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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
吹雪の旅編
29/63

じゃじゃ馬姫、孫尚香

旅を続けている吹雪達は山道を歩いていた


「うわぁー、いいお天気ですね!!」


「そうだな志乃」


「こんな晴れた日には何かいいことがあるかもしれ・・・・」


「ちょっと!離してよ」


声が聞こえた方に視線を向けると店で桃色の髪の少女が髭を生やした男に捕まっているのであった。


「そこまでだ!!小さな子に乱暴する悪党め、このドゥーチェがこの場で成敗してくれる!!」


「・・・・お姉ちゃん。何言ってるの。ドゥーチェって?」


「あ、いや。なんかこう言わなきゃいけないような気がしたから・・・・・」


「そんなことより悪党髭親父め!覚悟しろ!!」


「え・・・・悪党って、おらはただ・・・・」


「問答無用!!覚悟!!」


「チェスト―!!」


「うわああああああああああ!!」


そのまま、アンチョビさんと川内は男を殴り飛ばしてしまった。因みにその絡まれていた少女はどこかに消えてしまった。








「ええっ!食い逃げ!?」


「んだぁ、さっきの娘っ子、飲み食いした後、金払わずに逃げようとしたから、それで・・」


左目に青あざをつけた店主の親父は腕を組みながら言う。


「ああ、いやぁ・・そうとは知らず、とんだ勘違いを・・」


アンチョビはアワアワしながら店主の親父に謝る。


「本当にすみませんご主人。あのこれ迷惑料です。これで手を打ってはもらえませんか?」


そう言い吹雪は前に華琳にもらった褒美の宝石を渡す。


「こ、これは隣町でもなかなか手に入らない宝石じゃないか!?よし!これで手を打つよ兄ちゃん」


何とか店主の親父に許してもらった吹雪達だった。

そして道中・・・・・・


「吹雪すまん・・・・私の早とちりで・・・・」


「いや、いいですよアンチョビさん。間違いは誰でもありますから」


「そうだよお姉ちゃん。」


「まったくとんだ災難だな。あの小娘見つけたらただじゃ・・・・」


落ち込むアンチョビを吹雪と志乃が励まし、川内はとばっちりを受けた怒りで少しいらついている。すると・・・・


「ちょっと、待ちなさいよ!!」


すると後ろから吹雪たちを呼びとめる声が聞こえてきた。後ろを振り向くと先ほど食い逃げした少女の姿が見えた


「なっ!?お前は先ほどの食い逃げ娘!!」


川内は怒り出した


「今までどこへいってたんだ!?お前のせいで私たちは!!」


「あんた達、なかなか見込みがあるわね。気に入ったわ!!シャオの家来にしてあげる。」


「「「はぁ?・・・」」」


突然の家来にする宣言したので疑問を浮かべる


「あ、あの・・・・シャオさん。話が見えないんですが・・・」


志乃は困惑しながら訊く


「ちょっと、初対面なのにシャオだなんてなれなれしく呼ばないでよね!!」


「え・・・・あのすみません・・・」


「自分で言ったくせに・・・・」


「うるさいわね!ちびっ子!」


「なんだと!あなたよりは身長は上だ!へそ娘!!」


「と・に・か・く。あんた達はこの江東に覇を唱える孫家の末娘、この孫尚香の家来になるのよ!良いわね!?」


「「「ええっ!?」」」


「(ええっ!?この子が弓腰姫と言われたあの孫尚香!てっきり男武将がみんな女だから歴史に名を残した女性人物は男になったんだと思ってたんだが・・・・)






その後、吹雪たちは街に着いたのだった。


「さーて、晩御飯はどこがいいかしら」


孫尚香は走り出した。そして、一軒の料理屋の前に立ち指を差した。


「ここがいいわ、ここにしましょう」


「飯よりまずは泊まる宿を探すのが先決だろ?」


「えっー、いいじゃない!!シャオ、おなかすいた!!・・・ねぇー、御飯!!」


シャオは駄々をこねる。すると吹雪はあることに気が付いた。


「君・・・・食事代とか持ち合わせているのか?」


「何言っているのよ?そんなの家来のあんた達が払うにきまっているでしょ!!」


「はぁ!!」


「てゆかー、お金があったら茶店で食い逃げなんかしないんじゃない?」


「開き直って言う事じゃないだろ」


吹雪があきれて言い、アンチョビが・・・


「しかし、それなら今までどうしていたんだ?まさかずっと一文無しで旅に出ていたわけじゃないんだろ?」


「もちろん、それなりの路銀は持っていたわ。前の町までは・・・でもそこで・・・・これ買っちゃって」


と頭についていた髪留めをとった。それには奇麗な宝石が埋め込まれていた


「って、お前!路銀全部はたいて、それらを買ったのか!?」


「だってほしかったんだもん!! 見てよ、これ。キラキラして綺麗でしょう。お店で見たとき、これだぁって一目惚れしちゃったのよね。あぁ、こうやって見てると、何かうっとりしちゃう」


シャオは目をキラキラさせながら言う


「「「はぁ~」」」


「こいつ馬鹿だ・・・・」


シャオの様子に吹雪たちはあきれるのであった。シャオが髪飾りに夢中になっていると・・・・・


カアァー



「きゃあ!?何するのよ!!この泥棒!!」


カラスが突然、孫尚香の持っていた髪留めを奪い取ってしまった。孫尚香はカラスを追いかけ始めた。吹雪たちも仕方なく追いかけ始めた、そして、カラスは上空へと飛んでいた。


「あ!? こらぁ、返せぇーーーっ!!」


「くそ!仕方ない!」


吹雪は九九式小銃を烏の方へ向ける


(・・・・・許せ烏・・・・)


彼が引き金を引く直前、すると宿の窓から紫の髪の女性が弓を構えた。吹雪はそれに気付いた


ビュッ!!


そして、矢をカラスに向かって放った。しかし、カラスに当たることはなかった


「(外したのか・・・いや違うな)」


すると、カラスが突然、落ちてきた。すぐ様に川内がカラスを捕まえる


「当たったのか?可哀そうなことしたな・・・・南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」


川内は烏が死んだと思いお経を唱える(三国志時代は儒教だがそこは大目に見てほしい)その後に孫尚香は髪留めを受け止める


「よかった・・・壊れていない」


壊れてないことに安心したその時


「カァー、カァー!!」


「ちょっ・・・痛たたたたた・・・・」


カラスが眼を覚まし、孫尚香に八つ当たりを始めた。そして、そのまま飛び去った


「もう何するのよ!!この馬鹿!!」


「いったいどうなっているんだ?」


「おそらく、矢が頭をかすめた時にできた空気の波に当たって、気を失ったのだろう」


「でも、そんなことができるんですか?」


「出来るも何も。今、目の前で見た通りだ」


こんなことができそうなのは俺の知人では1人。もう一人は華琳の友である夏侯淵こと秋蘭だ。


「偶然・・・・・・じゃないんですか吹雪様。狙いが逸れて、それで偶々」


「そうかもしれない。だが・・・もし狙ってやっていたのならば・・・・・」


吹雪が目線を向けたが、そこにはすでに女性の姿はなかった。


「(恐ろしいほどの腕前だ。もし、あれが弓じゃなく狙撃銃だったら・・・・)」


そう思うと吹雪は寒気が走るのだった・・・・・





その後5人は無事宿を決めそしてシャオのおすすめの店で食事をした。


「これはおいしいな~♪」


「でしょ〜?このシャオ様の目に狂いはなかったってわけね」


「悔しいけど、認めるわ」


尚香が得意気に言うと、川内は悔しそうな顔をするが、食べているうちにその顔が和らぐ。食事を終え、吹雪が本題に入る。


「所で、尚香ちゃん。君は本当にあの呉の孫家なのか?」


「もちろんよ」


「すまん別に、疑ってるってわけじゃないんだけどさ……何か身分を証明するものとかは」


「証明も何も、こうして本人がそう言ってるから間違いないわ」


尚香は胸を張って答えた。

その様子を見て、吹雪達は小さく集合し、小声で作戦会議を始める。


「・・・・・と言っているけど、みんなはどう思う?」


「呉の孫家の姫君と言っている割にはあまりにもその、なんというか……」


「第一お姫様がおへそを出して一人でうろうろしているなんておかしいわ。志乃先生はどう見る?」


「そうですね・・・・最近陽気がいいですし・・・・もしかしたら・・あた・・・」


「そこっ!聞こえるようにヒソヒソ話さない!」


「ああ、すまんすまん。で、孫家の末娘が何故、供も連れずに旅を?」


「えっ、それはその、いろいろあるのよ……」


明らかに動揺している尚香を吹雪たちがじ~と怪しげな物を見る様にみている。


「ね、念のため言っとくけど!堅苦しいお城暮らしにうんざりして、家出当然に飛び出して来たとかじゃないんだからねっ!」


「・・・・・・」


「出る言葉もないな・・・・」


「まったくだ」


「はぁ~」


あまりにもバカらしい理由に4人は呆れるのだった。




「おやまぁ。綺麗に平らげて暮れたもんだねぇお茶のお代わりどうだい?」


「あ、申し訳ない女将さん」


と女将がお茶を注ぐと


「あんた達、旅の人みたいだけど。やっぱり明日の行列を見に来たのかい?」


「は?行列何のことですか?」


「おや、違ったのかい。あたしゃ、てっきり・・・実はね、ここの領主様である劉表様の姫さんに、隣の領主様ん所から三番目の息子が婿入りするんだけど。明日の昼過ぎ、その行列がこの前を通りを通るのさぁ」


「ほぉ」


「噂によると、何でも大層豪華な行列のうえ。婿入りしてくる三番目の息子ってのが、とびっきりの美形らしいってんで。これはもう一目拝んとかなきゃあって、近くの村からも人が集まってんだよ」


「そうですか何にしても結婚はめでたいことだな」


「所が・・・近頃、妙な噂があってね」


女将が顔が暗くして言った


「噂?と言うと?」


吹雪が聞き返すと、女将は周りを見てから近づき


「ここだけの話なんだけどね・・・領主様の側近だか身内だかで、今度の結婚に反対している人がいるらしくて……。その一味が婿入りしてくる息子の暗殺を企てているんじゃないかっていう」


「暗殺……」


「それはまた物騒だな……」


「ほんとだよ。せっかくの晴れの舞台だっていうのにね」


「けど、これで理由が分かりました吹雪様」


「理由?」


「はい、この町へ入る時、関所で妙に調べられたじゃないですか」


「あ、そう言えば確かに……」


「あれはきっと、怪しい人物が入って来ない様に警戒していたんですよ」


志乃の言う通り、実はこの街に入る際、門番が検問を開いていた。街に入る人々に、怪しい者はいないかを調査していた。


「ならば、明日は十分な警護を固めているはずだ。それに、事前にもれた陰謀が成功することなんて、そうそうないもんじゃないか女将?」


アンチョビさんは女将に言う


「そうだといいんだけど……。でも、それでも心配だよ。ここにも天水警邏隊みたいな精強な人たちがいればね~」


「天水警邏隊?何よそれ?」


シャオは首をかしげて言う


「あら、お嬢ちゃん知らないの?天水の太守董卓様に仕える警邏隊で、噂じゃあ、街に火を放とうとする悪党の計画を未然に防ぎしかもその悪党を逮捕するという活躍をして、天水じゃ扉を開けたままでも安心して眠れると言われるほど住みやすい街で、そこの治安を守るのがその天水警邏隊なのさ。何でもその隊長は最近噂の天の御使いだとか」


「ふ~ん・・・そんなにすごいんだ。」


と、シャオは興味なさそうに聞く。


「とにかく殺したり殺されたりは、もううんざり。早く穏やかな世の中になってくれないものかねぇ」


重いため息をつき、女将は去っていった。

その後ろ姿を見て、吹雪はやりきれない思いを抱いていた。


(穏やかな世の中……か)


吹雪は外の窓を見つめるのだった。


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