第86話 またお前かよ!
「気がついたの?」
ん?ここはどこだ?何も見えない。目の前が真っ白だ。ってここ来たことあるぞ!
「そうなの。ここはあの世の入り口なの」
だとするとお前神様か。また俺死んだのか。
「まあまあ。そんなことよりお疲れ様だったの」
そんなことより、じゃねえよ!俺死んだのかよ。
「正確に言うと死にかけてるの。まだ死んでないから心配しなくていいの」
そ、そうか。ならいいけど。で、何の用だよ。
「お礼を言いに来たの」
礼?別にいらねえよ。何したか分かってないし。
「お主のおかげで救われた世界があるの。もっと胸を張っていいの」
色々聞きたいことがあるんだけど。
「いいの。なんでも答えてやるの」
まず、あの世界はなんなんだ。
「あの世界はお主が生きておった世界とは全く別次元の世界なの」
パラレルワールドってことか。
「パラレルワールド、ではないと思うの。お主の生きておった世界とどこかで繋がっておるの」
分かりにくいな。
「まあ、全然違う次元の世界だけどちょっとだけ繋がってる世界だと思えばいいの」
……まあ、いいや。これ以上聞いても分かんないだろうな。あと、俺が転生したダヴィドって何者なんだ?
「あやつはあの世界の次の王になるべき人物なの。でもあの世界に悪魔が入り込んで殺されそうだったからお主に代わってもらったの」
そしたら俺が代わりに殺されに行ったってことかよ!
「でもいいじゃろ。いっぺん死んでるんだし」
無茶苦茶だな……。あと、悪魔って何者なんだ?
「まず我々神は人々の祈りや願いを調整して世界が上手く回っていくようにするのが仕事なの。でもどうしても調整がつかなくなって人々の間に溜まった不満や鬱屈した気持ちが凝り固まって悪魔になるの。悪魔はその世界で不満のある奴に取り憑いて悪さをするの」
じゃあ悪魔を生み出したのはお前ら神だってことか。
「そもそも人々がそれぞれの置かれた運命をありのままに捉えることが出来ればこんなことにはならないの」
ケッ、いいように言いやがるぜ。
「他に聞きたいことはないの」
悪魔の声が壇浦だったんだけど、壇浦は悪魔なのか。
「悪魔からそんな声が聞こえたんならそれはお主の心の中にあるものがそうさせたの。さっきも言ったけど悪魔はあくまでも人々の不満や鬱屈した気持ちの成れの果てなの」
と、言うことは俺は壇浦に対して不満や鬱屈した気持ちがあるってことか?
「まあ、その逆もあり得るの」
逆ってどういうことだよ。
「まあ、それは自分で確かめたらいいの」
……まあ、いいや。
「他にはないの」
なんか色々ありすぎて何聞いたらいいかよく分かんねえ。
「そうなの。じゃあの」
おい、どこ行くんだよ。
「特別にお主を元の世界に戻してやるの」
ええっ!俺死んだんじゃねえの!
「特別に生き返らせてやるの」
そんなことできるなら最初からしとけよ!
「お主が頑張ったから特別にしてやるの」
それって……拒否できんのか。
「拒否するの?」
いや……その……。
「お主」
な、なんだよ。
「生きることが嫌なの?」
嫌っていうか……別に……。
「生きることはそんなに悪いことではないの。今のお主ならそれが分かってると思うの」
……分かってねえよ……。
「じゃあ、なんであそこまで頑張ったの?」
いや、あれは、その、やらされたっていうか……。
「やらされでも何でもいいの。お主はよその世界を救った。それだけでいいの。もう時間がないの。じゃあの。元気でやるの」
お、おい、ちょっと待てよ!




