけで、食事さえ一緒に摂らない。

「アイギスの見送り」

「見送り……?」

 首を傾げたウルエに、パメラは大きく溜息を吐いて説明した。

「あんた、アイギスにスコルとハティの討伐命令が出されたの、知らないとか抜かさないわよね。今日はアイギスの見送りがあるの」

 早口のパメラに、ウルエはのんびり欠伸しながら返す。

「明日ですよね、それ」

「馬鹿、今日よ」

 不思議そうな顔をしたウルエに、パメラは呆れながら「外を見てみなさいよ」と言う。

 ベッド横の窓掛けの捲られた大窓から、横目で外を眺めた。ハルジオン広場へ向けて多くの人が歩いて、反対向きに歩く人はいない。どうやらパメラの言うことは正しいらしい。でも明日のはずなのに、と顎に手を添えて考えながら「もしかして、丸一日、寝てたのかも」と呟く。

 ウルエのひとり言に、パメラは盛大な溜息を吐いた。

「呆れた、本当に寝すぎなんだから。はやく支度しなさいよ」

 ベッドから立ち上がり部屋から出ていこうとしたパメラの背中に「ありがとう、起こしてくれて」とウルエは言う。

「あんたの世話を任されたからよ」

 パメラは足を止めて、けれども振り返らずに吐き捨てるように言う。不機嫌に、ばたん、と閉められた扉。ウルエは乱暴に閉じられた扉をしばらく眺めて「あんなの、社交辞令なのに」と呟いて、寝間着を脱いで純白のローブへ着替えていく。

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