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真・恋姫†夢想~三国無双の血を引くもの~  作者: 疾風海軍陸戦隊
吹雪の旅編
12/63

私塾で出会ったローマ人と軍師

俺は陸王を走らせら最初の目的地、陳留に向かっていた。俺は陸王を走らせているとあることに気が付いた。それは・・・・


「ガソリンメーター減ってないじゃん…どうなってんのこれ?」


そう、本来はガソリンが減りメーターも下がるはずなんだが、メーターを見ても一向に下がらない。まさかソーラー式のバイク?・・・・てっ、そんなわけないか。

しかも天水を出てからかなり時間は経っていてガス欠になってもおかしくないのに陸王は快調に走っている。


「・・・・もうどうでもいいか。便利だし、ガソリン補給の手間も省けるしな」


俺は深く考えるのをやめることにした。

その後しばらく走っていたのだが少し疲れてきた。


「よし…ここらで休憩でもするかな」


俺は陸王から降り、草の上に座った。そして出発前母さんが作ってくれた握り飯を食べる。うん久しぶりの母さんの味だな。俺は母さんの作ってくれた握り飯の味を堪能した。

俺が離れて吹雪隊は大丈夫なのか‥‥いや大丈夫だろ。斗志と桜花はああ見えて仕事熱心だしな。


「それにしても静かだな・・・・風も気持ちいいし」


この草原には俺一人、生き物の気配はしないあるとすれば小鳥が鳴いているくらいだ。

俺は、陸王についている側車に乗り帽子を顔に被せて少し寝た。

そして1時間ぐらいだろうか俺は目が覚めた。


「さてと・・・・行きますか」


俺は陸王に乗り走り出そうとする。


「ん?」


ふと空を見上げると空はいつの間にか雨雲に覆われており、雨が降りだした。


「まいったな。」


俺は陸王を走らせた。次第に雨はどんどん強くなり、止む気配がなかった走り続けていると1つの建物が見えてきた。


「あそこの軒で雨宿りでもするか。」


俺は建物の軒下に入った。軒下はちょうど陸王がすっぽりと入るくらいの広さだ。


「こりゃまいったな。」


雨は暫くは止みそうにない、辺りは静かで聞こえるのは雨のザーっという音だった。さてどうするかと考えていると、


キィ。


「ん?」


音のした方を見ると建物の扉から14歳くらいだろうか銀色の長い髪の少女が覗き見ている。


「あ、あの…こんにちは」


「こ、こんにちわ・・・・」


少女が警戒するように答える。すると建物の奥から


「志乃どうしたのだ?ん?誰だあんた?」


するとその少女の後ろからこの人はイタリア人か?グレーのかかった銀髪にツインドリルをした少女が出てくる。しかも少女は剣を腰に差している。


「どうしたの?志乃?アンチョビさん?・・・・あら?」


2人の後ろから妙齢の婦人が出てきた。


「あ、すみません、雨に降られてしまったので軒をお借りしてました。宜しければ小降りになるまでお借りしてもよろしいですか?」


俺がそう言うと・・・・


「な、なんでそんなこと早く言わないんだよ。風邪を引いたらどうするんだ!?」


さっきのイタリア人が驚いてそうい言う


「そういう事でしたら家へ入らしてください。濡れているようですし、雨が止むまで休まれてください。」


「いいんですか?」


「お困りのようですので。」


ありがたい申し出だ。雨もやみそうにないし、お言葉に甘えますか


「ではお言葉に甘えます。」


「ではこちらへ。」


中に入れてもらった。本当に良かった。因みに陸王はその人の空いている倉庫に入れてもらった。

案内してもらってる途中に自己紹介を済ました。この建物は私塾でこの人は水鏡さんというらしい。案内された部屋でくつろいでいると、水鏡さんがやってきた。


「雨は止みそうにありませんので、今日はもうこちらでお休みください。今食事をお持ちしますので。」


「何から何まで本当にすみません。」


すると、さっきの二人が料理を持ってきた。


「お待たせしました」


そう言って銀髪の子はそそくさと出ていってしまった


「はは・・志乃は恥かしがり屋だな・・・・まあ口に合うかはどうかは知れないけど、ほいどうぞ召し上がれ、」


「大丈夫ですよ。アンチョビさんの料理は美味しいですから」


「ア、アンチョビ?」


アンチョビって確かニシンの塩漬けだったような・・・


「申し遅れたな。私はローマ帝国軍ケントゥリオ(百人隊長)のアンチョビーナ・ユリウスだ。アンチョビって呼んでくれ」


確か百人隊長って現代で言う少尉とか中尉とかぐらいの階級だよな。それ以前に・・・・


「へ?ローマ帝国?なんでローマ帝国軍人がここにいるんだ?」


「うっ‥‥そ、それはだな・・・・」


アンチョビさんは気まずい顔をして説明した。

アンチョビさんが言うには祖国の命を受けて漢進行のためシルクロードを通っていたんだけど、いきなりロシア地域の部族やゲルマニア人の奇襲を受け部隊は壊滅。仲間は散りじりになり、6か月前一人になってしまったアンチョビさんはこの地まで彷徨い、行き倒れたところに丁度、水鏡さんに助けられて今はここの用心棒いわゆる警備員をしているらしい。


「そんなことがあったんですか・・・・」


「まぁ、いろいろとあったけど私は水鏡先生に助けられて、本当に良かったと思っている。出なければ朱里や雛里そして志乃という妹分に出会わなかったからな」


「・・・あのそれって真名ですよね。誰なんですか?」


すると水鏡さんが


「ああ、言っていませんでしたね。朱里と雛里の名は諸葛亮と鳳統。そしてこの子、志乃は司馬懿といいます。朱里と雛里は今、旅に出ていますが」


え!あの銀髪の子があの司馬懿!俺は驚いた。しかし諸葛亮と鳳統は旅に出てしまったのか・・・たぶん劉備とかの所にいるはずだな・・・・


「ところで1つお訪ねしたいのですが。」


水鏡さんが俺に訊く


「何でしょう水鏡さん?」


「あなたは今噂の2人の天の御遣いの一人ですか?」


「何故そうだと?」


「噂になってる特徴に類似していますし、何より、見たこともない枯草色の服を着ていますから。」


「確かにな。そこまで精巧な服わが祖国ローマでも見ないからな」


「‥‥確かに俺は天の御使いの一人って呼ばれています」


「やはりそうでしたか。あのお名前を聞いてもよろしいでしょうか」


「そう言えばまだ名前を言っていませんでしたね。俺の名前は沖田。沖田吹雪です」


「沖田吹雪だと!あの池田屋事件で有名な!!」


アンチョビさんは声を上げた。


「お前の名前は知ってるぞ!確か街に火を放とうとする悪党どもをたった30人で防いだっていう。あの話を聞いた時は感動したぞ。うちのローマ軍にもお前のような人間がいたらと思うと‥‥」


「あはは・・・・」


そう言い、俺は、アンチョビさんの話を苦笑しながら聞くのだった。






「‥・・・沖田吹雪・・・・あの人がもう一人の御使い・・・どうやら噂通りの人のようですね・・・・・・・あのお方の真名はなんていうんでしょう・・・・・・・・・吹雪・・・・・様」


扉の裏でこっそりと話を聞く司馬懿こと志乃がいたのだった。



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