転げ回るほどの痛みを抱えて
今までお付き合いした区切りとしてなのかな。
レオンハルト様は、私の汚ない身を抱きしめてくださった。心地良い体温に酔いしれていると、なぜか身体を震わせている彼に気づく。
だから、温めてあげようかなって思ったの。
今までいただいてきた体温を、恩返しとして私もあげたいなって。そう思っただけなのに……。
「い、たい……。痛い」
「異力が体内で暴走してるんだ。体力がないから」
「にしても、この異力の量はありえないぞ」
「あ、あ、……ひっ。痛い、いたいれす……」
「ステラ嬢、ゆっくり深呼吸してください」
「ヒッ、ひっ、あああああ!!」
「ゆっくりです。ゆっくり、ゆっくり」
突然光出したかと思えば、針が刺さったかのように全身が痛み出した。深呼吸なんてできない。今まで感じてきたどんな痛みよりも、比べ物にならないわ。
どこが痛むのか、多分聞かれても答えられないと思う。とにかく、全身が痛かった。
私は、レオンハルト様の手を思い切り握りしめて叫ぶことしかできない。背中をさすってくれているルワール様を蹴り飛ばしそうになるほど暴れて痛みを緩和させたかった。でも、それは理性が許さない。……いえ、無理だった。
「グッ……。ステラ嬢、今楽にしますからね。レーヴェ、彼女を押さえてて」
「わかった。……ステラ嬢、ちょっとだけ失礼します」
「いや、いや……! 痛いの、痛いのぉ! 嫌だ、痛い!」
「暴れさせないで! 骨折してしまう」
私は、力の限り手足をばたつかせて暴れた。それで痛みを緩和できるわけじゃないけど、自然と動いてしまうの。
ルワール様を蹴り飛ばそうが、毛布をベッド下に落とそうが関係ない。それよりも、この痛みをどうにかしたかった。
なのに、レオンハルト様がそれを邪魔してくる。
片手で私の両手首を持ち、もう片方の腕を使って胴体を押さえつけられてしまった。これでは、動けない。足がかろうじて動くけど……ダメ、痛い。動きたい。
これじゃあ、死んだ方がマシだわ!
「ルワール、早く!」
「……ダメだ。これ以上吸収したら、私の異力が溢れる」
「俺に渡せ!」
「でも……」
「早く!」
「……ごめん! ちょっとだけ持ってて」
目の前では、2人の怒鳴り声がする。
でも、何を話しているのかさっぱり分からない。
次の瞬間私は、やっと意識を手放せた。
瞼を閉じても、その光が追ってくるような気がしたけど……。多分、気のせいね。




