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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
天水日常編
51/63

西涼からの客

今日も異常なし・・・・」


人ごみの中、街中をパトロールする樊稠こと雪風。すると・・・


「うえぇ~ん」


「?」


どこからか子供の泣き声が聞こえる。雪風がそこに向かうと小さな男の子が泣いていた。


「・・・・どうしたんですか?」


「ぐすっ・・・・お母さんとはぐれちゃった・・・」


迷子か・・・・


「じゃあ、一緒にお母さんを探してあげる。だから泣かないでね」


「うん・・・・ありがとう。お姉ちゃん」


雪風は迷子の少年を連れて町中探し回る。途中で部下の隊士に会い、迷子の少年の母親を探している。っといって、その隊士達にも母親探しを手伝わせる。

そして数分後、迷子の母親が見つかった。


「本当にありがとうございます。何とお礼を言っていいやら」


「別にお礼なんて・・・・これも仕事ですから」


「お姉ちゃん。ありがとう!」


「今度は迷子にならないでね。」


雪風がそう言い、親子は雪風に頭を下げ、その場を去る雪風は軽く手を振り微笑みながらその2人を見送った。すると・・・・


「天水の狼と呼ばれる警邏隊隊士もそんな顔をするんだな」


「っ!?」


後ろから声が聞こえ振り向くとフードを被った女性がいた。そしてその女性は路地裏へと手招きし、雪風はその女についていく。



「お前・・・・何者だ?」


「そう身構えないでよ。私は張譲様から手紙を預かっているのよ」


「‥‥‥張譲・・・様から?」


その人物の名に雪風の目は細くなり怪しく光る。


「ええ、これあんたに渡せってさ。」


「‥‥内容は?」


「知るわけないでしょ?私はただの小物よ?」


「よく言うわ。私が洛陽で張譲様と会った時、張譲様の後ろにある屏風の後ろに隠れ、私が変な動きを見せようとしたら斬りかかる態勢を取っていた者が、小物とは言えないわ。」


「・・・・・なかなかの洞察力ね・・・・さすが警邏隊密偵の隊長様ね・・・・そうよ。私は彼に金で雇われた用心棒・・・・これ以上は言えないわ。それにさっきも言うけど手紙の中身も聞かされてないから知らないただこれを渡すように言われただけよ」


「そう・・・・分かったわ。で、その手紙は?」


「ここよ。」


そう言い女は雪風に手紙を渡す


「確かに渡したわ。それじゃあね」


そう言い女は闇に紛れ消え、雪風はその手紙を渡された後、にやりと笑うのだった。










「西涼から客人?」


俺は詠に呼び出され、屋敷の広間に来てみれば。なんでも西涼の方から天水を視察するためお客が来るらしいのだが・・・


「詠。その客人って誰なんだ?」


「馬騰とその娘である馬超、そしてそのいとこ馬岱よ。」


「ああ、馬騰さんか。黄巾の乱の時あったっけな・・・・」


話すことはなかったけど。


「そう、その馬騰。彼女が急に天水に来るって言いだしてね」


「それで、俺を呼んだ理由は?」


「うん。馬騰は月と会うからいいんだけど。吹雪には随行人二人の相手をしてもらいたいのよ」


「そういうことか」


「ええ、警邏の仕事で忙しいと思うけどやってくれる?」


「ああ。任せとけよ。それで、いつ来るんだ?」


「確か‥‥昼過ぎだったと思うけど」


「そうか・・・・じゃあ、まだ時間があるな。じゃあ、時間になるまで俺は警邏をしているよ」


そう言い、俺はその場を後にした。





天水の街中に3人の女性が歩いていた。


「ここが天水か‥‥噂以上に活気のある街だな」


「いいんですか母上?ちょっと早く来すぎた気がするけど」


「確かにね~予定より早く来て大丈夫だったの叔母様?」


「問題ないよ。それじゃあ、私は先に屋敷に行っているから、お前たちは街の見物にでも行きな」


「っえ!?いいんですか叔母様!やったぁー!」


「こらっ!蒲公英。私たちは母様の護衛に来たんだぞ!その護衛が離れてどうするんだ!」


「え~でも、叔母様がいいって言ってるんだし~」


「あははっ!翠。別にいいよ。聞けばここの治安は良いらしいから刺客も入ってこれないし、たまには羽目を外してきなさい。ただし羽目を外しすぎて警邏隊の役人の世話にならないようにね」


と馬騰はそう言うと、一人で月の屋敷に行ってしまったのだ。残された二人は


「さ~て。まずはどこから行こうかな~」


「こら!蒲公英。あまりはしゃぐなよ」


「いいじゃん!叔母様も羽目を外せっていてたんだから♪」


「はぁ~まったくしょうがないな~」


馬岱の従姉である馬超はため息をつき馬岱が何か問題を起こさないか見張るためついていくのだった。


「♪~♪~~♪」

 

「蒲公英。なんだその歌は?」


ご機嫌に歌う蒲公英こと馬岱に馬超はその聴きなれない歌に首をかしげる


「えー!お姉さま知らないの?最近流行ってる「愛馬進軍歌」だよ?この歌、私のお気に入りなんだ!」 

「へ~確かに馬に愛情のこもめ親しみやすい歌だな~。この歌誰が作ったんだ?」


「ん~誰だったかわからないけど噂では天の国の昔の歌らしいよ?」


「へ~天の国か・・・・そういえばここ天水には天の御使いがいるらしいな」


「そうだね~。そういえば黄巾の乱の時にいたらしいよ。」


「そういえばそうだったな。あの時、挨拶でもすればよかったかな?」


「そうだね~」


そんなことを話していると・・・・・


ぎゅ~るるる~


二人のお腹が鳴る。


「そ、そいえば。まだご飯食べてなかったな・・・・」


「そうだね・・・・・・あっ!あそこに料理屋があるよ」


「本当だ。よし。じゃあ、あそこで飯でも食べるか蒲公英」


「うん♪」


「『朱雀屋』か・・・・よし。入ろうか」


そう言いい二人は店の中に入るのだった。













「あ~おいしかった~」


「ほんとだね~お姉さま」


「ああ、特にこのめんちかつ?だったけ?」


「それもいいけど、私はなぽりたんっていう麺料理がおいしかったよ~」


二人は店の料理に満足したらしく、嬉しそうにお腹をさする


「さて・・・・そろそろ行くか?」


「そうだね。お姉さま会計お願いね♪」


「え?私。財布持ってないぞ?蒲公英が持ってるんじゃないのか?」


「え?私も持ってないわよ?てっきりお姉さまが持っているのかと・・・・・」


どうやら二人は互いに財布を持ってると思い込んでいたようだ。


「ど、どうしよ・・・・」


「お客さんどうかしたんですか?」


っと、二人の焦りに気が付いたのか、店主が近づいて心配そうに言う。


「え、あ・・・・あの・・・」


「?」


実は金持っていませんなんてとてもじゃないが言えない。二人が困っていると


「おっちゃん。どうしたんだ?」


っと、店の中から。一人の少年が入ってきた。その姿は警邏隊が来ているより少し地味な枯れ草色な恰好し、白い腕章をして、髪型は翠と同じポニーテイルだった。


「(やばっ!あの服に白い腕章…警邏隊の人だよお姉さま。もし無銭飲食がばれちゃったら逮捕されちゃうよ~)」


「(どうする・・・ここで問題おこしちゃったら・・・・)」


と冷や汗をかく二人すると翠はその警邏隊の少年と目が合ってしまった。


「(やばっ目が合っちまった)」


急いで目をそらすが・・・・


「あ、これは御使いさま。いやね。なんかこのお客さん具合が悪そうなんだよ」


「具合?」


少年は店主の言葉を聞いて2人の方へ顔を向ける。


じ~~~~


「(どうしよう。お姉さま。あの人ずっと見ているよ)」


「(もしかしてばれちゃったっかな・・・・)」


警邏隊の少年にばれたと思った二人はついに・・・・


「「ごめんなさい!実は私たちお金もっていないんです!!」」


正直に謝る


「えっ!?それは困るな・・・・」


「大丈夫ですよ。二人の分の代金は私が払いましょう。いくらなんですか?」


「「えっ!」」


少年の言葉に二人は驚く。そして少年は財布から二人分の代金を払う


「それじゃあ、お二人さん。次からは気を付けてくださいね」


そう言って少年は店を出るのだった。


「・・・・・・・」


いきなりのことにより二人はしばらく固まってしまうのだった。

だが、二人はその少年と意外な形で再会するのだった。





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