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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
黄巾の乱編
39/63

黄巾の乱 最初の戦い

星の歓迎会から翌日、吹雪たちは天水を出発し、黄巾党の兵が待ち受ける天水~長安間に向かって出陣した。因みに今は3手に分かれて進んでおり、北側は母さんの軍。東は張遼・華雄軍。そして西側は沖田軍となっている。


天に変わりて不義を討つ

忠勇無双のわが兵は

歓呼の声に送られて

今ぞいで立つ父母の国

勝たずば生きて還らじと

誓う心の勇ましさ



あるいは草に伏し隠れ

あるいは水に飛び入りて

万死恐れず敵情を視察し帰る斥候兵

肩に掛かれる一軍の

安危はいかに重からん



吹雪隊は進軍ラッパを吹きながら軍歌「陸軍」を歌い、どんどん目的地である場所へと進軍していく。しばらく歩いて、集合場所の中間の場所で小休止していると、この近くを偵察していた斥候兵がも出って来た。その報告を聞いて吹雪はすぐに斗志たちを呼んで軍議を始めた。


「志乃、現在、敵の1万5000だが、こちらの様子に気付いた気配は?」


「今のところありませんが、こちらも大軍ですので、やがて気付くでしょう」


「しかし、あいつら雑魚ばかりだが、兵はムチャクチャ多いからな」


桜花は少し頭を掻きながら言う


「なあに、その時はぼこぼこに叩きのめせばいいんだよ。黄巾党恐るに足らずだ」


「川内。何事も慢心はだめよ。その慢心が命取りになるわ、斥候の話だとその黄巾党の軍は周倉の軍の一角の部隊よ」


斗志が言う、周倉とは黄巾党の賊将で、周倉の隊は官軍や諸候を相手に1度も敗北しなかったことから不敗の周倉隊と恐れていて、沖田軍も周倉にかなり警戒していた。


「斗志、もしかしてその隊の大将は周倉か?」


「いいえ、報告では敵の大将は周倉の部下のようで、周倉の軍は曹操軍と交戦中にていないとののことです。」


「そうか」


「で、これからどうするんだ吹雪」


アンチョビがそう聞く。彼女は今沖田隊の1部隊を預かっている。いわばアンチョビの今の立場はローマ軍時代の役職であった百人隊長と同じ階級だ。


「そうだな・・・・今後も連戦が続く可能性があるそのために出来るだけ被害も少なく戦わないと・・・・」


「沖田殿。何を恐れている。黄巾軍は所詮は烏合の衆。雑魚に兵法は無用、一斉に突撃をしたら充分に勝ち目はありますぞ」


と、星はそう言うが・・・・


「星さん。相手は黄巾党でも、罠をはる可能性があります」


「志乃の言う通りだ。いくらなんでも、それは無理だ。数が違いすぎる」


「何をおっしゃる沖田殿。これだけの武将に、精強な兵。なにも問題ないはずだ」


「それでもだ。いたずらに無理な突撃では被害が大き過ぎる。とりあえず今はもう一度偵察を出し、地形を調査。奇襲をしやすい場所を選んでそこで黄巾軍を叩く。みんなそれでいいか?」


と、吹雪が言うと、星以外は返事をしたのだが当の星は何か不服そうな顔をしてその場を離れた。


そしてしばらくすると、偵察隊が帰ってきて、状況を聞くとやはりこちらの動きに気付いて兵をこちらに進軍させたという。吹雪は全員を呼び出したのだが、星だけが未だに来なかったので、兵に再び呼びに行かせた。


「星の奴…遅いな」


「本当ですね。」


吹雪と志乃が話していると・・・・


「隊長、大変です!!」


と、星を呼びに行っていた兵が戻ってきた。


「どうかしたのか?」


「は、はい!趙雲殿が黄巾軍に単騎突撃しました!!」


と、吹雪に報告すると、それを聞いていた斗志は


「なにを考えてるのよ!星は!!」


と、机を思いっきり叩く


「斗志落ち着け。とにかくこのままにしておけないな。とにかく行くぞ。斗志と川内は俺と来い。志乃とアンチョビさん、桜花はさっき言った作戦通りにな」


「分かりました」


「Si!」


「了解っす!」


吹雪はすぐに星の所に向かうのだった・・・・







「やはり、沖田殿も英雄になる人物ではなかったか。たかが烏合の衆に恐れるとは・・・・まぁいい。これが董卓軍での最後の奉公だ!」


山と山の間の開けた場所で黄巾軍に囲まれた趙雲は武器を構える。


「恐れる者は背を向けよッ!! 恐れぬ者はかかってこいッ!! 我が名は趙子龍ッ!! 一身これ刃なりッ!!」


「たかが小娘一人何が出来ようか!」


「この小娘をぶち殺せェーーーッ!!!」


『ウオォォォォォーーーッ!!!』


黄巾軍が抜刀し趙雲に突撃する。


「はいはいはいはいぃーーーッ!!」


趙雲は攻撃をかわしつつ、黄巾兵士の腕や頭を斬り、その命を刈り取る。しかし………。


「(チッ……倒した敵で足場が……)」


星が大量に殺した死体がつもり身動きが取れにくくなっているのである。


「身動き出来なくなってるぞッ!! 取り囲んでなぶり殺しにしろッ!!」


黄巾軍の兵士は身動きがとりにくくなった星を囲み一斉に襲い掛かる。


「くっ・・・・私はまだまだ負けん!」


星が攻撃をしようとした時だった。


ひゅるるる~


いきなりの音にその場に居た全員が驚き、動きを止める。次の瞬間


「ぎゃあ!」


「ぐわっ!」


突如、黄巾軍の上空から無数の矢が降り注ぎ、運悪く着弾点にいた黄巾軍はたちまち矢の餌食になった。

すると、丘の上から真っ赤な太陽が輝きまるで朝日のまぶしさを表しているような旗が上がる。

その旗を背に馬に乗った人物が現れる。そう、吹雪だ。


「やっぱりこうなったか」


「隊長!」


「分かってる!全軍!突撃に前へぇぇぇぇ!!」


「「「「「万歳ィ!」」」


吹雪の号令で、吹雪を先頭に突撃喇叭を鳴らしながら一斉に丘からなだれ込み、吹雪の部下の兵が剣や槍で黄巾兵士の首や腕を斬り、それが宙を舞い、まるで血の雨のように降り注ぐ。


「第2中隊は私に続けー!!」


「「「チェストォォ―!!」」


斗志や部下の兵が雄たけびを上げながら、星のいるところにいる黄巾軍めがけて突進する


「ギャアァァァァァッ!!」


「な、何だコイツらはッ!?」


「つ、強すぎる!」


沖田や斗志、そして沖田軍の兵の強さに黄巾党の兵がうろたえる。因みに吹雪の兵は厳しい訓練を受けてまるで九州の薩摩島津軍のような強さを誇っていた。


「ハアァァァッ!!」


『ギャアァァァァァッ!!』


「星ッ!!」


吹雪は周りにいる敵兵を斬り倒しやっと制の元へたどり着いたのである。


「沖田殿・・・・・」


「バカヤロ!!なに一人で突っ込んでるんだ!敵の命と自分の命交換するつもりか!!!」


「し、しかし奴らは………」


「足場無くなって、もう少し星ので首取られそうだったんだぞ!これでもまだ黄巾軍は烏合の衆だと言い続けるのか!!」


「・・・・・・」


始めてみる吹雪の怒りに星は何も言えなかった。


「とりあえず、無事で何よりだ。とりあえず一緒に来い」


そう言うと吹雪は星の手を取り、走り出した。そして斗志と合流し


「斗志っ!」


「はい!全軍撤退!!谷まで戻るぞ!!」


「え~もっと暴れたい!」


「川内!馬鹿なこと言わない。作戦を忘れたの?」


「あっ・・・・忘れてた。いけない。いけない。」


斗志の号令で全軍谷まで撤退したのだった。


「奴らを逃がすなッ!!」


黄巾軍は追撃するが沖田軍が谷を通り過ぎた途端


「今です!」


「「そぉりゃー!!」」


谷の上に隠れていた桜花・アンチョビの部隊は志乃の命令で、上から岩や丸太などを落とした。


「なに!?おい。撤退だ!後ろに退け!!」


「駄目ですお頭!後ろにも投げ込まれて完全に出入り口をふさがれました!!」


「なに!?くそっ・・・奴らこれが目的だったのか!!」


黄巾軍の頭は悔しそうに呟く。


「今だ!投げろ!!」


すると谷の上から、小型の酒壺が降り注いだ。谷の上にいる歩兵が投げたのだ。


パリンッ!


パリンッ!


黄巾軍には当たらなかったが落ちた場所で酒壺が割れ可燃性が高いアルコール度を持った酒が周りに散らばり、それに栓に点けた火が引火することにより、その落ちた付近にいた雑兵達は瞬く間に炎に包まれた。


「な、何!?」


「ヒイィィィ!!」


「熱い熱い熱い!!」


「苦しい!助けてくれぇー!!」


黄巾軍兵士が炎に包まれながら悲鳴をあげて焼かれていく。服が燃えて一生懸命、火を消そうとする黄巾軍兵士もいる。その姿はまさに生き地獄だった。


「生きている奴にも矢を浴びさせろッ!! 村々を襲った黄巾軍の兵は容赦はするなッ!! 弓隊構えェッ!!」


吹雪の言葉に一斉に弩の弓が降り注ぐ。吹雪は本当は彼らを助けたがったが、あの状態じゃもし生きていても、火傷で苦しみながら死んでいくだろう。だからすぐにでも楽にさせる必要があった。降伏させる手段もあったが、奴らは斗志が降伏を進めても拒否していたのでこうするしかなかった。


「まるで、地獄だな・・・・」


アンチョビが手で口を隠しながら言う、そして火が息堪えた黄巾軍兵士の服に燃え広がり、やがて火は兵士毎包み込んだ。


「おえぇ」


それを見ていた桜花もその光景を見て思わず戻してしまった。


「大丈夫か?気分の悪い奴は下がれ。」


吹雪がそういい、気分の悪い奴は下がるのだった。


「吹雪、さっきのはいったいなんだ」


「あれは、火炎瓶いや、火炎壺を使った火計だ。中身は度が強く発火性のある酒に含まれるアルコールや魚獣の油を使っている。本当は使いたくはなかった。でもこうしなければ・・・・」


人を殺す覚悟はできてはいたが、やはり平和な時代で生きてきた吹雪にとっては苦しい状況であった。吹雪がこぶしをにぐっと握りわなわな震えていると、


「分かってる。分かったから、吹雪もうこれ以上何も言うな。お前の言う事は痛いほどわかる」


アンチョビは優しい言葉で吹雪を励ます。彼女は吹雪の言いたいことを理解していた。もしこうしなければ沖田隊は甚大な犠牲が出ていただろうから。そのことは斗志や桜花、志乃、川内も理解していた。


「アンチョビさん・・・・・・すまない」


吹雪はアンチョビ礼を言うと星の所に向かい


「さて、星・・・」


「沖田殿・・・わたしは・・・」


星は吹雪に怒られると思っていたが・・・


「怪我はしていないか?」


「え?・・・」


いきなり心配する声を聴き星は目を丸くした


「あ、あの・・・沖田殿今なんて?」


「だから怪我だよ。痛いところはないか?」


「あ、あぁそれは大丈夫だが……」


「そうか。それはよかった。もし、あとから痛みが出たら。すぐに衛生兵の所に行ってくれ」


そう言うと吹雪はその場を後にしようとする。


「待ってください。沖田殿。」


「ん?なに星?」


「なぜ何も言わないんですか?」


「ん?何をだ?」


「私が勝手に出撃したのを怒らないんですか?私の勝手な行動で危うく沖田殿も危険な目に・・・」


「ああ、それか?そりゃあ確かにうちの部下だったら鉄拳制裁の一つでも食らわすよ。だが星は董卓軍の客将だ。俺達の味方だけどあくまでもお客なんだから。だから俺は労いの声はかけるが、処分はしないよ。星もしここが嫌ならここから立ち去っても構わないよ。俺は止めない」


そう言うと吹雪は立ち去ってしまう。すると斗志や桜花が来た。


「斗志、桜花・・・私は」


「もう何も言わないで星・・・・・星、あなたが無断で出撃したって聞いた時、私はあなたが帰って来たら殴ろうかと思っといたけど、隊長が何もしないなら、私も何も言わないし怒りもしないわ。」


「うちも何も言わないっす。だけど星覚えてほしい。私たちは兵隊たちを死なせるために訓練をしている訳じゃないんだ、生かせるため訓練しているんだよ。それだけは肝に銘じてほしいっす。」


そう言い、斗志はその場を去り桜花は軽く星の肩にポンッと手を乗せた後その場を後にした。


「・・・・・・・・」


星は何も言えずただその場を立ち尽くしていたのだった。


その後、頃合いで用意してた水で消火活動をして、吹雪達は焼死した黄巾兵士達を丁寧に埋葬していき、墓を建て、その場に居た全員が黙祷をささげた。


そしてその夜、吹雪は天幕でこの時の戦闘の記録書を書いていた。すると・・・


「………失礼」


「ん? どうした星?」


吹雪の天幕に星が急に入って来た。


「沖田殿……いえ主。私の先走りで主に、そして軍全体に迷惑をかけてしまいました。申し訳ありません」


星はそう言い頭を下げる


「頭を上げてくれ星。何が何だかわからんぞそれに主って・・・」


「私はどうやら自分の武功を上げることしか考えず少々自惚れていたようです。それを主は教えてくれました」


「(俺、何か教えたっけ?)」


「それで……私を董卓軍の末端に加えてくれますかな主?」


そう言うと星はまた頭を下げて言う


「だから頭を上げてくれ星。それに主は要らないよ。星は家臣でも部下でもない大切な家族だ。だからいつも通りに呼んでくれ」


「フフ…わかりました吹雪殿。ではこれからよろしくお願いします」


「ああ、こちらこそよろしくな」


こうして星は正式に董卓軍の武将になった。

その後、俺は星に礼を言って天幕を出て夜空を見上げた。


「さて、討伐軍の集合場所は順調に行けば明日の午後辺りに着きそうだな。そう言えば夕張に頼んだ”あれ”はできているかな・・・」


俺はそうつぶやき星空を眺めるのだった。



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