第68話 作戦!
「グオオオオオオオオオ!!」
魔王は雄叫びを上げながら俺を探しているようだ。
「あんたの空気砲、どのくらいの大きさのやつまで作れるの」
俺とキャサリンは声を殺して椅子の下に隠れている。
「分かんねえな……」
空気砲は森から帰って二、三日で練習したものだ。正直言って実戦で使うのも初めてだったし、どのくらいの大きさやスピードで出せるのか掴みかねている。
「でもあんた、それくらいしか攻撃する手立てないでしょ」
おっしゃる通りだ。竜巻系のやつではダメージは与えられないだろうし、凝竜巻を食らわせることも難しいだろう。
「腹に一発でかい空気砲をぶち当ててその反動で飲み込んだクリスタル吐き出させるわよ」
「そんなんで吐き出してくれんのかよ」
「じゃあそれ以外にどうしたらいいって言うのよ!奴隷は奴隷らしくしてなさいよ!」
これから魔王になろうとする俺にキャサリンは手厳しい。俺は黙って空気砲のイメージを固めた。
「ラピスが魔王の気を引いてくれそうだわ。私の合図であいつの土手っ腹に一発お見舞いしなさい」
椅子の陰から覗くとラピスが魔王の周りを飛んで攻撃している。他の竜族も魔王の周りを飛んでいるが直接攻撃はしていないようだ。
「なかなか難しいわね……」
キャサリンはラピスにもっと上だと合図しているが他の竜族が邪魔でなかなかタイミングが計れない。
「どうしようかしら……」
キャサリンは腕組みしている。
「うん!これしかないわ!」
キャサリンはポンと手を叩くと、ラピスに手招きしてこっちに来いと合図をした。ラピスはその合図を見て魔王の死角に入ってから飛ぶのをやめて走ってこちらに来た。
「ハア、ハア、どうした?」
ラピスは息を切らしながら言った。
キャサリンはラピスに耳打ちした。
「ふむ、分かった。やってみよう」
ラピスはタッと駆け出した。
「おい、何やる気だよ」
「あんたは黙って私の言うタイミングで空気砲出しなさい。隙は一瞬しかないわ」
ラピスは走ってそのまま魔王の前に立った。そして思いっきり体を反らせた。口一杯に空気を吸い込んでいるようだ。そのうちラピスの口元が怪しく光り出した。
「な、何をする気だ!」
「あいつ火炎放射を魔王様にぶつける気か!」
「全員でラピスを止めろ!」
魔王の周りを飛んでいる竜族たちが一斉にラピスに向かっていった。魔王がラピスの怪しい動きに気付いてラピス目掛けて拳を振り上げた!魔王の土手っ腹が空いた!
「今よ!」
俺は椅子の陰から飛び出した!
「超・空気砲!」




