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第8話 関原環の憂鬱!

 つまらない。


 本当につまらない。


 学校も先生も友達も。


 私は学校に行きながら、なぜ学校なんて行かないといけないのか不思議でしょうがなかった。


 私は何でもできた。

 勉強もスポーツも音楽も何でもだ。でもそれはそれ相当の努力をしているからだ。


 私にだって苦手なことはある。細かい作業は正直苦手だ。だから何度も練習した。時には朝までかかってやったらこともある。なのに他の連中はそこまで努力をせずに何でもできる私のことをやっかんで悪口を言ってきたりする。


 あと私は可愛い。その上、胸まで大きい。色んな男子に好きだとか言われた。


 しかし私は男の子に全く興味がない。男の子に興味がない理由ははっきりしている。つまらないからだ。少なくとも私より能力が高くて、もっと面白い人がいれば私も好きになれるかもしれない。しかし私の前にいる同級生たちは余りにも子供だ。


 学校なんて行きたくない。


 正直今の高校を選んだのも家から一番近いという理由以外に何もない。学校なんて行かなくても自分一人で勉強できるし体を鍛えることもできる。むしろ一人にさせてもらった方が効率的だと思う。


「おはよう、たまちゃん」


「ああ、おはよう」


 たまちゃんというのは私のあだ名だ。私の名前が関原環だからたまちゃんだ。


 ちなみに私は自分の名前が嫌いだ。小学生の頃、タマキンとか言われて男子にからかわれたのが嫌で仕方なかった。


 まあ、からかってきた男子の股を思い切り蹴り上げてやったら、二度と言ってこなくなったけど。


 話しかけてきたのはクラスメートの壇浦夕花。私はクラスメートとはほとんど会話をしないが、夕花とだけは仲良くなった。


 きっかけは吉本新喜劇だった。高校入学して最初の自己紹介で吉本新喜劇が好きだと言ったら夕花がニコニコしながら話しかけてきた。

 色んな人がこのネタで私に話かけてきたが、真の新喜劇ファンは夕花だけだった。みんな好きだという割に知識が浅い。そんなんじゃ甘いよ!


「昨日はごめんね」


「どうして夕花が謝るの。謝らないといけないのは私の方よ。変なことに付き合わせちゃって」


 昨日は、引きこもっているクラスメートの男子の家に行った。用件は私のリコーダーを返してもらうこと。夕花はそいつと仲が良いらしいので一緒に来てもらった。しかし奴はシラを切ってきた。


「ホント許せない。人のものなんだと思ってるんだろう」


「う、うん。そうだね。でも尚くんもそんなに悪い人じゃないから何かの間違いじゃないかなって……」


 なぜか夕花はあいつのことを庇う。


「なんであんな奴のこと庇うの?私前々から好きじゃなかったわ。なんかエロそうで気持ち悪い」


「そ、そんなことないよ。尚くんはほんとはいい人だよ」


 そんな話をしてるうちに学校に着いた。




 二時間目くらいだろうか。


 急に体が火照ってきた。


 体の中からマグマが噴き出してくるような感じだ。


「なんだろ。風邪かな」


 授業を聞いてられる状態ではない。


「先生、すいません」




 私は保健室に行った。夕花が付いてきてくれた。


「どうしたの?顔が赤いよ。学校来るまではなんともなかったのに」


「う、うん、ちょっと風邪引いたのかも……」


 しかし二時間くらいで風邪なんか引くのだろうか。


 保健室に着いた。


「あらー、どうしたの、珍しい子が来たわね」


 保健の長篠先生だ。すっごいきれいで評判の先生だ。


「ちょっとしんどいので横にならせてもらっていいですか?」


「ええ、いいわよ。今誰もいないから。私が一緒に寝なくても大丈夫かしら?」


「あ、結構です」


 先生は真剣に残念そうな顔をしてベッドのカーテンを開けてくれた。ちなみに先生はガチガチのレズでも評判だ。




 どのくらい時間が経ったのだろう。

 よく分からないが寝てる間に変な夢を見た。


 ちっちゃいおっさん達に縄でぐるぐる巻きにされて胴上げされる夢だ。


 とにかくこそばゆいというか何というか……気持ちが良かった。

 私は夢の中で止めて、とかそこは触らないでとか叫んでるが、本当はやめて欲しくないのだ。それを分かっていてさらにおっさん達は興奮して高く胴上げをしてくる。


 もう、ほっんとにやめて!いや、やめないで!もっと!もっととして!


「もういや!」


 目が覚めた。


「あら、起きたの?」


 先生がカーテン越しに声をかけてくれた。


「は、はい。もう、大丈夫です」


「あらそう。もっと寝てていいのよ」


「いや、大丈夫です」


 何となく気分がスッキリしている。何だったんだろうか。


「先生」


「うーん、なーにー」


「あの……私、なんか寝言とか言ってました?」


 先生がカーテンを開けたわ、


「ウフフ。なんか、うなされてたわ。まあ、私には喘いでいるようにしか聞こえかなったけど。ちょっと興奮しちゃったじゃない」


「せ、先生!」


「別にまだここに居てもいいのよ」


「いや、本当に大丈夫ですから。ありがとうこざいました」




 私は保健室を出た。


 一体どうしてしまったというのだろう。


 急にエロくなってしまったのだろうか。


 そんなことがあるのだろうか。


 一体なぜ?




 その日は部活は休んで帰ることにした。

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