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第80話 リムドのおかげ!

「さあ、早く」


 俺は液体の中に片足を突っ込んだ。生暖かい感触だ。俺はそのままさらにもう片方の足も突っ込もうとした。


 その時。


 誰かが俺の服の袖を引っ張った。


 リムドだった。


「どうしたんだ?」


 俺は片足を突っ込んだまま言った。


「ねえ、何やってるの?」


「一緒に行こう」


 俺はリムドの手を取った。


 リムドは不思議そうな顔をしている。


「どうしたんだ?」


「どうしてその中に入るの?」


「とても気持ちいいんだ」


「そうかな?気味が悪そうだよ」


「何を言うんだ。みんな入ってるぞ」


「みんな入ってると僕も入らないといけないの?」


「いや、そんなことないけど。でもお父さんもいるぞ」


「ふうん。でも僕はいいや」


「どうして?」


「だって気持ち悪そうだし」


「そうか。お母さんに会えるかもしれないぞ」


「お母さんは死んじゃったからもう会えないよ」


「こっちに来るんだ」


 俺はリムドの手をぐいっと引き寄せようとした。


「や、やめてよ、痛いよ」


 リムドは嫌がっている。


「さあ、一緒に行こう」


「僕は行かない!なんか変だよ、お兄ちゃん」


「俺は何も変じゃない!」


 俺はなおもリムドの手を引いた。


「やめてよ!」


 リムドはそう叫ぶと俺の手を撥ね退けた。


「いいからこっちに来るんだ!」


「やめて!」


 リムドは突然火を吹いた。


「あっちっ!な、何するんだ!」


 リムド自身も驚いてる様子だ。


「ぼ、僕にも火が吹けるんだ……」


「さあ、早く!」


 俺はもう一度リムドの手を引こうとした。


 リムドはまた火を吹いた。


 俺がその火を避けると悪魔の液体タワーに火がかかった。火がかかった部分はナイロンでも燃やしたかのようにチリチリと縮んでいく。急に俺の中の意識がクリアになってきた。


「あれ?なんで俺こんなことしてるんだ……」


 妙に冷めたような気持ちになる。


「リムド。一度思いっきり火を吹いてくれないか。その緑色の液体に向かって」


「え?う、うん。いいよ」


 リムドは深呼吸して、そして緑色の液体に対峙した。そして。


「ブウウウウウ!」


 俺と同じくらいの大きさの火の玉が発射された。火の玉は緑色の液体を貫通して行った。俺の意識はますます戻ってきた。


「……あれ?なんで……。私こんなところで……」


 キャサリンがフラフラと歩いてきた。


「これ……リムドのおかげで何とかなるかも」

 

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