祝福と転移
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「シェリル様は祝福がおできになりますね。それを畑に施すと、とても良い土になって収穫が速く、質も良くなりますよ。」
「そうですか!すごいわ、それは。ありがとうございます。祝福の方法も教えていただけませんか?」
「もっというと、干魃ということですが、祝福によって気候が良くなり土地がすごく良いものになって収穫量がぐんと上がるので助かるのではないでしょうか。」
「ほんとですか!素晴らしいわ!祝福をしなければなりませんね。」
「ただ・・・」
「ただ?」
「祝福をすると聖女であることがばれてしまうかも。」
「・・・・・・」
「慎重に考えなければなりませんね。」
「・・・・・・慎重に考えるのは・・・祝福をするかどうかではなく、祝福した後どうやって隠れるか、ということで、祝福は絶対します。」
「いや、危ないですから、祝福をしないという選択肢も。」
「それはありません。だって、今領民が困っているんです。祝福でその人たちが助かるなら、私が祝福しないという選択肢はありません。」
「そんな、自分に厳しくしなくても。」
「私は領主の娘ですもの、領民のためになることなら迷わずするのが私の役目です。」
「貴女はすごいですね。」
「ちっとも。今言ったこと、わかってるんですけど、やっぱり怖いです。えへへ」
「王族の嫁になれと言われるのがいちばん楽かもしれませんね。」
「それ、いちばん楽かもしれませんけど、いちばん嫌です。あははは」
「嫌ですか?王族の嫁になれば、お金にはこまらないし、毎日きれいなドレスを着てパーティー三昧ですよ?」
「でしょう?それが嫌なんです。
「なんだかすっかり話し込んでしまいましたね。」
「ほんと、ま、楽しかったからいっか・・・って、ご迷惑ですよね、すみません。」
「迷惑なんてとんでもない。では、きょうは最初ですから私の転移魔法を見てください。そして一緒に転移してみましょう。」
「はい。ちょっと怖いな。」
「私の隣に立って、私の腕を取ってください。」
「はい。」
「いいですか、それではいまから転移で庭に出ますよ。」
「はい。」
「・・・震えてますね。大丈夫。目を開けてて。」
「はい。」
はいと言ったシェリルだったが、オマリーはシェリルが固く目をつぶっているのを見た。
オマリーは庭に転移した。
「さあ。目を開けて。」
「うわあ、ほんとに外に出てる。」
「では戻りますよ。」
「はい。」
「戻りましたね。体調はどうですか?」
「うわあ、転移魔法ってすごいですね。体調はなんともありません。」
「ではこれができるようになりましょう。」
「はい!」
「まずは団長に報告し、できれば明日、練習しようと思いますが、都合は良いですか?」
「はい。よろしくおねがいします。」
「では、私の腕をとって。」
2人はマーフィー師団長の部屋の前に転移した。
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