結婚
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「しかし、王子の話は驚いた。こうなったら一刻も早く結婚したほうがいいな。」
「それなのだが、うちは俺もオマリーも平民だ。差し支えはあるか?」
「いや、むしろもううちの爵位を返上したいのだが、しかし領主が変わると税が課せられるかもしれんのと、あの形だけの妻の娘に継がせるととんでもないことになるのは目に見えているので、考えているのだ。まあ、今はまだ儂が領地を経営すればいいからな。」
「それなのだが、もし本人たちが嫌でなければ、オマリーが養子になって、後を継ぐといいうことも可能だぞ。」
「お前はそれで良いのか?」
「儂は天涯孤独と思っていた所、オマリーと出会っていままで楽しませてもらったしな、これからは友人になってもよいだろうよ。」
「お言葉ですが、俺はそんな薄情者ではありません。今まで育ててもらった恩がえしをしたいと思っています。」
「そうかそうか。ありがとう。それなら、儂ができなかったことをしてくれ。儂は嫁ももらわず、子もなさなかった。お前が儂のぶんまで家族を幸せにして、それを見せてくれ。」
シェリルがオマリーと何かひそひそと話している。
「おじさま、お父様、今オマリー様と話したのですが、おじさまとお父様はまだまだお若いので、お父様にはしばらく領主として頑張っていただいて、おじさまもまだまだ団長でいていただいて、オマリー様はブレイディ伯爵家を継いでも良いと言ってくださっているので、そのお言葉に甘えて、将来おふたりがおじいさんになられたら、私達と私達のこどもと、みんなで一緒に暮らしていただけませんか?」
「おお、それは良いな。ありがとう。」
「私、子供いっぱい産みますから、きっと楽しいですよ。」
「そうと決まればすぐに結婚の届けを出しに行こうではないか。」
「そうだな、先手必勝だ。結婚してしまえば、王家といえども横から攫うことはできない。もしそんなことを言ってきたら、どこか他国に行けば良い。ライアンの力があればどこの国に行っても魔導師として相当の地位につけるし、シェリーも聖女だしな。」
「考えたらこのふたりの子供はどんなすごい子供だろうな。」
「ではこれから神殿に行こう。」
4人が部屋から出ると、魔導師が「団長、おでかけですか?あと30分ほどで来客ですが。」と言ってきた。
「構わん、待たせておけ。これからオマリーの結婚の報告に行くのだ。」
「ええええーっ!副団長、おめでとうございますっ!」
「おいっ、副団長が今から結婚されるそうだぞ。」
魔導師たちがぞろぞろとついてきた。
結局かなりの人数で神殿に行き、人々の前で結婚の報告書に署名して、結婚の宣誓をした。
おめでとうございますという声と、バンザイ、という声が普段静謐な神殿を満たした。
「ふふふ、ライアン様、なんだか思いがけず、素敵な結婚式になりましたわね。」
「本当だな。俺達は幸せだな。シェリー、絶対幸せにするからな。」
「私、もうすでに、すごく幸せです。ライアン様と出会えて良かったわー。」
「俺もだ。出会ってくれてありがとう。」
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