プロローグ
どうもこんにちは。おにぎり丸の友人です。今回は、とても面白そうなファンタジーを書いてみました。
おにぎり丸はどうしてるかって?『編集者』を名乗り、手伝ってくれていますよ・・・
この小さな集落、『デール』の兵舎には、やく20名ほどの若者たちが働いていた。この若者たちは、成長すると、下級魔術師になって、王国の軍に編成される。そんな一団の中に、一人の若者、コウタがいた。コウタは、背も低く、差別の対象にされていたが、魔法のセンスは抜群だった。9歳の時、初めて火の玉の召喚に成功したのもコウタである。しかし、成長するに連れて、だんだんとコウタに嫉妬する者も現れ、いつもいじめられていた。
ある日の朝である。コウタは、起きた途端に蹴飛ばされ、悪口を言われるという虐待にあっていた。
(っく、もうこんな生活は嫌だ。この国から逃げ出そう。そうだ。この近くの山にでも住んで、隠者になればいいんだ。そしたらいじめられないですむし、それにこんな目にも会わずに済むに違いない。)そう考えたコウタは、鶏がコケコケと泣く前に、自分の箒を召喚して、大空へと飛び回っていった。
(………危ない危ない。低空飛行をしないと先生たちに見つかるところだった。)
このころのコウタには、まだ王国を作るなんていう考えはなかった。それに、コウタのことを知っている者も少なく、まだ全然有名じゃなかった。でも、のちのコウタが語るには、
「この時期は私の人生の中で一番重要だった。」
だ、そうだ。
コウタはまだ知らない。
自分の身に起こる、様々な冒険と、自分を慕う、大勢の民を。