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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
吹雪の旅編
32/63

吹雪、事件を解決するのこと

孫権は、自分の部屋へと戻り、姉の無事を祈っていた。


「姉様・・・」


するとそこへ、叔母の孫静が入ってきた。


「孫権、まだ起きていたのですか?」


「叔母上」


「孫策の容態が気になるのはわかりますが、そんなことでは貴方の方が参ってしまうのですよ」


すると孫家に仕える双子姉妹である二蕎が慌てて、部屋へ入ってきた。


「「孫権様、あっ・・・・孫静様!?」」


「どうしたのです?こんな夜更けに」


「まさか姉様が!?」


孫権は最悪な状況を予想して顔を青ざめる。しかし二蕎はにっこりと笑い


「いえ、その逆です」


「孫策様の御容態が持ち直しました。」


「まだ意識は朦朧としておられますが、医者は峠を越したと」


「よかった…姉様…本当に…!」


二人の知らせを聞き、孫権は涙をこらえながら、姉の無事を喜ぶ。


「暫くは絶対に安静だそうですが」


「熱が引いたら、会って話してもいいと」


二喬はそう報告をする。その様子に孫権は喜ぶのだったが、孫静は何か嬉しくないような顔をするのだった。






そして、孫策が眠っている寝室に、一人の人物が静かに扉を開け入ってくる。しかもその姿は某少年探偵に出てくる黒い犯人像のようだ。その人物の手には不気味に光る怪しい針が握られていた。


「成程、その針の尖端に毒が塗ってあると言うことですか…」


「っ!?」


突然、孫策が目を覚まし、その人物は驚きを隠せない。


「ようやっと、尻尾を出しましたね…叔母上」


「くっ!」


孫策の命を狙う人物、孫静は顔を歪ませる。


「私の容態が回復したと聞いて、焦りになられましたか?」


「そ、孫策、そなたは」


「『死にかけていたのではなかったのか?』ですか?」


「くっ!」


上乗せするように、孫策は答え、孫静は顔をゆがませる


「叔母上が私のやり方を快く思われていないのは分かっていましたが…まさか命まで取ろうとするとは、乱世とはいえ、嘆かわしい限りです」


すると、冥林や孫権と護衛兵が現れた。


「孫静さま、恐れながら反逆の罪でお身柄を拘束させていただきます」


「周喩、これは全て貴様の企みか!?」


「ご想像にお任せします孫静様」


兵に拘束された孫静は・・・・


「孫策、そなたのやり方は間違っておる!!どれだけ多くの物を得ようとも、そのために流されたおびただしい血がいつか孫家に仇なすこととなろう!」


「母上の意思を継ぎ、覇道を歩む決めた時からそれは承知の上です!ですが伯母上、たとえどれだけ血を流そうとも私には手に入れたいものがあるのです!!」


「姉様を殺害しようとしてその罪を沖田殿に着せた罪を思い知ってください叔母様!」


「っ!?」


「連れて行け」


「はっ!」


「ふふふふ・・・・・」


すると孫静は笑い出す。


「何がおかしいのですか叔母上」


いきなり笑い出す孫静に孫策は不思議がる。すると・・・・


「ぎゃあ!」


「ぐえぇ!!」


孫静を拘束していた兵と周りにいた兵が次々と倒れていく。すると孫静の背後から黒いフードの男達が現れた。


「あいつら何者よ!? 」


突然のことに驚く孫策達


「ふふ・・・・孫策よ。私が単独で暗殺計画をすると思おてか。私はこういう事態の為、専門の暗殺者を呼んだのだ」


フード集団の腕には笑う顔をした棺桶の印がついていた


「『笑う棺桶』馬鹿な!あの集団は陳留にいる曹操によって討伐されたはず」


冥林が驚く


「ふふ・・・・生き残りがいたのだ。さて、貴様らには死んでもらうわ!殺れ」


孫静の命令で『笑う棺桶』の生き残りが襲い掛かる。孫策は武術は強いが今は丸腰、しかも今はしかも仲間がいるのでいつものように暴れるわけにはいかなかった。


「姉さま!!」


「雪蓮!!」


賊の持っていた剣が雪蓮達に降り下ろされる。


「くっ!? 」


そして雪蓮達が目を閉じたその時


ダアァァーン!!


銃声が鳴り、賊の一人が血を流し倒れる。


「どうなってるの?」


「それにこの音は!?」


雪蓮たちが驚いて辺りを見てみると・・・


「どうやら間に合ったようだな」


そこには九九式小銃を構えた吹雪がいた。すると


「吹雪。表にいる変な奴ら潰しといたぞ」


「おう、川内お疲れ」


吹雪の後ろから、川内とアンチョビが現れる


「なっ!貴様は沖田吹雪!!」


討伐戦で吹雪と会ったことがある賊の一人が叫ぶ


「応・・・・また会ったな賊ども。どうする?また討伐されたいか?いやなら武器を捨てろ」


『笑う棺桶』の生き残りは吹雪の強さを知っているため、大人しく武器を捨てる


「なっ!?お前たちなんで武器を捨てるんだい!あんな優男に!」


孫静は怒鳴るが・・・・


「どうやら年貢の納め時のようですね。孫静様・・・」


孫静の周りには兵士が取り囲んだ。


「くっ!? 」


こうして孫静は反逆罪で逮捕されることになったのだった。

そして事件が解決して数時間後


「周瑜、これが孫静派の名を集めた署名じゃ 」


とある部屋で孫策の軍師である。冥林が、孫家に仕える見た目は幼い少女だが呉の中では古株の役人である張昭と話をしていた。この張昭はクーデターを起こす孫静のことをいち早く気づき、孫静の思想と同じ奴らのことを探るため、奴らの仲間のふりをしていたのだ。


「雷火殿にはすまないな、裏切り者の芝居させてしまって 」


冥琳が言うと張昭は笑いながら


「なぁに、私もこれくらいせねばいけないからな 。しかし、あの小僧・・・・・御使い殿には悪いことをしたな。いくら孫静の本性を出させるとは言え」


「あの時、偶然あそこに居たのが身の不運と申せましょうが、本当に彼には申し訳ないことをしました。しかし孫権様があのものを庇うとは予想外でした」


「名軍師だの智謀の師だの言われても、神でならぬ身である以上全てを見通すことはできぬか」


「恐れいります」



そして翌日、王座の間


「沖田、先日は不愉快な思いをさせて悪かったわね」


「いえ、いいんですよ。」


「で、沖田・・・」


「吹雪で構いませんよ。孫策さん」


「じゃあ、私も雪蓮でいいわよ。さっきも助けてもらったしこの真名預けるわ」


「分かりました雪蓮さん。」


「吹雪話を戻すけど、あなた孫家に仕えてはくれないかしら」


「お言葉は嬉しいのですが、私にはもう使えるべき人がいるので」


「そう。残念だわ。でも遊びには来てね。孫家はいつでも歓迎するから」


「ええ、その時は楽しみにしてますよ」


と、二人は笑いあうのだった。そして別れの時が来た。港では孫権達は吹雪達を見送りに来ていた。


「もっと書物のお話がしたかったです」


「陸遜さん。私もです」


「気が向いたら、お手紙下さいね?」


「はい、必ず」


書を嗜む同志として、志乃と陸遜は約束を交わす。


「張済!今度会ったら、次はどっちが先に獲物を多くとるか勝負だからね」


「おう!望むところだぜ!」


と、川内とシャオは手を取り合いそう約束する


「アンチョビ殿。またお会いしましょう」


「ああ、甘寧もな」


アンチョビと甘寧はそう話し合っていた。どうやらあの狩の時に少し仲良くなっていたようだ。


「沖田殿、此度の事はそなたにはなんて詫びてよいか……」


「いえ、孫権さんが謝ることはないよ。それに孫権さんは俺を庇ってくれたじゃないか」


「しかし・・・」


「大丈夫です。孫権さん。孫権さんならきっと立派な王になります。だから俺たちの旅立ち、笑顔で送ってください」


「ええ、分かったわ」


孫権は、綺麗な笑顔で答える。憑き物が取れた様な、晴れやかな笑顔だった。


「また来ますよ、孫権さん」


「・・・蓮華だ」


「え?」


「私のことは蓮華と呼んでも良い」


「いいんですか?」


「か、かまわないわ//」


「では俺のことも吹雪で」


「分かったわ。またね・・・・吹雪///」


「また会いましょう。蓮華」


そして吹雪たちを乗せた船は出航するのだった。


「いやー、船旅はいいものだな。こうやってのんびりしているだけで目的地に着くと」


「本当だぜ!!陸の上もこれでいけば楽だな」


「そうだな。吹雪の持っている陸王も大勢乗れればいいんだがな」


「ん?どうしたんだ。志乃?船酔いか?」


志乃が険しい顔をしていた


「あっ、いえ、ちょっと気になることがありまして・・・・」


「気になること?」


「はい、今回のことって、本当に単なる暗殺未遂事件だったんでしょうか?何かあらゆることがあまりも出来すぎるような気がして、まるで一つの物語を見いているような、そう、この事件の背後で誰か筋書きを書いた人がいるんじゃないか。そんな気がするんです」


志乃の言葉に疑問を思うアンチョビと川内であった


「(さすが、孔明のライバルとよばれるほどの軍師、感づいていたのか・・・とても頭では勝てないな)」


と思う吹雪であった。



そのころ、陸遜が書簡で仕事をやっている周喩の元へとやってきた


「周瑜さま」


「陸遜か。見送りは済んだか?」


「はい」


「陸遜。貴方、司馬懿の事をどう思う?」


「そうですね。あの年にして利と正論をした演説、剣を鼻先に突きつけられても一歩もひかぬ度胸。この先、どのくらい、のびるか楽しみな逸材かと・・・」


「楽しみか・・・私にはむしろ恐ろしいと思ったのだが」


「え?」


「なぜだが、分らぬのが、あの者は、いつか我らの前に立ちはだかるような気がする。時が来て、あの才にふさわしい立場を得たらな・・・」


「けど、もう一人恐ろしい人がいるでしょ」


と孫策、蓮華、思春が入って来た


「ああ、沖田殿か・・・・あの殺気は尋常じゃない」


「で、思春はどう感じたの?」


「はじめは、ただの優男かと思いましたが、格が違いすぎました。もし戦っていたら、死んでいたとおもいます。」


「確かに、あれは姉上や母上すらも軽く超えていたと思うわ。まるで飛将軍呂布奉先のような・・・」


そう呟く蓮華


「噂に聞いたんだけど。吹雪はその呂布の息子らしいわ」


「それは本当ですか姉上!」


「なるほど・・・・通りで」


「それにしてもやっぱりほしいわ、彼」


孫策が言う


「確かにな、敵だと恐ろしいが、味方だととても心強い。しかし雪蓮、彼は董卓に仕えてるんだぞ」


周瑜が言う


「そんなの関係ないわ、いつか手に入れてみせるわ」


と華琳と同じことを言う孫策だった




「で、次はどこに行く?」


「そうだな・・・・そろそろ天水に戻るか」


「天水?」


「天水っていうと・・・吹雪様のいた地ですか?」


「ああ、そろそろ戻らないといけないような気がしてな」


「そうか。それじゃあその天水に行くか」


こうして、吹雪は旅を終え、天水に戻ることになったのだ。



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