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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
出会い編
2/63

出会い


「月?月?もうどこに行ったのよ~」


眼鏡をかけた少女は誰かの名を叫びながら屋敷の中を探し回った。廊下の角を曲がろうとすると・・・


「あ、華雄将軍」


「なんだ、賈駆ではないか、どうしたんだ?浮かない顔をして」


賈駆と呼ばれる少女が会ったのは、華雄という名の銀髪を短くそろえた女性だった。


「月が・・・いえ董卓様がまたいなくなわれてしまって・・・・」


「とすると、あれか・・・・・? お忍びで下々のものを暮らしぶりを見て回るという」


「ええ、それよ」


「やれやれ、仕事をほっぽり出して、フラフラ出歩くとは困った太守様だな」


「領民と直に触れあってその声を聞くのは決してて悪いことではないわ!」


「なら別に問題ないではないか」


華雄は平然と言うが・・・・


「そうはいかないわっ! ここの所、地方の賊の征伐に人手を取られて、逆にこの辺りの治安が悪くなっていると言うのにっ! それに物の値段が上がって、民の間に不満が募ってるし! 山の方では人食い熊が出るとか何とかっ!しかも、恋と霞は賊の討伐に出かけて居ないし!!」


賈駆は頭をわしゃわしゃ掻きながら叫んだ。

すると華雄は呆れ顔で・・・


「賈駆、そんな心配事を抱えすぎると早死にするぞ?」


「華雄将軍。あなたは悩みが無い分、長生きしそうね~」


「まあ、身体を鍛えているからな!」


と何気ない笑顔で返す


「はぁ~」


その皮肉言葉に気付かない華雄に賈駆はため息をついた。





賈駆が董卓を探しに行ったちょうどその頃・・・・


「あ・・・れ?・・・・ここはどこだ?」


確か俺はじいちゃんの倉庫にいたはずだ。そして謎の光に包まれて・・・・目が覚めたら見知らぬ場所にいた。


「あれ?なんだ?この格好!?」


今自分が着てる服は、道場服ではなかった。枯草色の制服に同じ色のズボンそして黒の革のブーツに頭にのっけてる帽子の真ん中に金色の星が描かれていた。

これは確か前にじいちゃんのアルバムで見た、じいちゃんが昔来ていた旧日本陸軍将校服だった。そしてそばに置いてあったのは家にあった大きなリュックサックとさっき持っていた軍刀と・・・・


「これって、九九式小銃じゃないか!なんでこんなところに?」


そう、じいちゃんの倉庫で見た九九式小銃が置いてあった。


「なんでこんなものが・・・それに今着てる服も・・・・」


吹雪は疑問に思いつつさらにあたりを見渡すとここでまた疑問がわいた。


「それにしてもここはどこだ?なんか古代中国みたいな場所みたいだが・・・」


そう思っていると・・・・・



<きゃあぁぁぁ!!>



どこからが悲鳴が聞こえた。


「なんだ!?あっちの方角だないってみるか」


そう言い吹雪は悲鳴のする方へ向かった。





山の中のある人気のない場所…そこでは白い着物を着た少女が山賊たちに追い詰められていた。


「ひどい・・・・私を騙したんですね」


「別に騙しちゃいねえさ!!」


「でも、街への近道を教えてくれると言ったのにこんなところまで連れてきて…」


追い詰められながらも少女は臆することなく山賊たちに反論しまっすぐな視線を山賊に向けていた。すると山賊の頭はニタニタと下品な顔を浮かべてこう言った。


「近道は教えてやるよ。と、言っても街ではなく、天国だけどな」


「天国!?・・・・それでは私を殺すつもりなのですね」


「「「うへへ」」」


すると賊たちは下品な笑い声をあげた。


「そうじゃねえよ!気持ちよくして、天にも昇る心地にしてやるつっもりなのですよ」


そう言い賊たちが少女に近寄ると。


「おい!貴様ら何をやっている!!」


茂みから何か木の棒みたいなのを構えた枯草色の服を着た少年が出てきた。




俺は悲鳴のする方向へ向かった。そしてそこには、何やら山賊みたいな恰好をした5人組が白に近い銀髪の少女を囲んでいた。最初は何かの撮影か、コスプレイヤーの悪ふざけかと思ったが手にしていた剣が鈍く光っている。これはレプリカじゃなくて本物。そしていま行われているのが演技じゃないと知ると俺は背に担いでいた九九式小銃に腰の弾薬庫に入っていた7・7ミリ弾5発を装填して茂みから出た。


「なんだ貴様は!?」


「俺のことはどうでもいい。さっさとその場から消えろ!!さもないと撃つぞ!!」


俺は銃口を山賊に向けた。


「へっ!そんな木の棒で何ができるっていうんだ!!お前、地味だが結構高そうな服着てんじゃねえか。おい、お前らそいつ殺してきている服を金にするぞ!!」


山賊の内、弓を持っていた小柄な奴が一本の矢を取り出し弓を射ようとしていた。俺はそいつに銃口を向けた。今思えば俺はこの時、精神がおかしかったのかもしれない。剣を突き付けられても動揺せず、銃口を平気に相手に向けていたんだから…


「とっととくたばれ!!」


山賊チビがそう言った瞬間、俺は九九式の引き金を引いた。


  『ダアァァァン!』


銃声を聞いて山賊だけじゃなく少女も目を見開き驚いていた。

銃口から放たれた熊の眉間も簡単に貫く7・7ミリの鈍色の弾丸は確実に山賊のチビの胸に当った。

そしてチビは腕をだらんと垂らして前のめりに倒れた。そこから赤い血が流れた。


「ひっ!な、なんだお前は!!」


もう一人の山賊が剣を握り俺の方へ向かってきた。俺はボルトを動かし再装填して、向かってきた山賊に銃口を向け引き金を引いた。


  『ダアァァァン!!』


今度は眉間に命中し、山賊はのけ反りになり倒れた。


「ひっ!こ、こいつやべえぞ!おい!逃げるぞ!!」


頭らしき男はそう言い残った2人を連れて逃げていった。

ある程度3人が遠ざかると俺は構えていた腕を下すとそのまま気絶してしまった。





町から帰る途中道に迷い、山賊に囲まれている私を助けようと茂みから現れた謎の少年。顔は少し幼い感じが残っている黒髪の少年でその瞳は赤かった。

彼は木の棒みたいなのを弓を弾いていた山賊に向け、その瞬間その木の棒から火を噴いた。最初はその音にびっくりしたけど、次の瞬間、山賊の一人が倒れそこから血が流れる。驚いた山賊のもう一人が剣を彼に向け、向かってきた。


『危ないっ!!』


と、言おうとしたけど声が出なかった。すると彼はさっきの棒を山賊に向けて無表情のまま、さっきの棒に火を噴かせた。すると向かってきた山賊は目を見開きそのまま頭から血を流し仰向けに倒れた。

それを見た山賊は戦意を失って走ってどこかに逃げて行ってしまった。

それをしばらく見ていた彼は腕を下してそのまま倒れてしまった。


「どうしたんですか!?しっかりしてください」

私は倒れた彼に駆け寄り体をゆすった。どうやら気絶してしまったらしい。


「気を失っている…?それにあの人が持っている物は一体…」


そう思っていると、馬のいななく声が聞こえた。そこには幼馴染の詠ちゃんがいた。


「あっ!月っ!」


「あっ!詠ちゃん!!」


そう言い月といった少女は賈駆のもとに駆け寄った。


「あっ!詠ちゃんじゃない!!連絡が着て探しに行っている途中すごい音が聞こえたから来てみれば。月、僕がどれだけ心配したと思ってるのよ」


「ごめんなさい・・・」


「下々の声を直接聞きたいとは立派な事だけど、もし危ない目にでも遭ったりしたら」


「それなら大丈夫…あの人に助けて‥‥そうだ詠ちゃんあの人、私を山賊から助けてくれたんだけど気を失っているの!」


そう言われ賈駆は気を失っている少年を見た。


「分かったわ。月の命の恩人みたいだし、それにその人から詳しい事情とか聞きたいから屋敷に連れていきましょ」


そう言い賈駆たちは吹雪を馬に乗せ街へと向かった。


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