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第74話 悪魔の正体!

「なんだ?あれ?」


 魔王の蒸気を抜けて地上に接近すると、俺が魔王から吸い出した謎の物体が見えてきた。謎の物体は緑色のスライムのような形状をしていてヒクヒクと蠢いている。皆がそいつを遠巻きに見ている。


 俺が地上に降りるとかなりの人だかりが出来ていた。竜族たちが野次馬を近づけないように誘導していた。


「ああ、ダヴィドさん、こちらどうぞ」


 竜族の一人が俺を見つけて謎の物体のところまで案内してくれた。謎の物体をラピスとベリルとヒースが眺めている。


「なんなんだこれ」


 頭の上のキャサリンに聞いてみた。


「知らないわよ、そんなこと」


 キャサリンのぶっきら棒は今に始まったことではなかった。


 俺は目の前の不気味に蠢く緑色の物体をじっと見つめていた……。


 何となく眠気を感じる。


 疲れてるのかな……。




「ねえ、尚くん」


 ん?その声は壇浦か?


「そうだよ。えへへ」


 お前異世界に来たのか。


「うん、私も来ちゃった」


 そうか。


「尚くん、楽しそうだね」


 そうかな。よく分からない。


「楽しそうだよ。たまちゃんも一緒だし」


 たまちゃんって関原のことか。俺あいつに奴隷扱いされてんだけど。


「うふふ。尚くんそういうの好きなんでしょ」


 別に好きじゃねえよ。なんであんな奴と一緒にいないといけないんだ。


「でも楽しそうだったよ」


 見てたのか?これまでのこと。


「うん、ずっと見てたよ」


 そうか。じゃあ誰かに転生してたんだな。誰に転生してたんだ?


「え?分からなかった?」


 いや、全く分からないな。リディアか?ペーシャか?


「違うよ」


 えーっと。誰だろ。


「じゃあヒントあげるね」


 おう、よろしく。


「尚くんの目の前にいるよ」


 俺の目の前?俺の目の前って……。




 急に意識が戻る。


 目の前が一面緑色になる。


 俺はそのままよく分からない緑色の何かの中に取り込まれて行った。




 気持ちがいい。


「ウフフ。そうでしょ」


 お前か。悪魔って壇浦だったのか。


「エヘヘ。あたりっ」


 何だってこんな酷いことするんだよ。


「酷いこと?気持ちいいでしょ」


 ああ、気持ちいい。とても満たされた気分だ。でもこれでいいのかな。


「これでいいのかなって?」


 いや、神様に悪魔をやっつけろ的なこと言われてたし。


「えー、そうなの。ひどいこと言うね。本当にその人神様なの?」


 いや、分からない。でもこの世界に転生させてくれたのがその神様なんだよ。


「でも神様はこんな気持ちいいことしてくれないでしょ」


 ああ、そうだな。


「それにみんな一緒だよ。ほらあそこにたまちゃんもいるよ」


 ああ、ほんとだ。キャサリンがいるな。あいつも気持ち良さそうにしてるな。


「ほらあそこにラピス、ベリル、ヒース、あとリディアやペーシャや会場にいた女の子とかみんないるでしょ」


 ああ、ほんとだ。みんないる。


「おやすみなさいよ。尚くん。疲れたでしょ」


 ああ、そうだな。おやすみ。

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