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10:00

一昨日からまともに寝てないせいか、仕事終わりよりも脳が働いていない気がする俺は日課のトレーニングもせずにベッドでただ時間を過ごしていると莉李が部屋に入ってきた。


莉李「調子悪い?」


と、俺がこっちに帰ってきてからすぐに病院に行ったことをずっと心配していた莉李は、カーテンを締め切っているの部屋でサングラスを外し、ゼリーを手渡してくれた。


来虎「ありがとう。ただ体がだるいだけで病気とかじゃないから。」


莉李「そう…?それだったらいいけど…。」


自分のこともあってか、他人の調子に人一倍敏感な莉李は俺のベッド脇に座り一緒にゼリーを食べ始めた。


莉李「夏が昨日、ちょっとしつこ過ぎたかもって反省してた。」


来虎「…しつこくないよ。俺の調子がちょっと悪くなっただけだから。」


莉李「話してただけで?」


来虎「最近よく動悸が起こったり、胃がキリキリしたりするんだ。それで病院行ったけど病的なものはなくてストレスかもねって。」


莉李「…いつから?」


来虎「んー…、はっきりとは覚えてないけど多分莉李と一緒に夏の文化祭見に行ったときかな。」


俺は秋終わりにあった夏や悠が通っている絵の専門学校で見た、夢衣によく似た女性が海辺で楽しげにはしゃいでいる絵を思い出しまた胸が苦しくなる。


しかも、その絵は夢衣の元彼の一さんが描いたと夢衣がこっそりと教えてくれてさらに今よりも苦しかったことを思い出した。


莉李「夢衣さんと一緒にいる時が多いの?」


来虎「…どうだろ。今は一緒にいないけどちょっと苦しい。」


莉李「一緒にいなくても、苦しくなるときってどういう時?」


どういう時だろう…。


今もそうだけど、昨日七海との電話してた時も体が気持ち悪かったし、夏に責められた時にもなったから夢衣のことだけじゃないとは思うんだけど…。


莉李「来虎兄さんって今誰に会いたい?」


来虎「…え?」


莉李「今、パッと頭に浮かぶ人。」


来虎「…夢衣?」


莉李「じゃあ今から会ってきなよ。私のお小遣い貸してあげる。」


と言って、莉李はどこに忍ばせていたのか財布を取り出して中を漁り始めた。


来虎「いや…。今夢衣の話してたから当たり前だろ?」


莉李「けど、私がお医者さんなら今すぐ夢衣さんに会いに行けって言うけどな。」


来虎「なんで?」


莉李「来虎兄さんはきっと夢衣さんのこと、好きになってるから。だから心臓が痛んだり胃がひっくり返りそうなくらい気持ち悪くなったりするんだと思うよ。」


そう言って莉李はどこで稼いだか分からない3万円を俺の膝に置いた。


莉李「多分、会ったらもっと胸が痛くなると思う。けど、それは好きな人と会える嬉しさで鼓動が高なっちゃうの。感情が心臓に強く刺激を与えるとそうなるからこれからは慣れていかないとね。」


来虎「…行くかは少し考えたい。」


莉李「考えても、きっと行くと思うけどね。」


来虎「けど、考えたい。」


莉李「分かった。行くなら一緒に服選んであげるね。」


来虎「…分かった。」


俺は一度、1人で考えさせてもらう時間をもらい、終電の時間がどんどんと迫る時計を見ながら半日を過ごした。



環流 虹向/ココのさきには

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