役立たずと言われて冒険者を辞めようとしていた僕を拾ったのは、街で最強のパーティーでした。 27
フリッサの予定では露店市の一時間前に集合して、はじめに馴染みの食事処で朝食を摂り、露店市をまわりならが例の魔導士について探りを入れようと考えていたけれど、一歩目から躓いた。
というのも、ふたりきりで出掛けるのだから、普段はしないような可愛らしい恰好をして魔導士よりもリードしたいという気持ちがあったからだ。魔導士と恋人なら邪魔するつもりはないけれど、違うようならウルエと一番仲良しの女性でいたい。
純白のドレスに身を包んだフリッサは、舘の扉に手をかけた瞬間に硬直した。ウルエに見られるのはいいとして、むしろ見られるために着たのだから望むところだが、他の人に見られることまで考えていなかった。
ただでさえアイギスは衆目を集めるのに、純白のドレスなんて着ていればなおさらだ。ウルエと並んで街を歩けば、恋人と誤解されて、街の噂にもなるだろう。ウルエに魔導士の恋人がいるなら、二股と勘違いされたり、身を引くかもしれない。
着替えなければウルエに迷惑をかけてしまう。
今から着替えれば約束の時間を大幅に越えてしまう。
しばらく葛藤したフリッサは、泣く泣く純白のドレスを諦めて、普段は着ないものだから脱ぐのにも手間取り、ありふれたローブを着てフードをかぶり魔導士風の変装をしてから、もう居ないだろうと思いながら待ち合わせの広場へ向かった。
ウルエは遅刻してきたことを怒るどころか、先に露店市を楽しんでいたことを謝り、ハルジオンのマジェステをプレゼントしてくれた。
計画は台無しでも、手を繋いで露店市をまわりながら串焼きを頬張るのも悪くない。悪くないけれど、フリッサはどうしても確かめなければいけないことがあった。手を繋いでいた魔導士とどういう関係なのかだ。




