祝福の練習場所
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練習場にいる魔導師たちがオマリーを見ている。
「あの、オマリー様、見られてますけど。」
「え?」オマリーが周囲を見ると、一斉に目を逸らされた。
「オマリー様、何なさったんですか?一斉に目を逸らされてますよ。』クスクスとシェリルが笑っている。
「し、知らん。では、戻るぞ。」
「はい。」
転移は成功した。
シェリルはものすごく幸せだ。
「これは距離が遠くなるとなにか違うやり方になるんですか?」
「いや、全く同じだ。必要な魔力量が変わるだけだ。君は魔力量がとてつもないから大丈夫だ。」
「あのう、失敗したらどうなります?」
「失敗は、ただ、行けないだけだ。」
「どこか途中で落ちるとか、どこかに消えてなくなったりとかしません?」
「心配ない。」
「心配ないってオマリー様は慣れてらっしゃるから。」
「さて、次は祝福だな。」
「はい。」
「これはどうやって練習すればよいかな。目立たぬようにせねばならんしなあ。」
「そうですね、領地でやるというのはいかがでしょう?」
「領地でか。遠いのか?」
「辺境領ほどではありませんけど、その手前といったところです。でも、まず私が領地にポイントを作って、そこに転移で行っていただければ、問題ないかと思いますけど。」
「そうだな。」
「では、あしたは洗濯屋になる日ですので、それが済んだら領地に行ってまいります。行きは面倒ですけど、帰りは転移で戻りますので、意外と速くできますね。嬉しいわあ。」
「それでな、少し話があるのだが、良いか?」
「はい。」
「よかったらここで昼食を取りながら、どうだろうか?」
「あら、いいですね。では私、何か買ってきます。」
シェリルが買いに出ようとすると、オマリーが止めた。
「いや、ここの食堂のものですまないが、注文して届けてもらえれば良いだろう。きょうのメニューはチキンサンドイッチかローストビーフだそうだ。」
「では、チキンサンドイッチを。」
「わかった、では、昼食はそれとして、届くまで話して良いか?」
「はい。」
「それにしても君はフットワークが軽いなあ。」
「えへへ、軽いのはフットワークですので。尻軽ではありません。」
「わははは、またそういう面白いことを。」
「祝福のことなのだが、君もお父上も聖女であることは隠したいということで間違いないな?」
「はい。そのことはゆうべ父と話したのですが、父は王家の嫁にと言われるか、高位貴族の嫁にと言われるか、または神殿に聖女として勤めさせられるか、ではないかと言っておりました。私は王家の嫁とか高位貴族の嫁とかはもう、全く、金輪際、お断りしたい、というか、そんなことになったら一生不幸な人生だと思うので、なんとしてでも避けたいです。神殿も籠の鳥になるようなものですので、不幸なんてものじゃありませんよね。どれもなんとか逃げたいと思っています。」
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