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マカネ  作者: いずみ
3/22

炎の剣3

ぱちっと目が覚める。体の下には柔らかい感触。ソファーの上で横になっているようだ。体の上には毛布がかけられている。あれ、俺、寝てたっけ?

ぼんやりしていた頭が徐々にはっきりしてきた。

見慣れた部屋の景色。机に向かって、椅子に座っている、マリと2人の女の子。なにやら楽しそうに話している。

ゆっくり体を起こした俺に、マリが気づいて近づいてくる。


「あ、ケイ。大丈夫だった?」


あ、そうだ。だんだん思い出してきた。風呂に入ろうとして、そしたらなぜか先客がいて。女の子が2人で。裸で。殴られて。


「っていうかお前ら、どこのどいつだ!!」


俺は大声をあげる。女の子達がビクッとしたのを見て、ちょっと申し訳ない気持ちにもなったが、よくよく考えたら、被害者はこっちである。


不法侵入に暴行、いくら向こうが女の子でこっちが男でも、立派に犯罪である。


「こら」


とマリに軽く注意された。


「人の話も聞かないで怒鳴るのはやめてよね」


え、なんで俺が怒られてるの?殴られてるんですけど。困惑していると女の子たちが椅子から立ち上がって、こっちに近づいてくる。

今は服をちゃんと着ている(当たり前だが)。1人は髪が長くて、なんか上品な感じの可愛い女の子。

もう1人も美人なことは美人だけど、髪型もショートカットというのもあって、少し鋭いオーラを纏わせている。


「ごめんなさい!勝手にお風呂を借りた上に怪我までさせてしまって」


ガバッ。勢いよく頭を下げる。ちなみにこいつは俺を殴ってない方。なぜこいつが謝る。


「おい、なんで殴ってないやつが謝るんだ」


俺がチクッと嫌味を込めていうと、


「ふん、あれぐらいで気絶するようなやつが悪いんだろ」


とトゲトゲした言い方をするのは殴った方。なんだこいつ。


「わたしはともかく、アイさま…アイの裸までしっかり見たくせに」


しっかりは見てない。というか見る余裕がなかった。


「こら、リン!このことは完全にわたしたちが悪いのよ?あなたも謝って。ね?」


おとなしそうな割にはアイと呼ばれた少女の方が立場?が上のようだ。


「…申し訳ありませんでした」


リンと呼ばれた方の女の子は、しぶしぶと言った感じで頭を下げる。


「…まあもういいけどさ」


結局こいつらなんだったんだよ、と思わなくもなかったけど腹も減ったしとりあえず何か食べたい。


「仲直りしたところで、2人の話聞きながらご飯食べよ。アイとリンも、一緒にね!」


いいところでマリが提案をしてくれる。こいつのこういうところが助かるんだよなあ。


俺がソファーから机にむかおうと、立ち上がる。


「きゃあああああ!!」


とアイの叫び声。顔を手で塞いでる。まるで見たくないものを見えなくするように。

なんで?と思った瞬間。あ、俺、風呂入る時に服脱いだまま着てないじゃん!さっきまで毛布で隠れててすっかり忘れてた!

ゲッと思って、リンの方を見ると、顔をそらしていた。

マリははあ、とため息をついている。


「すまんちょっと服を着てくる」


そそくさと風呂場に着替えを取りに行く。

さすがにリンに殴られることはなくてほっとした。

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