転移魔法成功
お立ち寄りいただきありがとうございます。
「はははは、いや、すまない、こんなに笑ってしまって。」
「いいえ、いいんです。私は底の浅い人間ですので、すぐに化けの皮が剥がれて本当の私がひょっこり出てきますので、それでああ、こんな奴かって納得していただけると嬉しいです。あ、もう出てます?」
「はははは。・・・ところで、転移魔法だが、きのう話したように土地を祝福すれば収穫が上がって領地の経済が良い方向に向かっていくのではないか?それでもまた転移して売りたいか?」
「それなんです。私、きのう帰ってからずっと考えていたんですけど、土地を祝福すれば転移魔法ができなくても領地に住んでしまってそこで薬草を作ってポーションを作り、定期的に輸送してくればいいのかなと思ったんです。転移魔法ってどのくらいのものが転移できますか?まさかたくさんの箱を転移できませんよね?だったら荷車で移動するほうが良さそうですよね?」
「転移魔法は基本的に人間だけだな。まあ、鞄くらいは持って転移できるが、箱をたくさんというのはむずかしいと思う。試したことはないけれとも。あ、待ってくれ。ちょっとまた鑑定してもよいか?」
「はい、お願いします。」
「・・・・・・おおっ、シェリル、君は保管という能力がある。これなら転移魔法でいけるな。」
「保管?どういうことですか?」
「保管は魔法ではないのだが、言ってみれば特殊能力で、空間にものを保管できるんだ。つまり、領地でポーションを作ってそれを保管し、君が王都に来て、王都で保管から取り出せば、荷車等を使わずに瞬時に輸送できる。」
「きゃあ、すばらしいですね。なにこのおいしい能力。保管のやり方はどうすればよいか教えていただけますか?」
「わからん。」
あっはははははははは。
「オマリー様って良い人ですね。知ったかぶりしないで正直にわからんって。んもうー、惚れてまうやろ、なんちゃって。」
「そ、そうか、これは褒められたのか?」
「褒めてます、褒めてます。」
「そうか、ありがとう。」
「じゃあやっぱり転移魔法ですね。」
「そうだな。では、まず転移する場所を特定する。出発地と到着地の二箇所だ。」
「はい」
「出発地はここにしよう。ここの床を指さして、君の魔力を床の一部に照射する。その時、転移することをイメージして、転移ポイント、と心のなかで言う。」
「はい。」
「次に到着地だ。どこにしようか。一度行かなければできないので、とりあえずこの部屋の外の廊下にしよう。」
「はい。」
廊下に出て転移ポイントを唱える。
部屋に戻り、
「では、ここからだ。廊下のイメージをして、そこに行くのだ、と、転移と唱えながら魔力を行き先に向けて放出する。」
「はい。」
「あっ!」
「できたな。」
「わーいわーい、できました!すごいわ、私、転移できちゃった。きゃー嬉しいです、オマリー様!」
シェリルはそう言ってオマリーにすがってぴょんぴょん跳ねた。
「はははは、おめでとう。ではもうすこし遠くに転移してみよう。もう俺の部屋は転移ポイントを設定したので、どこか、そうだな、練習場の隅にでも転移してみようか。」
「はい。」
練習場の隅に転移ポイントを設定した。
「オマリー様、2人以上で転移する時はどうすればいいでしょう?例えば、父と一緒に転移する時とか。」
「ああ、それは、父上にシェリルの腕を掴んでもらえばよい。腕でなくても、体のどこかを触って貰えばよいので、2人でも3人でも転移できる。だが、10人とかの大人数はむずかしい。そうなると転移陣を書いた大掛かりなものとなる。」
「そうですか。今の所、父くらいしか思いつかないので、2人で大丈夫です。・・・って、あら?父しか思いつかないって、ものすごく情けないですよね。泣いていいですか?」
「あっはははは、またそういう面白いことを言う。」
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