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彼女と彼の、微妙な関係?  作者: 千里志朗
9/32

09.白鳳院先輩との話し合い(3)

また遅くなりました。

書くの忘れてた事あって、その話と振り返り~

6/7 23:30

言葉的におかしな箇所とか、一部修正しました。

 ※(全視点)



「あ、ゼン君。聞き忘れてたけど、さりーから、ラルクとの偽装な恋人の件、説明してもらったって聞いてるけど、どういう風に説明されたの?」


 大体の話が終わったかと思ったら、白鳳院先輩は急にそんな話を持ち出して来た。


「あ、はい。え~と、」


『……だから、私はアイツの恋人じゃないの。他校に本物の恋人がいるんだけど、アイツ、ちゃらくて、だらしないとこあるし、顔だけはイケメンだから無駄にモテるでしょ?それを心配した私の友達に、同じ学校に進学した私が、名目上だけでも“恋人”って事にしてって頼まれたの。さすがに恋人が近くにいれば、女の子もそんなに寄って来ないんじゃないかって、虫除けになっていた訳なのよ』


「という風に言ってましたよ」


 僕は黒河先輩と話した時の事を思いだしながら、言われた言葉をそのまま繰り返した。別に声真似はしていない。


「ふむふむ。それで、君はどう思ったかね?」


 何故か先輩は偉そうに、いかにも人に物を教えてやるぞ、的な口調でふんぞり返って尋ねて来た。


「え?いや、別にそのままじゃないんですか?風早かぜはや先輩の信頼度が低いというか、信用されてなくて可哀想、ぐらいには思いましたけど」


 それを聞いて、何故か先輩はニマニマ笑って、チッチッチと舌を鳴らし、人差し指を振って否定のジェスチャーをする。


「そういう意味もなくはないけど、実際これは、さりーを守る意味合いの方が強いの。言ったでしょ。さりーは美人だし、頼りなげだからモテるって。中学時代も、私達に囲まれてたから、告白に来る程勇気のある人はいなかったけど、手紙とかはわんさか来てた。私等に頼んできたのとか、下駄箱に入れて、とかは全部処分してたから、それ以外の人経由で来たのぐらいだけがさりーに届いてたのよね」


「検疫制ですか……。処分って、結構ひどいような……」


 独裁政治下の輸入部署みたいな。


「だって渡されてもさりー、中身ほとんど見ずに断り入れるから意味ないし~。それよりも、心理的な負担になる事の方が大きいから、私達で一括管理してたの~」


 主要な話が終わったからか、先輩はいつものノンビリ口調に戻っている。


「だから~、偽装恋人も実は、『さりー』が、フリーじゃない、と知らしめて他の不埒な虫共が寄って来ないようにする意味合いの方が強い、主な要因の偽装だったのだ~~!」


 ばばーん!とか先輩は自分で効果音を言っている。


「あー、そういう……」


 確かに、憂いに沈み、いつもどこか不安そうで頼りなげな黒河先輩が、仲良し幼馴染五人組の一角が崩れた状態で、いつも同じクラスになれる保証もないのだし、それが決まった相手がいない、ともなれば、当り前に言い寄る男どもでいっぱいになる事は必然だ。


「……って、あれ?そういえば、先輩達、都合よく全員同じクラスですけど、これって……。一年の時も同じクラスって聞きましたけど?」


「うちのお父さまが、学校に多額の寄付を……ほんのちょっとね☆」


 先輩は悪戯っぽく、星がピカリンとでも煌めきそうなウィンクをして、かなりヤバイ話をして下さっている。


「ちょっ、それって賄賂とかそういうんじゃ?いいんですか?」


「ちょ~っと一部分の生徒のクラス構成をいじるくらい、別に問題ないでしょ。入試だのテストだので成績を操作したりする訳じゃないんだから~」


「……そりゃ、まあそうですけど……」


 お金持ち、いや、大金持ちなお嬢様の思考回路は他とは違うのだろうか。


 まるで罪の意識などなく、あっけらかんとニコヤカに笑っている天使の様にうるわしい上級生のお嬢様は、精神的にタフで、面の皮がとんでもなくぶ厚いらしい。


「それだけ私達も、苦労や労力をいとわず、さりーの護衛部隊として全力を尽して来たのデス~。それなりの覚悟や決断を見せてくれないと、さりーとつき合う、なんて事は出来ない、許可出せないんだからね~!」


 白鳳院先輩は念押しの様に、ニコニコ笑いながら言う。ただし目は笑ってないけれど……。


 こうして、昼休みギリギリ一杯を使った美人先輩との話し合いは終わった。


 天使の見てはいけない裏側を見せつけられた様で、僕はやたらと疲れた……。



 ※



 ―――少し整理しよう。


 僕が一年半、片思いをしていた黒河くろかわ 沙理砂さりさ先輩には、僕と同じバスケ部の先輩、風早かぜはやラルク先輩が恋人だと言われていた。


 でもそれは、黒河先輩を守る為の方便で、黒河先輩は、お父さんが巻き込まれた過去のいざこざのせいで心に傷を受け、それがトラウマとなって、先輩を男嫌い、男が苦手な男性嫌悪症、恐怖症みたいにしてしまった。


 だから、先輩のすぐ身近にいた幼馴染四人。


 白鳳院はくほういん 誌愛しあ宇迦野うかの 瀬里亜せりあ滝沢たきざわ りゅう風早かぜはやラルク(敬称略)は、親同士に友達付き合いがあった事からも、黒河先輩を常に守る様に団体行動をして来た(そうだ)。


 でも、それは高校に進学する時に、宇迦野うかの さんが別のお嬢様学校に一人だけ進学する事でバランスが崩れた。


 それに対応する形で、宇迦野うかのさんは黒河先輩に、ラルク先輩の虫除け役としての偽装恋人になる事を依頼するが、実際にこれは恋人のいない、フリーな黒河先輩に言い寄って来るであろう男子学生から彼女を守る為の、まさしく偽装フェイクだった。


 その事は、黒河先輩以外の幼馴染全員は知っているようだ。


 そういった事情を知らない僕、神無月かんなづき ぜんは、片思いしていた相手に実は恋人がいない事を知って、浮かれてそのまますぐに告白してしまった。


 なので、黒河先輩の親友で、護衛長的な役割(じゃないかと思われる)の白鳳院先輩が、僕に黒河先輩の複雑怪奇な過去の事件を説明し、もしも黒河先輩と付き合いたいのなら、それなりの覚悟を行動で示せ、的な条件を提示して来た。


 絶対的に必要なのは、黒河先輩に危害を加えそうになった、僕のファンクラブ?なる女子の集団の排除、もしくは説得?


 ……真面目な話、説得は通じそうにない。


 そもそも、もうすでに、僕のクラスメイトの女子に、僕に声をかけただの、ずっと見ていて色目を使っただのと、訳の分からない難癖をつけて呼び出し、脅しをかけていた位だ。


 気弱な子は2~3日学校を休んでしまったぐらいの被害が出ている。


 事情を知った僕は当然怒り、その集団にそんな事はもう二度とするな!と叱った(年上にやったので、正直気が重かった)。


 また、先生方や、生徒会の方にもこれこれこんな事が、と説明し、そちらからも厳重注意が行った筈だ。(確か、生徒会からは解散命令が出された筈なんだけど……)


 なのにまた繰り返している。確かこれで四度目くらいになるんじゃないかな……。


 これを僕に抑えろ、と言われても、正直どうすれば抑えられるのか、てんで見当もつかない。


 そもそも何で僕にファンクラブ?チビがバスケするのがそんなに珍しいのか?


 何だか、動物園の珍獣エリアで芸をしているみたいで、声援が飛んでくると真面目に嫌になる。まだ罵倒でもされた方がなんぼかマシだ。昔、そういう事があったから。


 解散命令を出した生徒会に聞くと、なんでもあのグループには、明確なトップがいない、いや、いるけど、注意されるたびにトップが変わり、別のグループだと言い張っているらしい。


 よくこういう集団を潰す早道は、頭を潰せばいい、とか聞くけど、その頭がいくらでも生え変わり(交代制)、何度でも再生する(集団名を変える)んじゃ手に負えない。


 いったいどうするばいいんだろうか……。



【キャラ紹介】

女主人公:黒河くろかわ 沙理砂さりさ

自称ごく普通の女子高生。母親がスペイン出身のゴージャス美人で、その血を継いで容姿は黒髪美人だが、性格は平凡な父親似。過去のトラウマから男性全般が苦手。


男主人公:神無月かんなづき ぜん

高校一年生だが、背の高くない沙理砂よりも低く、小さい印象がある。

バスケ部所属。その小ささに似合わぬ活躍から、三年女子を中心としたファンクラブがある。本人は迷惑にしか思っていない。

物語冒頭で沙理砂に告白している。


白鳳院はくほういん 誌愛しあ

沙理砂の幼馴染で一番の親友。北欧出身の(実は)貴族の母を持つ。白鳳院家も日本で有数の名家でお金持ち。使用人やメイド等が当り前にいる。

本人は輝く様な銀髪プラチナブロンドで、容姿も美人。普段おっとりぽよぽよ天然不思議系美少女だが、実はキャラを演じているらしい。

心に傷を持つ沙理砂を大事にしていて過保護状態。

沙理砂に相応しい相手か、全を厳しく審査している。


宇迦野うかの 瀬里亜せりあ

全のバスケ部先輩、風早ラルクの恋人。

可愛く愛くるしく小動物チック。

こちらでも、家の都合で別の全寮制お嬢様学園に進学した為、出番はかなりないと思われ。いとあわれなり。名前を日本名にするのに少し変更。


滝沢たきざわ りゅう

誌愛の恋人。母はモンゴル。


風早かぜはやラルク(ランドルフォ)

瀬里亜の恋人。ラルクは愛称で、ランドルフォが本名。

母はイタリア。


苗字を、向こうのキャラの特性に合わせて考えたので、余り普通な苗字が少ないかもです。

後書きキャラ表は、某氏の作品に影響を受けて(^ー^)ノ


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