8/110
花記① 水色の蝶
私は自分の部屋で、箱を取り出した。
鍵付きの、大きな箱。
私は、その箱を開けた。
箱の中に入っているのは、これでもかというほど眩しい、水色の蝶。
綺麗だな、と思う。
でもそれと同時に、この辺りには明らかにいない、異質な蝶だった。
そんな蝶をしばらく眺めて、そして箱を閉じて、しまった。
はあ……。
私が写真部の部長の光樹と付き合ってるのはもちろん部長が好きだからだけど。
でも、秀映が写真部に全く関わってくれなくなったのは、本当に悲しい。
どうすれば……いいのだろう。
秀映のこともそうだけど、もう一つ。
水色の、蝶のことに関しても。
お読みいただきありがとうございます。
一章はこれでおしまいです。
本作は現実恋愛のジャンルなので、水色の蝶の謎めいた要素よりは、主人公と後輩のラブコメを描きたいと思っております。二章も読んでいただけたら嬉しいです。